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『バジリスク。蛇の王。蛇型の魔物の頂点であり、その姿は鷲や鷹である。しかし、尻尾が蛇となっている。その本数で強さが決まる。また、その息には強い毒性があり、目から放たれる光線を浴びると石化してしまう。体を強力な魔力で覆うと石化しない。PS、目から出る光線には種類がある。』
尻尾の本数!?私は生まれて初めて尻尾の本数を凝視して数えます。まじですか。すでにあの尻尾はすでに蛇ではなく、普通の鳥の尾ですね。数が多すぎます。燕に見えてきました。まずは体を魔力で覆います。
さて、どうしましょうか。浮遊できる硝子で対応していますが、間に合わないかもしれませんね。ドロップは異空間に入ります。帰ったら蛇の開き焼きですよ!今度は匂いが周囲に出ないように、硝子で覆いましょうか。ついでに酸素だけを通すように加工しましょう。呼吸困難になるのは嫌ですから。
さて、硝子と魔法で蛇には対応できますが、あの鳥は厄介です。それなりに堅いので硝子で傷が付きません。私が硝子で攻撃していることに気が付かないほどです。と、なれば魔法ですよね。
そう考えながら四方八方に魔法を飛ばします。なりふり構っていられません。あれ?最終階層に到着すれば下からの蛇が狙え・・・あ、蛇に囲まれますか。
硝子で空中に浮いたまま、蛇を処理します。あの鳥はどのように処理しましょうか?まずはやつの魔力を抜きます。
・・・抜けませんでした。嘴にある穴から魔力を操れる気がしたのですが、そこは魔力の固体で守られていました。恐らく口から出る毒を体外に出さないためでしょう。
やけくそです。考えつく魔法を3つほどぶつけてやりましょう!【爆発魔法:極爆】【雹魔法:連弾】【氷雪魔法:静止した世界】。
3つの魔法を使いましたが、通じませんでした。まるでフェニックスのようです。あれ?これって、本当にバジリスクですか?これだけ魔法が通用しないのはおかしいのではないのでしょうか?
『この魔物はバジリスクと、フェニックスの間の魔物です。両者のいい所を集めています。迷宮の主として召喚されています。』
先に言ってください。魔物が違えば対策も違うのです。フェニックスは不死鳥と呼ばれていますが、死なないという特徴を持っているのは私たち不死人族だけなのです。他の不死性の生物は回数制限があったり死ぬ環境が悪かったりすると復活できないことがあるのです。さて、バジリスクはどのような環境で死ぬのでしょうか?
バジリスクモドキが私に向けて魔法を使いました。しかし、子供であっても不死人族であるのです。魔力の籠った光線は私に当たる前に消滅させます。光線が効かないとすぐに分かったようでブレスの攻撃に変更してきました。その攻撃は私が吸い込む前に逆風で解決です。私に攻撃する手段は限られてきましたね。恐らく次は近距離戦を仕掛けてくるでしょう。
嘴と鉤爪で攻撃してきます。速いですね。どうしましょうか。あの爪に触れたら切傷では済まないと思われます。剣に魔力を通して爪を受けます。お兄さんに聞いたことなのですが、盾であっても剣であっても、敵の攻撃を受けることはしてはいけないらしいらしいのです。理由はすぐに装備が壊れてしまうからだそうです。なので私も爪を剣で受け流します。魔力で強化されていますし、うまく受け流す事ができそうです。しかし、空中戦では不利なので下に行きます。
蛇を硝子で殺しながら下に進みます。途中、硝子を敵に投げましたが避けられるか砕かれるか。まったく通用しません。見えないのに関わらず避けられるのです。
地面が見えてきたときのことです。左腕が血液と共に【光魔法】が届かない闇の中に消えていきます。爪を魔法でコーティングして斬撃を飛ばされてしまったのです。剣だけができるということはないということを忘れていました。
「いだい!治癒魔法!左腕!血液!」
痛すぎます。やばいですね。痛すぎて詠唱を口に出してしまいました。
こんなことを繰り返していますと最終の階層に到着したようです。そうです。繰り返しました。さて、ボスはどこでしょうか?最下層と思われるので、いるはずなのです。しかし、いません。もしかしたら別の部屋があるかもしれません。硝子の騎士を送り出します。
しばらく、傷を負いながらバジリスクの攻撃を誤魔化していました。硝子の騎士軍を探索させます。私が出口に行こうとするとバジリスクが全力で阻止してくるのです。なので騎士たちに任せています。出てくる魔物はなんとか倒せるレベルなのです。問題は下に続く階段が無いことです。嫌な予感なのですが、このバジリスクは・・・
なんとなく気が付いていましたが、このダンジョンの最終のボスはこのバジリスクのようです。どうしよう。悩んだ私の隙を逃さない敵は私を攻撃してきました。今回は上半身と下半身がお別れしてしまいました。そんなとき声が聞こえてきました。幻聴かもしれません・・・
「力が、武器が欲しいか?神器を所有することを許された者よ。我ならこの世でただ一人のお前を殺させはしないぞ?」
「だれですか!?」
「我は神器である。神に溺愛された者に与えられる道具・・・のようなものだ。さあ、力が欲しいか?」
「欲しいです!」
「お前の望みを言え。」
「望みはないです!強いて言うなら武器!」
「ふっふっふ。面白い子供だ。お前に我を与えよう。」
手元を見ます。そこからは砂が溢れてきているんです。その砂は私の意思に従い、蠢き、その量を増やすのです。私は理解しました。これは・・神器(神器だと言われています。)。そして・・・私の指示に従う(あなたのスキルです。)。
量を一気に増やし、バジリスクを包み込みます。そしてそれを切り刻むのです。感覚的にこれは砂ではないと思います。しかし、これだけでは足りないようなので水をむくませます。砂に向かって【雷魔法:雷鳴】を放ちました。【水魔法】で造られた水はある程度の性質を変えることができるのです。電解質な水にしています。
砂の中の反応が消えました。そうです。やっとで倒したのです。不死である存在は私たちだけなのですよ。ドロップしたのは羽、灰、血液、嘴、丸いものです。一度眼で見てみたかったので異空間から取り出しました。一番の輝きを放っていたのは丸いものです。
疲れました。ゆっくりと地面に腰をおろします。戦利品を異空間から再び取り出し見つめます。いい輝きです。痛い思いをした甲斐が少しはありました。気になるのはこの丸いものですね。
『フェジリックスの卵。不死鳥であるフェニックスと、蛇の王であるバジリスクの間の子供の卵。孵化までの時間は1年ほど。孵化までの期間に与えられた魔力の量に比例して強くなる。魔力を一番与えた者の従魔となる。種族的に限界を迎えた場合、孵化までの期間が短縮される。』
また卵ですか。スライムも同じではないのでしょうか?2日目ですが、そろそろ生まれるかもしれません。
『さっそくここにたどり着きましたか。セルゼルフ。』
そんなとき、声が聞こえました。ここには私一人のはずであるのに声が聞こえるはずがないです。
「だれですかぁ?」
怖くないですよ。怖くないです。確かに暗いですが、怖くないです。
『人々に神と呼ばれている者です。』
「神様ですか。そうですか・・・」
『おや?驚かないのですか?』
「先ほど、神器と名乗るモノに出会ったばかりですから。」
『そうですか。さっそくですが、本題に移ります。貴方に使命を与えるのです。』
「それはなんですか?」
とても美しい声が『ありがとうございます』少しの間止みます。どうしたのでしょうか?
『勇者の殺害です。』
「え?」
『正確に言うなら、力で抑えつけるという手段を取ろうとする勇者を排除するのです。』
「確かに、勇者の裏の噂は耳にします。権力で女をたぶらかすのは序の口で、魔王を従えるのは当然という考えのやつらもいるそうですね。」
『その通りです。なので、そういう勇者を排除してください。』
「わかりました。がんばります。しかし、人族の法ですと・・・難しいと思います。」
『それならばそいつの性格を改変させてください。手伝いとしてあなたにこれを与えましょう。』
それは眼には見えませんが、感じることができました。それは優しく包み込む鎧です。全身です。顔も髪も包まれています。しかし、これでは全身タイツですよね。
『貴方の好きな形にすればいいですよ。性能は変わりませんので。』
「面積が少なくてでもですか?」
『いえ。その部分だけです。でも違和感ないでしょう?』
「はい。ありがとうございます。」
「では、地上に転移させますよ。」
「はい。」
最後の声は後ろに立っているかのような声でした。神であるのに後ろにいる?そんなはずはないと思い、忘れることにしました。
迷宮の入り口で私は2つの卵を見つめます。それに魔力をつぎ込みながら帰路を進みます。その途中でステータスの確認です。
セルゼルフLv52
種族 不死人族
ジョブ 火の魔法使い Lv1
ジョブ履歴 魔法使い 大魔法使い 硝子の使い手 硝子の指揮官 硝子の騎士王 硝子の皇帝 硝子の戦導者
スキル 魔法作成・創造 神器所持 魔法大辞典 特異魔法辞典 痛み耐性
神器 砂剣 吸収鎧
種族スキル 不死 魔素操作・変換 再生(代償:魔力) 自然操作・改変 非生物物質操作・創造・改変
称号 神の使い 最高神の監視対象 魔法を極めし者 特異な魔法の創造者 迷宮攻略者
ジョブを【火の魔法使い】にしました。限定的な魔法使いです。火に関する魔法しか使えなくなる代わりに火に関する魔法が強化されるのです。強化というよりは進化ですね。例えば同じ魔力で火の玉を作るとまずは大きさが違います。火に特化したジョブの場合ですと凝縮されているのです。同じ魔力、同じ大きさで威力が強くなるのですよ。倍以上の効果です。
腕がなんども切られたこの迷宮にはしばらく行けないですね。
「ぽ。」
「ああ。どうも。・・・だれです?」




