第27話 「大きすぎて困ることは…ありそう。」
※誤字脱字は活動報告にお願いします!
「気にくわねぇ…。」
べべロイド・オーバリックは不機嫌だった。
(なんで俺よりも年下で尚且つ忌み子が特待生?そんなことがあってたまるか。)
しかし、そんな不満をどこかにぶつける訳には行かなかった。
何故なら学園長や公爵までもがそういった行為を禁ずるとまで言及していたからだ。
(おかしいだろ!なんで学園長だけでなく公爵様までもが…。)
そんな疑問が解決すること答えがべべロイドの中で一つだけ思いついた。
(賄賂だ!そうだ!賄賂を公爵様に渡したんだ!だから忌み子を擁護したんだ!)
お金に困る筈の無い公爵に賄賂を渡したところで効果がないことを普通は考えつくが
不機嫌で頭に血が昇った状態のべべロイドはそんなことさえ考えつかなかった、その上に
(忌み子め…絶対お前の悪事を暴いてやるからな!まずは魔法の授業だ!
俺の魔法が賄賂で特待生になるような忌み子の魔法如き負けるわけないからな…。)
と意気込んでしまっていた。
そんなことをべべロイドが思ってる間ユリオーネはアデーレーナを励ましていた。
「だ、大丈夫だよレナ姉さん。緊張しちゃうぐらい誰だってあるって!」
「うぅ…でも、絶対友達できないよ…。」
「で、できるよ!」
根拠も無く言ったのが悪かったのかレナ姉さんはより一層顔暗くし
「私だけだもん、自己紹介しなかったの…。」
そういって涙目でまた俯いてぷるぷるし始めてしまった。
そんなレナ姉さんに僕は一つだけ根拠のあることを言った。
「大丈夫だよ!レナ姉さんには僕がいるから!一生隣に居るよ!」
そういうとレナ姉さんはぷるぷるがピタッと止まりこっちを向いて
「リオ君と…ずっと…一緒…えへへ…。」
と嬉しそうに微笑みを返してくれた。
校門を出るとリメーレが待っててくれた。
「お帰りなさいませ、どうしたかクラスは。」
リメーレは僕たちを心配した顔で聞いてくる。
まぁ、黒髪黒目と人間恐怖症というか、コミュ障の少女だからな…心配で胃が破裂しそう。
「うん、大丈夫だったよ。」
僕は力なくそう言って笑った。
「そうでしたか。」
僕の答えを聞くとリメーレは心底ほっとした顔した。
「うん、学園長や公爵様が釘刺してくれたおかげかな。」
「そうでしたか、では後日お礼に参った方が良さそうですね。」
「そうだね、んじゃ寮に帰る前にお土産を見繕ったほうがいいね。」
僕がそう提案するとリメーレは「それは名案です。」と言って帰りにお土産を見繕うことになった。
レナ姉さんはまだ「ずっと一緒…えへへっ…。」と笑っていた。
「ふわぁ…おっきい…。」
王都の門でも聞いた台詞だが今度は場所が違った。
「さすが、王都魔法学校の特別寮ですね。」
「さすが、ってことはリメーレはどこかの学校に?」
「えぇ、実家は貧乏でしたが教養と気品は身に着けて損はしないが家訓で学校には行かせて貰えました。」
へー、いいご実家だ。
「それでどこの学校に?」
「はい、ルイビソルワーネ準男爵領に近い都市、<グランキトルア>にある、商学学校の給仕コースです。」
「なるほど計算と給仕を習うのか。」
「はい。基本的簡単なものでしたが。」
そんな話をしてるとレナ姉さんは少し眠そうにあくびをしたので寮に入ることにした。
寮を入ると絨毯が轢かれて、天井にはシャンデリアが吊られていた。
フロントの斜め横にテーブルとソファがあり、簡易応接間みたいなのがあった。フリースペースなのだろう。
そしてフロントには2名の女性が立っていた。
「今日ご入学の生徒様でしょうか?」
「はい。」
「お名前をお願いします。鍵の所有登録を致しますので。」
「わかりました。」
そういって片方のお姉さんから手渡された紙に名前を記入した。
「ユリオーネ・クリオネッツ様とアデーレーナ・クリオネッツ様ですね。」
確認に僕たちは「はい。」と答えるとお姉さんはにっこり笑って名簿と照会して鍵、鍵の登録資料と寮についてのマニュアルを渡してきた。
「鍵と鍵についての説明が記載された資料とこの寮の使用マニュアルです。
鍵と資料につきましては再発行に手続きが大変長くかかるので紛失などお気をつけ下さい。
寮についてはマニュアルに載っていますがわからないことがあればこちらのフロントまでお気軽に質問下さい。
部屋にある通話魔石でフロントにある通話魔石にも通話がかけられます。
ここまででご不明な点はございますか?」
僕たちはありませんと答えた。
「畏まりました。クリオネッツ様のお部屋は5階の階段左手の一番奥のお部屋でございます。」
「わかりました。ご丁寧にありがとうございました。」
と言って一礼をするとお姉さんは綺麗にお辞儀を返してくれた。
すごい綺麗だった。
フロントの横を通り過ぎ階段を昇った。
「階段が多いのが難点だね。」
僕がそういうとリメーレが
「多少の運動にはなるかもしれません。」
と言って笑った、が目は笑ってなかった。
うーん、なんか女性って痩せてるように見えるのに痩せようとする人多いような気がするなぁ。
乙女心がわかってない、といわれそうだが今のままが一番のような気がする。
「階段の左手の一番奥、と。」
そのとき気づいたのだが階段から奥までが長い。
これだけの建物を作るのにいくら掛かったのだろうか。
「やっとついた…。」
レナ姉さんが搾り出すような声で言った。
「よし、入ろうか。」
僕がそういうとリメーレから緊張と同時に楽しみで堪らないという表情が見受けられた。基本クールなリメーレが感情を表すなんて珍しい。
そんなことを思いつつ中に入るとそこは凄かった。
赤を基調とした壁紙とカーテンと絨毯。
そして天井から吊られて蝋燭のオレンジの火の光を出すシャンデリア。
この世界ではめずらしい蛇口設置の台所。
そして大きなテーブルと白色のソファ。
部屋の入り口には外靴と部屋履き用の靴を替えるための玄関。
そして5~6ぐらいある部屋。
リメーレだけではなくこれには僕も驚いていた。
広い、でかい、大きい3拍子揃った、というか意味は同じだがそれぐらい言いたくなるぐらい大きかった。
「凄いお金かかってそうだ…。」
僕がそう呟くとリメーレは
「それぐらい特待生は凄いってことですよ。」
と返してきた。
レナ姉さんは大きな部屋が嬉しそうだったが、
僕は大きすぎていて戸惑いしか感じられなかった。
感想・評価下さい。
※誤字脱字は活動報告にお願いします!




