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【連載版】「もう会うこともあるまい」と手紙で私を捨てた元婚約者様へ。あなたが食べたそのお菓子、毒よりおそろしい「真実」が入っていました  作者: 佐倉美羽
CASE2:或る魔女の最期〈愚者の毒事件〉

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拝啓 6月22日 ライラ さんへ

 お日柄も良くライラ様につきましては健やかにお過ごしのことと存じます。

 エーリカ・R・ワトスンです。まずは、わたしの相談を信じていただき誠にありがとうございます。警告、留意事項、すべて同意いたします。


 アームストロング氏がお亡くなりになった今、わたしの雇用契約は満了いたしましたので、たとえ危険な状況になったとしても、すぐになりふり構わず逃げることが出来ます。それに、もし毒があったとして、それを見て見ぬふりをして去ったとなっては神もお許しにならないでしょう。わたしのことはどうか心配なさらないでください。


 まずは先んじてお知らせしないといけないことがございます。


 犬の死体が墓から消えました。


 おっしゃる通り犬は家の者の立会いの元、庭の隅に埋めました。わたしもおりましたし、簡単な墓石も目印になっていたので場所を間違えたなんてことはあり得ません。なのに、忽然と、何も埋めていなかったかのように無くなっておりました。

 ライラさん。わたしには犯人が証拠隠滅のために持ち去ったとしか思えません。どうお考えですか。

 主な要件は以上です。


 それにしても、わたしのことを知りたいだなんてライラさんは変わったお方ですね。

 紙面が余っていますので少しだけ、お話します。

 改めまして、わたしはエーリカ・R・ワトスン。27歳、中流階級の生まれです。結婚はしておりません。父も母も医療従事者でしたので、とくに疑うことなく看護師になりました。元々町病院勤務であったところ、ジェイムズ・アームストロング氏の担当医に勧められて、こちらのお屋敷に住み込みで働いておりました。もう6年になります。


 現在、主な家の者は

 故人ジェイムズ62歳。

 長男ジョージ、34歳。

 その妻ヘレン、33歳。

 次男フレッド、31歳。

 執事のリンクスとリヒト、24歳。双子。

 他使用人です。


 商人ギルド長の屋敷ですので、それはもう裕福な家庭です。しかしながら、少し事情がありまして、ジェイムズ氏が逝去する頃には家族仲は冷え切っていたと存じます。


 理由としましては、長男ジョージ様と妻ヘレン様の間に子宝に恵まれなかったことにあります。ジェイムズ氏はそのことが気に入らなかったようで、ヘレン様をひどくなじっておりました。ヘレン様もそのストレスからか家を空けることが多くなり、ジョージ様はそんな妻から逃げるように仕事に打ち込むようになっていきました。さらに次男のフレッド様はまったく頼りにならない人で、賭場と娼館に入り浸り、たまにお金の無心に家に立ち寄りジェイムズ氏を激怒させる。

 かようなことが日常化しており、家族としては機能不全に陥っていたように思います。


 一旦、ここで区切らせていただきます。

 現在は家の者に証言を集っている最中です。もし、取り立てて聞いておくべきことがございましたら、遠慮なく申してください。

 何卒よろしくお願い申し上げます。


 敬具

 エーリカ・R・ワトスンより

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