東部騒乱②
使者が到着した時、八柏道為は亡国の王族を名乗る集団を討伐していた。
ランデルの民を連れての逃亡の指示に嘆息する。
「三国志の長坂の再現にならなければいいのですが。」
民を連れての逃亡は難しい。
足止めが必要だ。
「大宝寺殿、兵を500お借りします。残りは民の撤退のお手伝いを!」
500の傭兵と岩崎義高を引き連れて集団から離れる。
まずは地形の把握のために斥候を放つ。
自らも策のために地形を見て回る。
敵はいつ、どこから来るのか。
正面からぶつかるのは愚かだ。
策を仕掛ける地を見つけたのは日が沈みかけた頃であった。
バクダート王国軍は進軍できずにいた。
補給が届かないのである。
さらに各村に置いた駐留部隊が襲われていた。
どこの国か?
抑えた土地を奪われたのでは意味がない。
場合によっては戦争になる。
バクダート王国軍は足止めを喰うのであった。
他の侵攻した小国も補給隊が襲われていた。
襲撃後に残されていたのは複数の他国の旗。
見知らぬ地での戦争を恐れた各国の軍は動きを止めざるえなかった。
「なぁ、俺様の言ったとおりだろ?
補給隊を襲って金儲け、小さい部隊を襲って金儲け。あいつらは自分が襲われるなんて考えちゃいねぇ。」
闇の中で笑う。
「賊は正規兵に討たれるもの、賊は正規兵を襲わないとか誰が決めた?あいつらは誰が襲ってんのかも気付いてねぇ。」
さぁ、見せ場だ。
「もう一稼ぎしたら解散だ。そろそろ警戒が厳しくなるからなぁ。
稼いだ金でパァーっと遊んできな。」
集めた賊が補給隊に襲いかかる。
「やっぱり乱世は楽しいねぇ。」
そして懐の金を確かめる。
「地獄の沙汰も金次第ってね。」
骨皮道賢。後方攪乱、ゲリラ戦のエキスパートである。
同日同時刻
「南無阿弥陀仏」
「「「「「「南無阿弥陀仏」」」」」」
仏に祈る声が響く。
「さぁ、御仏の教えを広めましょう。」
本泉寺蓮悟の暗い策謀も動き始めていた。
大日本帝国より緊急の使者を受けた聖王国ロマニアは沸き立った。
大量の酒と肉を渡す事で地下のドワーフ王国を通りぬけてきた使者の申し出は以下のとおりであった。
「国の北方より死者の襲来あり。我が国は生者の国として迎え撃つ覚悟あり。
邪を払う事を国是とする聖王国にその覚悟ありや。
邪を払う意思あるならば我と共に立つべし。」
檄文であった。




