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不死後衛の苦悩  作者: すろれっさー
国を飛び出す後衛です。
6/66

 レベルが上がった現在のステータスです。


 セルゼルフ Lv21

 種族 人種 不死人族

 ジョブ 魔法使い見習い Lv20

 ジョブ履歴 無し

 スキル 魔法創造・作成 神器所持 魔法大辞典 特異魔法辞典

 神器 無し

 人種スキル 不滅 再生・復活 魔素操作・変換 自然操作・改変 非生物物質操作・改変・創造

 称号 神の使い 最高神の監視対象 魔法を極めし者 特異な魔法の創造者


 気になるスキルがありますね。称号については気にしたら負けです。気にしないでください。スキルを見ます。


『セルゼルフの独自スキル、魔法大辞典。作し・・・神がスキル欄節約の為にこの名前となったスキル。この世界にあるほぼ全ての魔法が統合した上位スキル。何が使えるのかがわからないというのが最大の欠点。

 セルゼルフの独自スキル、特異魔法辞典。この世になかった魔法スキルを一定以上所持したため、総合した上位スキル。何が使えるか分からないとうのが最大の欠点。』


 つまり面倒だったのですね。納得です。ジョブを変更するために意識を集中します。次は【魔法使い】です。上限レベルは60です。頑張りますね!さすがに見習い系のジョブは上昇が速いようです。

 お腹が空きました。ここでミノタウロスの肉を食べたいと思います。



 この時のこの選択が私に多大な恐怖を与えるとは思ってもいませんでした。後の私に大きな影響を与えた恐怖は今でも忘れたことがありません。人族のエゴや欲望を映し出す経験はなかなかしませんでした。まさに弱肉強食という言葉が似合う出来事です。しかし、それによってレベルが大幅に上昇した事だけが私の・・・この時の私の唯一の救いでした。また、それを教えてくれた私の敵には少し感謝しています。ちなみに今の私は未来の私です。



 私は壁に近い場所で【金属魔法:板:脚:箸:器】を使い、【火魔法:永久の灯】をできた板の下に置きました。ミノタウロスの肉を斬って乗せます。〝ジュー〟という音と美味しそうな匂いがし始めました。その時森から多くのミノタウロスが出てきたのです。同族を焼かれて私が()いのでしょうか?ニクだけに・・・

 硝子の騎士団を使って焼く肉をさらに増やします。ドロップは私の異空間に入りますので楽です。どんどん増えます。これならダンジョンにしばらく潜っても大丈夫ですね!さらに、焼けた肉を異空間にしまいました。丁度その時、キャベジクやターニプル、キューカンバン、ポテイトウフフやその上位種であるスウィートポテイトウフフなどが森から出てきました。やつのドロップは野菜です。栄養の偏りは駄目ですからね。サラダでも作りましょうか。丁度、エッグルやオリーブル、ショウユ、オニオンオノなども出現しましたので作れるんです。さらに騎士の数を増やし、大量の料理が量産されています。レベルが上がったことで一度に動ける騎士が増えたのです。半分ほどは迫りくる魔物の駆除を担当しています。もう半分は、サラダを作る担当や肉を焼く担当などに分かれています。あ、ジョブを変更しなければ。なんと、ジョブに【硝子の指揮官】がありました。さっそくそれにします。恐らくこのジョブに就いているのは私くらいではないでしょうか?

 沢山の料理の数々。そして、強烈な美味しそうな匂い。それに釣られてやってきたのは、魔物だけではないのです。〝ギギギガタン〟という大きな扉が開く音がしました。〝ギギギ〟という効果音が似合いそうな首の動きで私は音の発生源を見ます。そこには、フォークや皿を持参した不死人族の皆さんがいました。


「セルゼルフ・・・肉を・・・」

「野菜を・・・」

「サラダを・・・」

「よこせ!」「くれ!」


 〝キャー!〟という声が出ません。慌てて騎士たちを防御に向かわせます。この国の法律の何番目かにこういうものがあります。〝喧嘩で種族スキルの使用を禁じる。破った者は死刑500回。〟です。しかも、別の法律もあります。〝騒音、過度なニオイを発するモノは、排除、破壊することを認める。〟です。この料理は過度な匂いです。胃袋の中に()()されるでしょうね。

 硝子の騎士たちは彼らを抑えます。剣や槍、斧で攻撃しますが、破壊されます。私もやられっぱなしではないのです。弓騎士なども使っていますし、料理を運んで逃げる兵士もいます。大人達の空腹の顔・・・鬼の形相です。恐ろしい・・・

 そんな中の一人が私に教えてくれました。


「セル!殺すことだけがジョブレベルを上げることじゃねーぞ!こういうことでもジョブレベルが上がるはずだ!こまめにジョブ変更しろよ!教えてやったことを感謝しろ!」


 感謝しませんから!私の料理ですから!やめてください!どうしましょうか・・・

 レベルも上がっています。騎士の数もどんどん増えるのですが、破壊されます。ジョブもそろそろ変更できそうですね。【硝子の騎士王】になりました。思ったよりも早い・・・いえ!私の料理が!!


 結果。料理の殆どを食べられました。破壊された硝子の数は82万921()()。体じゃないのですよ。隊なのです。

 私の異空間に保護できた料理の数は71皿。

 レベル上限に達したジョブは6つ。【硝子の指揮官】【硝子の騎士王】【大魔法使い】【硝子の皇帝】【硝子の使い手】【硝子の戦導者】です。過酷な戦いでした・・・

 悲しい!私は悲しんでいる!

 と、それはさておき。寝ます。卵には常に魔力を送っていますからね。何もしていない時には最大出力で送っています。レベルも上がりましたからね。相当量が多いはずです。では。おやすみなさい。


 卵が孵化するまでに3日と言われましたが、3日後でしょうか?まだ生まれる気配がありません。

 今日からダンジョンに潜るつもりです。一日6皿食べたとしても、10日以上は潜れるので安心です。中でも食材を調理できますし、食材調達もできるはずです。


「セル!昨日はありがとな!」


 うるさいです。私は怒っているんですからね!私を見かけるなり、そう言ってきます。

 迷宮に到着です。硝子の騎士を大量に放ち、一気にレベルアップを目論みます。地図があればすぐに次の階層に向かうのですが、実は迷宮の地図は公表されていないですし、他の人にも見せてはいけないのです。なんでも、国王が〝自分で探検しなきゃ面白く無いじゃん。〟と、かなりの若者口調で言ったそうです。一番の年寄りが一番若者口調なのですよ。不思議ですよね。

 昨日の夜も【同時思考魔法】で半分は魔法について考えていたのです。そこでかなりいい案が出ました。硝子の〝騎士〟があるのだから、〝兵士〟〝戦士〟〝魔法使い〟などなどの職種があるのではないでしょうか?

 結果から言いますと、ありました。ですが、〝硝子の魔法使い〟は有用ではありませんね。魔力によって動いているので、稼働時間が少ないのです。

 今【同時思考魔法】がいい事を思いつきました!魔素を吸収して魔力に変換するという機能を付ければいい!あとは、盗まれると困るから自動的に爆発するという機能も付け加えましょう!

 と、言う訳で硝子のモノたちを強化しました。敵わない相手の場合、爆弾になります。〝かわいそう〟ですか?いえ、貴方達も爆弾を使いますよね?それの形が変わっただけです。人型だからといって感情移入しないでください。


 ゴブリンを魔法の【風魔法:不可視の刃】で殺します。少し血が噴き出した後で魔核を残して消滅しました。本来ならば硝子達に任せておけばいいのです。しかし、それでは面白味が無いのでダンジョンを進みます。冒険は自分でするから面白いのですよ。


 訂正します。面白味など要りませんでした。迷宮と言えば罠です。今現在、私は落下しています。これは典型的な罠で、下層に落とすという最大級に悪質な罠です。名前は・・・そう。落とし穴。

 落下の衝撃で死ぬか、そこに生息する強い魔物に殺されるか。いえ、死にませんけどね。痛みは尋常ではないはずです。一度霧になることは確実です。


『ダンジョン。迷宮とも言う。一般的に上層、中層、下層に分かれる。各階層の境目にはボスと呼ばれる守護者がいる。下の階層に進むにはそのボスを倒さなければならない。また、上層には強い魔物は発生しないが、罠が豊富である。一番引っ掛かりにくい罠は落とし穴である。』


 今、その説明は聞きたくありません。しょうがないじゃないですか!余裕ぶって後ろ向きに歩いていたんですから!

 どれだけ深いのでしょうか?知る必要はありません。【転移魔法】で逃げましょう。残念だったなぁ!罠よ!この私にこんな低俗な罠が通用するとでも・・・


 あれ?使えない?何故?


『ダンジョン。迷宮とも言う。下層には罠が無い。それは転移系の魔法を阻害する罠に全力を注いでいるためだと考えられる。』


 今、その説明は聞きたくありません。とにかく、勢いを殺さなければ。

 足元に硝子の板を創造し、それに上向きの力を加えます。

 徐々に勢いが無くなりました。このまま上に戻りましょうか?


『地上に戻るという無駄過ぎる手段を取るより、攻略した方が速い。なぜなら落とし穴は落ちた瞬間に閉じるからである。』


 うるさいです。わかっています。上を見ると落ちてきたはずの穴が見当たりません。ここには生えていませんが、通路には明るくするためにダンジョン苔と呼ばれる苔類が大量に生えているのです。なので、落ちてきた穴からその光が届くはずでした。穴が塞がっていなければ。

 よく見えませんね。明かりが欲しいですね。こんな状況はチャンスです!普段は見ることができない落とし穴の中を見ることができるのですから!さあ!みなさんもレッツポジティブ!さあ!落とし穴の中を見せなさい!【光魔法:照射】。

 魔法を使った瞬間に暗かった縦穴が光りに照らされ、自分の置かれている状況が理解できました。


「見えなきゃよかった。」

『また、下層に続く縦穴には光を与えると目を覚ます蛇と、その王が眠っている。』


 先に知りたかったです。

 上からも下からも横からも、蛇が飛びかかってきます。そして、私の上を飛んでいる鳥。あれが驚異的です。見るからに強そうです。

読んでいただきありがとうございます。

食べ物の恨みは怖いという噂ですので、皆様もお気をつけ下さい。

私も他の小説のように、魔法をサンダーボルトや、ファイヤーなんとかにしたいのですが、英語が苦手なのでできませんでした。魔法の名前は適当です。

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