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不死後衛の苦悩  作者: すろれっさー
騎士団長は後衛です。
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評価、ブックマーク、感想くれませんか?少しずつ増えるPV・・・・

 私はチャンスを得たわ。セルに群がるハイエナを抹殺するのよ!なによ!確かに、セルは魅力的よ?でもね!セルは私のなの!


「このように、二人一組か、四人一組のどちらかで対戦を行う。他の者は自習しながら見学、観察、ついでに魔力の解放と筋トレだ。じゃあ、セルゼルフ。始めるぞ。」

「はい!」


 始まったようね。いくら死なないとは言っても、技術面では教師の方が上のはずだわ。セルはどこまでやれるのかしら?


「こっちも始めましょうか?」

「え?ちょっと待って!なんでそんなに怒ってるの!?」

「問答無用!」


 私が魔力を抜こうとしても、相手に抵抗があるからそんなにうまくは抜けないわ。セルは全部を抜けるらしいけど・・・ほんとに私たちと同じ種族なのかしら?


「くっ!魔力が!」

「遅い!」


 私は剣を使うの。前衛ね。ちなみにエリーは弓、ウリーは魔法で相手を攻撃するわ。なかなか強いの。と言っても私だけ剣なんだけどね。


「剣が!浮いている!?」

「あら?剣は浮かせて使う物よ?」


 小さな剣。ギリギリ剣と呼ばれる刃物を使っているの。【重力魔法】と【風魔法】を使って加速させて相手に刺すの。これは人族相手にしか通用しないけど、三人の中で私は比較的柔らかい相手が担当だからいいのよ。それに堅い魔物にも柔らかい部分はあるんだから。相手は斧を使うようね・・・斧!?

 小柄な体形で身長ほどある柄と両手を広げたくらい大きな刃がついた斧を振りまわしているわ!私の剣が砕かれていく!こうなったら魔法よ!え?セルみたいに相手の武器を操作できないのかって?できないわよ!不死人族の国ではね!10人で敵一人の装備を操作していたのよ!それをセルは一人でやれると勘違いしてるだけ!普通は10人一組なのよ!なに?《アルケディヤ》で育ったんじゃないかって?育ったわよ!今のは母から聞いたことよ!なに?悪い?


「私に小さい剣なんて通用しませんよ。悪いことをしたなら謝ります。ですので、許して下さい。」

「まだまだよ!」



 魔法を発動する時、魔方陣が空中に現れることがありますよね?あれって普通は空気中に魔力を出して、それを変形させて陣にしているんです。ここで詠唱の出番です。詠唱する間に魔力を外に出して陣にしたあと、決められた魔法名を言って発動するんです。何が言いたいのかと言いますと、魔法を発動するには体内から魔力を出して陣を形成する必要があるということです。しかし、私たちの種族のように魔力、魔素に干渉できる存在は体内から魔力を出す必要が無いんです。よって、魔法を使う時の魔力の削減にもつながりますし、発動するまでの時間が減ります。

 教師の技術は素晴らしいもので、槍を振りまわしながら槍で陣を書いています。しかも、いくつも未完成な陣を維持しながら少しずつ陣を完成させています。


「魔素操作は卑怯なので使いませんよ。」

「はっ!それはありがたいぜ!火の球!木の矢!」

「ただ、形成された魔法には干渉させていただきます。」


 尻尾を解放してからというもの、尻尾がとっても便利です。彼の槍はとても速く、正確で確実です。フェイントも入れてきます。しかし、よくしなる鞭のような尻尾の前ではそれらすべては無駄になります。八つ葉の防御ですから。実態を持たないような魔法には干渉して軌道をずらし、木の矢などの実態を持つ魔法は剣で砕きます。


「さすがだ!しかし!後ろには目が付いていないようだな!」

「はっ!」


 後ろを振り返るとそこには【風魔法:風の刃】と思われる魔法がありました。普段は周辺の魔力を奪っているために、死角からの魔法攻撃は気が付きませんでした。・・・いえ。いいわけですね。風の刃を魔素に分解して防ぎました。しかし、この一瞬で危ない状態になっていたようです。教師の方を向くと堅い壁がそびえ立っていました。壁には無数の穴があります。丁度槍が出てこれるような穴です。

 案の定、そこから槍が飛び出してきました。鞭では弾くことができません。穴から出ているのですから。種族スキルで壁を溶かします。


「はっはっは!どこにいるのか分かるか!」


 壁を完全に消し去った後、周辺を見てみますと鏡が大量に設置されていました。どこから魔法が飛んでくるのかわかりません。


「クロ!」

「ぽー!!」


 あとはクロに任せましょう。


「と、このように実戦をする。安心しろ。腕が千切れても回復できる医師や魔法使いがこの学校にはいるからな。そっちはもう終わったか?」

「はい。」

「久しぶりに兄弟で楽しむことができました。」


 エリーとウリーは血だらけになっていました。


「ちょっと!何してるんですか!二人とも!」

「え?だって。死なないし。すぐ治るし。」

「直る!?血液は落ちにくいんです!なにしてるんですか!汚れがそんなに!しかも傷まで付いているじゃないですか!制服だってただじゃないんですからね!」

「怒るとこそこじゃねぇー!!!」


 と、こんな感じで授業が終わりました。


 帰りの集まりも終わり、クロとギルドに向かいます。最後の技の対処法を考えなければなりませんからね。本当に。どうしましょう。すっかり無意識の中で魔力を卵に送りながら、私は道を進みます。それほど遠くない道であるはずなのに何故か長く感じるのは私が遠回りをしているからでしょう。

 剣と盾、本、弓が描かれたマークの看板がつりさげられているギルドは今日も活気があってにぎやかです。ギルドの周りに沢山の防具屋、武器屋、素材屋よりも多く酒屋が並んでおり、冒険者がいかに酒好きかをうかがえる風景となっています。

 ギルドの扉を開けた瞬間に目線がこちらに集中しました。いや。いつもよりも目線が少ないですね。あ、ギルドマスターと思われる男性がだれかと向かい合っています。あそこに集まっている人たちはその様子を見るために囲んでいるようですね。


「ではジョン、ホンダ。今より、そなたをEランクとする。」

「おー!」

「どうも。」

「壁を越えた冒険者が増えたか・・・」

「やめてくれ。ギルマス。俺はもっと上に行くつもりだ。」

「パーティを組まずにか?」

「そうだ。」


 へぇー。普通はあのようにランクの上昇を宣言するんですね。個人のEランク以上はすごいとされています。だって護衛依頼を許可されているのですからね。集団対個人である程度勝てるということです。殆どの冒険者はFランクで、一般的にはパーティとして行動しています。パーティランクを上昇させることで、個人に匹敵させるのです。冒険者が言う〝俺、○ランク。〟は、パーティランクを指すことが多いです。わかりにくいですねぇー。個人のEランクと、パーティのEランクは同じということです。あの人は一般的な冒険者よりも強いということですね。


「そんなことより、クロ。この依頼なんてどうでしょう?黒狼30匹。推奨ランクCです。」

「ぽよ!」


 と、言う訳で近くの森に出現する狼を退治することになりました。狼型の魔物を退治するのです。


「貴様。どうしてここにいる?」

「あれ? 依頼の紙って剥がしてもいいんでしたっけ?」

「ぽぽ!ぽーぽ!」

「あー。じゃあ、この依頼だったら紙はそのままですね。」

「おい!無視するな!Gランク!」

「え?どうかされました?」


 私はなにか悪い事でもしたのでしょうか?どういうことでしょうか?どうしてこんなに怒っているんですか?


「どうかされました、じゃない!貴様がどうしてこの国にいるのかと聞いている!」

「え?だめですか?」

「貴様のような意識も志も低いようなやつが一緒にいるだけで虫唾が走るんだよ!」

「えー。すみません。」

「すぐさま俺様の目の前から消えろ。」

「メリットは?」

「は?」


 持論を申し上げます。人族は利益が無ければ動かないのです。人が動く時、そこにはメリットが存在します。ボランティアも然り。報酬を貰わず、誰かの為になることをすることをボランティアというと思われます。しかし、本当に報酬を貰っていないのでしょうか?よく考えてください。まあ、いつもは言っていないのですがね。今回は彼の言い分が気に食わなかったので持論という形となりました。


「私はこの国で職に付いています。そこから貰える給料などに変わるなにかを頂けますか?」

「はっ!じゃあくれてやるよ!お前を見かけたら俺はお前を殺す。死なずに済むというメリットがあるだろう?」

「え?私があなたに殺される?ギルドマスターさん!今!この人に殺害予告されました!脅迫もです!助けてください!」

「なんだと?!本当なのか!?ジョンさん!」

「嘘だ!こいつが勝手に言っているだけにすぎない!」

「そうですか・・・」


 えー。ギルマスさん!そこはもう少し突っ込んでくださいよ!


「じゃあ、ジョンさん。話の続きをしましょうか。」

「いや。興が覚めた。俺は依頼を受けに行く。」


 そう言葉を残して外に行ってしまいました。なんだったんでしょうか?いや。どこかで見たような気がします。どこだったんでしょうか?んー。

 ギルマスが私を見つめてきます。なんでしょうか?あ!もしかして私の顔に何か付いているのでしょうか!?


「おぬし・・・もしかしてセルゼルフという名前ではないか?」

「そうですが?」

「おー!期待の新人か!もうCランクなんだって?関心だなぁ!」

「いえいえ。そんなことないですよ。じゃあ。私も森に行ってきますね。」

「気を付けるのだぞー。」

「はーい!」


 ギルドを背にして左の道をまっすぐ行った門が森に近いのか、それとも反対側か・・・もう少しで夕焼けがうかがえる時間。急がなければならないですね。ところで・・・運命って信じますか?私は今、運命を感じています。細すぎず、かといって決して太くない・・・そう。美しいという言葉が一番当てはまります。私はその部分だけに釘付けになってしまっていました。あまり凝視すると失礼になるかもしれないので、早く観察します。ああ。この国に来てよかったです。私の憧れと表現できるようなそれが私の目の前にそびえ立っているのですから。

 そこにあったのは一本の杖です。魔法使いならば誰でも持っている杖なのですが私は持っていませんでした。素人でも持っているというのにです。私はどうして杖を持っていないのでしょうか?鎧のスキルで剣を作ることができますが、杖を作ってもだめなんです!

読んでいただき、ありがとうございます。

ブックマークが増えるとなんだか心が満たされるんです。こんな文を読んでくださるってなんだか幸せです。

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