第13話 峯岸瑞希と今野創太
瑞希が立ち上がった。
「今野くん。もしも料理コンテスト参加者のエントリーがなかったらどうするの?」
悠太は瑞希と創太の対決で大勢は決まるだろうなと思ってもう制止はしなかった。
瑞希はクイズ大会でお客さんのエントリーがなかったらクラスメイトを上げる事を考えていた。今野くんの料理コンテスト、そこまで考えが及んでいるんだろうか?
創太は瑞希の質問はきっちりトドメを刺せば勝負は決まるだろうと踏んだ。期待に沿わないといけない。
「料理人のエントリーがなかったらクラス内であらかじめリスト化しておけばいいと思う。料理が下手でもいい。挑戦してみたい人大歓迎。当日その時間帯だけ空けておいてもらえばいい。その代わり準備とか免除してあげればいいかなって思ってる」
実際そういうエントリーしていいと思う人は手伝ってもくれる人もいるだろうし手が足りないって事は起きないはずだ。
瑞希は何も考えないわけじゃない訳かと納得はした。クイズ大会で目論んでいたクラスメイトの参加という観点については審査員でカバーされている。彼らのアピールはきっと面白いものになるだろう。となればクイズ問題を作らなくていいのでは?
「最大何チームできるの?」
創太は頭の中で調理実習室のキッチンの数を思い浮かべた。
「キッチンは9つあるから最大9チームかな。ただ現実には最大6チームがいいと適当だと思っている。ミニマムで4チームは必要だからクラスの予備料理人チームは最低4チームは欲しい」
確かにそれぐらいなら料理に挑戦してもいいよという子は出てくるだろう。準備に参加しなくていいのならなおの事。
「今野くんの案でいいんじゃない?」
「俺も今野の案でいいか。面白そうだし」
他のクラスメイトたちからもそういう声も出はじめた。
もう一つ言っておかなきゃ。創太が賑やかになり始めた中、よく通る声で言った。
「観客席は机9つに椅子が40はあるはずだからそれでいいかなって思ってるから」
悠太は両手を強く叩いた。
「はい。ちょっと、みんな静かに。決選投票の多数決を取りたいと思うけど、峯岸さん、クイズ案について追加でアピールしたいことがあればどうぞ」
瑞希は首を横に振った。
「私もクイズ案を取り下げて料理コンテスト案を支持します。あと観客席、廊下の窓や引き扉外して仕舞えたらいいかも」
悠太は創太に対して瑞希が自説に固執しないだろうと踏んでいた。果たしてその通りだったわけだ。今野くんが思わぬ乱入でいい案を出してくれたおかげで救われたと思った。あとは詳細を埋めていけばいい。




