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第10話 今野創太

 今野創太が手を挙げた。悠太は創太を見て片眉を上げた。今度はお前って何かかき回すつもりか?

 創太はほんの少し首を横に振った。むしろ助け船のつもりなんだけどな。僕としては友人との秘密の約束のためにもそろそろ動かないと収拾がつきそうにないし。


 悠太は創太が何か打開するならいいけどなと思いつつやけくそで指名した。

「今野くん。手短に願います」


 佐藤さんや山上さん、峯岸さんの案に修正を加える方向で行けばこの案は出さなくてもなんとかできるだろうと思っていたけど安平さんの存在が全てを変えてしまった。

むしろこれこそ絶好のチャンスとして全く新しい案を飲み込ませる機会として生かすしかない。


 創太は新たな爆弾となる話を切り出した。

「ごめん。今更だけど新しい案を提案したい。料理コンテストってどうだろう?希望者を募って実際に作ってもらう」


 教室がざわついた。突拍子なく聞こえてるのだろう。この後に及んでなんだよって思ってる奴もいるかもしれない。悠太もいささか立腹してくれてるみたいだな。それ、誤解だって。


 悠太は創太を問い質した。

「場所はどうするんだよ。当てがあっての話なんだよな?」

創太の話に現実性がないなら引っ込めてもらうぞ。


 創太が説明しようと思っていた事を悠太が聞いてくれた。良い質問って奴だな。

「調理実習室。例年ならお料理研究会が使うんだけどね。今年は他の場所を取ってるから空いているんだ」

「なるほどな」

 悠太はあっさり感心した。創太が挙げた場所なら確かに現実的ではある。創太はお料理研の副会長だから事情は通じているはずなので現実的に可能と判断して良さそうだ。

こうして悠太は受け入れない理由もないと判断して黒板に「・料理コンテスト」と第三の案を書き加えた。


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