次回予告的な短編 5.10.12 時間が来たら消します。
夢見鳥 T-01
これは夢だ。
昔、昔の……。
「相変わらず、やりすぎだよ!」
後ろにはシトロさん。
前にひしめくのは、魔法使い……違う、上級魔導師。
それから、人造天使、蛇使いたち。
引き連れている蛇も、並ではない。
中位、あるいは高位。
変位体まで複数混じっていた。
「そうですね。だから、助けてあげないと」
……この声を、僕は知っている。
柔らかな声。
顔にかかる亜麻色の髪。
手に持つ黒く長いそれは杖だ。
光刃も出るタイプの複合型。
この人も魔導師。
「みんな、下がって。合図を待つんだ」
後ろに控える仲間への指示。
張り上げているわけでもないのに、よく通る声だった。
「センリツ、頼めるかい?
露払いを。歌声を聴かせておくれ」
前にいるのはセンリツだ。
戸惑ったように、おずおずとこちらを振り返る。
「心配いらないよ。先生が居るからね」
「えー、いくらなんでも人使いが荒いよん。これだけの人数をセンから守るのは」
「出来ませんか?」
「はは〜ん、煽るねぇ、アゲハくん! 出来ないなんて言ってないよ。まかされよっ!」
「ね? こっちは大丈夫」
センリツは、それでも納得していないように戦場へ目を向けた。
「……あっちも、心配いらないよ。僕がやる」
「テオ様は守らなくても大丈夫です。獲物を横取りしたと、叱られませんか?」
センリツの言葉に、僕は少し面食らって。
「違いない。それは僕が引き受けよう。
良い歌を頼むよ」
そう言って笑った。




