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Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ  作者: 桜葱詩生


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92/134

Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #90


セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #90



まあ…やっぱりな という結果 なぜ人は徒労を好むのか


苦労は報われる その考え だが、ある点で、いつしか苦労と努力が混ぜ込まされる 大人のそういった都合のいい置き換え 昔からある教え ただし…が後につくことまでは教えられない


ただし、それは正しい努力と苦労をした場合に限る



バタバタバタバタ キムは走り回った エレベーターホール 西棟のX


男子トイレのドアは開いた こいつが開けたが…あそこは中からしか開けられない仕組みなんだろう 一度開くとあとは通行可能 では…ここではどうだ?


期待は大抵、絶望となる 希望ではない


「開かねえな」


頭を後ろ手で掻きつつ まったく済まなそうでもなんでもない軽口 キムは歯を見せる


当たり前だと思うんだが…なんでそんな期待をした?


「気が済んだか?」


東棟 出た途端 ナース キムが飛び出て行って…ワンパン


「うへえっ」


ほんとに パンッ だ


キムの右ストレート ナースの頭に当たると頭が破裂して 粘度のような中身が後ろへと飛び散った 壁に、べしゃり、とくっつく そのまま…ずるずるずる、と下へと落ちていく最中 壁に吸い込まれるように無くなった


床に投げ出されたナースの残骸 手足をばたつかせて 最後の抵抗をしたかと思うと 静かになり やがて溶けて薄赤い液体になって広がり…床に吸い込まれた


完全消滅のエフェクト


驚く


こいつ…蝋燭なしでバケモノを倒しやがった


「余裕だな…もう怖いもんなしだぜ」


ポキパキパキポキ 指を鳴らす


それに…符号する奇妙な一致


隣人がこの階を去った エレベーターで降りて…上がって? 行った 自分の娘と共に


これを感知したのか? CPU操作の対戦相手っていうのは内部情報(こっちのこと)を当然のように知っている


ヘタなテーブルゲームと同じ CPU側がプレイヤーの手札を認識して 動く どんなにゲーム機が進歩しても そうしたくなるのが人情


無駄な画面投資と臨場感の追及の末 無駄な心情


バタバタバタバタ 走り回ったキムはあらゆるところのドアを開けようと試みた すぐ横の階段 女子トイレ…? リハビリ室に開かない部屋 男子トイレと一番奥 ゲームスタート位置のドアが開いて 自慢げに胸を張る…残念だったな そこは開くんだ


それも忘れたのか


「くおうのっ」


女子トイレは開かなかった あの女はどこへ行った? どうやって開けた? 男子トイレ(ここ)は開いた 開けたのはキム それは閉じなかった なら女子トイレも開いていてもおかしくない でもそうではない


なにがフラグになっている? どういう条件だ?


「キム…オレ以外にほかのプレイヤーかも知れない奴に会ったっていってたな? そいつ以外、なにかほかに気付いたことはないか?」


イモータル属性の扉 拳を打ち付けて 何回も当てて 自分の腕の方を傷つける、というアホなことをやっているキムにそう聞く そんなムキになる必要はない


「ああ? そいつ以外は見てねえな……」


ふむ


「ペタンペタンって…ビーサンで歩くような音は? 聞いてないか?」


「ビーサン? なんだそれ?」


略した和製英語はそのままの発音で相手に届くのか…ジュディもそうだったな


「海辺で履くような…ゴム製の薄いサンダルのことだ。ビーチで履くサンダル、略してビーサン」


「ああ、プルリププルロのことか。あーん? そんな音がしてたような気もするが…だけどあの男がそれを履いてたっていうのか? 作業服…というかそんな奴だったぞ」


作業服?


「どんな男だった?」


「いや良くは見てない。いきなり殴られたからな…そんなことも話したのか? おれは」


そうだな


「お前の女性遍歴や元の世界で酷いフラれ方をした、ということも聞いている」


「マジか!? おれはそんなことまで話したのか?! ……誰にもいうなよ、いまだ引っかかってんだからな……」


そうか…当てずっぽうだったんだが…心に留めておこう



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