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【連載版】「もう会うこともあるまい」と手紙で私を捨てた元婚約者様へ。あなたが食べたそのお菓子、毒よりおそろしい「真実」が入っていました  作者: 佐倉美羽
CASE2:或る魔女の最期〈愚者の毒事件〉

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拝啓 6月18日 エーリカ・R・ワトスン 様へ

 はじめまして。エーリカさん。私はライラ=ロ=ノクタリカ。又はラファエル・フェルネストの妻、ライラ・フェルネストです。あまり後者で呼ばれないのが小さな悩みですが、私も今まで特に訂正してこなかったので、これはもう仕方がないと半ば諦めかけております。エーリカさんも、気にせず“ライラ”とお呼びくださいね。


 さてさて、お手紙をお読みしてまず思った事が、その相談は私では少々荷が勝つのではないか、ということです。お屋敷で起こった毒殺疑惑。証拠はなく、行間からすでに時間も経っていると読み取れます。それに、これが最も重要なことですが、証言のみで毒を用いた可能性を示せたとしても、それはあくまで可能性。エーリカさんもおっしゃる通り物証がなければ法王庁は審問できません。ですので、私が可能性の一端を示したところで、エーリカさんの溜飲を下げる結果になるとはとても思えない、というのが正直な所感です。


 しかしそれで「ハイそういうわけでバイナラ」と突き返すのは、相当勇気をもって相談をしてくれエーリカさんが気の毒でならないですし、なにより私を信頼して紹介をしたロジャーさんに合わせる顔がありません。(ここだけの話ですがロジャーさんの妹アンナさんは私の文通弟子です)


 ただ、最初に申し上げておきますが、今回の疑惑を考えるにあたってエーリカさんには捜査員として実際に動いていただく必要があります。その最中にお屋敷の者に心無い言葉を浴びせられるやもしれませんし、本当に毒殺だったとして、犯人と直接対峙するような危険な橋を渡ることも、当然覚悟しておく必要があります。それでも構わないとおっしゃるのであれば、私でよければお手伝いしましょう。


 もし同意されるのであれば、続きをお読みください。

 エーリカさんのお話をお読みして、おや?と思った箇所がございます。


 “毒の証拠は何も残っておらず”


 この一文なのですが、犬も火葬されたのでしょうか。ノクタリカ領では愛玩動物が死んだ際、基本は土葬です。(棺をこしらえる方もいらっしゃいます)。そちらのお屋敷の地域では人間同様、ペットも火葬する風習があるのだとおっしゃるのであれば、別の手立てを考える他ありませんが、もし土葬なのであれば犬の亡骸を調べる価値は大いにあると思いますよ。墓を暴くのは気が引けるとは思いますが、いかがでしょうか。


 あと、個人的にお手紙をやり取りする方とはお友達になりたいと思っております。もし、よろしければ、エーリカさん自身のお話も教えてください。

 返信がなければ私もこの話は見なかったことにしますので、少し間をおいて、じっくり考えてみてください。

 それでは、また。


 敬具

 ただのライラより

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