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第9話 「知らないことぐらいありますよ。」

日間ランキングに乗りました!

ありがとうございます!

強靭な体を俊敏に動かし、振り上げられた豪腕と鋭利な爪が僕を切り裂こうとする。

僕はアイスシールドを唱えその攻撃を止めた。

すると、鬼熊は急に出てきた魔法に驚いたようだがすぐに咆哮を上げまた僕に襲いかかってきた。

僕は足に風魔法をまとわせるとファイアーアローを撃った。

鬼熊の脇腹に命中したファイアーアローは腹の肉を抉るようにして入っていき、

出来た傷口から出てくる血液を炎で焦がしていった。


鬼熊は最後に咆哮を上げ倒れた。


「さすがですわ!ユリオーネ様!」


その咆哮に負け劣らない歓声をあげた女がいた。

そうリメーレである。


あの一件からリメーレはユリオーネに忠誠を誓った。

ユリオーネは前に自分をアレだけ差別してた人間そう信用できるわけも無く、

ただ困惑していた。


「よし、じゃあ、とりあえず鬼熊の素材取ろうか。」

「ユリオーネ様はやり方ご存知なのですか?」

「わからない…から手探りでやるしかない、と思ってるけど。」

「そうですか、てっきり知っているものかと。」


なんだと思ってるんだ、まだここに来て3年しかたってないんだぞ。







「とりあえず剥ぎ取ってみたけど……。」

「ぐちゃぐちゃ…ですね…。」

「ま、鬼熊同士が戦って、死んだ鬼熊の毛皮と角持ってきたって設定にすれば

毛皮がぐちゃぐちゃなのも理由になるだろう。」

「そうですね、でも剥ぎ取る魔法とかないんですか?」


剥ぎ取りの魔法…ねぇ。



作れるかも知れない……。












「っていうか、リオーネお前はどうやって魔法を消してるんだ?」


アルド兄さんはウォーターボールを出して問いかけた。


「えっと、消えろ、と念じれば消えるのではないのですか?」

「いや、僕は消えろといくら念じても消えないんだが…。」

「うーん、なんでですかね、消すときに魔力が少し使うのはわかっているんですが…。」


僕はこれをキャンセル料と名づけている。


「いや、それ、魔法を消す魔法なんじゃないか?」

「え?」

「いや、消すのに魔力を使うってことは魔法を消す魔法なんじゃないか?」

「なるほど!納得しました!!さすが兄さん!」


すると、兄さんは笑顔になったと思ったら、急に沈んだ顔になった。


「いや、待て、魔法じゃないかも知れない。」

「魔法じゃないかも知れない?なぜです?」


「詠唱がないじゃないか。」




あ………。









「つくづく、思うがリオーネ、お前は本当に規格外だな…。」


兄さんにちゃんと無詠唱の件を話すと黙ってたことは怒らず、むしろ呆れられてしまった。


「兄さん、怒らないんですか?」

「なんで怒る必要があるんだ?」

「だって……。」


すると兄さんは僕の肩掴み目を合わせて向き直って言った。


「リオーネ、僕にだって隠し事はいくつもある、君だけが気に病むことじゃない。

第一、無詠唱なんて大事なものを明かすなんて一生のことが関わることだ。

でも、さっきは誤魔化してくれなくてありがとう。本当に言いたくないことは言わなくていいんだぞ…。」


そういって僕を抱きしめた。







………と言ったことがあった。


あの消えろが魔法だったなんて僕じゃ思いつかなかった。

わりとまじめにキャンセル料だと思ってた。

しかも、キャンセル料と言うと発動できるようになってしまって困ってるぐらいだ。






家に帰って兄さんに今日合ったことを報告した。


「鬼熊を倒した…?にわかに信じられないがリオーネが嘘つくとは思えないし、あのファイアーボール件もあるし納得できる…。

それで剥ぎ取りの魔法だよな。うーん、確かあったような気がするぞ。生活魔法に分類されたはずだ。」


生活魔法に中にあるのか。


「では、書庫行って探してみます。」

「あぁ、リメーレと一緒に探して来い。」


そういって、僕は書庫へむかうため兄さんと別れた。


「リメーレ、生活魔法、戦闘魔法以外に魔法の分類というのはあるのか?」

「えぇ、ありますよ。知らなかったんですね意外でした。」


リメーレ……、君は僕をなんだと思ってるんだ………。


「まず、生活魔法。これは坊ちゃまが知ってるように、生活に使うための魔法ですね。

次に戦闘魔法。これも簡略させていただきますが、戦いに使う魔法です。

ほかには、回復魔法、魔方陣魔法があります。」


「魔方陣魔法?」


回復魔法なら分かるが魔方陣魔法?召還などで使うのだろうか?


「はい、魔力で魔方陣を描き魔法を発動させます、今は早く使える詠唱魔法が主流ですが、効率の面ではどうも魔方陣魔法が一番のようです。」

「なるほど、詠唱魔法を10の力で出した場合、8ぐらいの力で出るとしたら魔方陣は9とかそれ以上なんだな。」


そういうことです、とリメーレは頷く。

ま、確かに無駄に威力出なくても最低限殺傷能力あればいい訳だしな。

そんな話をしていると書庫に着いた。


「坊ちゃま生活魔法でしたよね?」

「うん、とりあえず生活魔法がのってる魔法書を手当たりしだい集めよう。そして集めたら読もう。」

「わかりました。」


そうしてリメーレは動きだす。

パッと見、1000冊ぐらいだろうか。

まぁ、紙は貴重だし本も相当貴重なのだろう、あまり数は多くない。


そうして僕も探し始めた。

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