Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #89
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #89
「どっちからって…じゃあ、いい話しから」
肩の具合を確かめつつ キムはそういう
そうか
「サルがいなくなったんで、ここを行き来できるようになった」
一応 心理的にタフではあるんだな
「見りゃあわかる。悪い話しは?」
どこで復活するのかがわからない
「エレベーターもそっちのドアも動かない。開かない。こっから向こうへ行けなくなった」
もともと行けなかったんだがな エレベーターが動かないとは思わなかった それだけのことだ どれも大したことはない
「んだよ、それ……」
バタバタバタ キムは走り回る ボタンを押し 隙間に指を入れ込れ ふんばり 奥のドアまで行き 何度か揺れ動かして 叩いて無駄だと知ると 腕を組んで 顎を撫でて オレを睨む
「行き詰ってるじゃねえか…サルを倒したところでなんともねえ……」
そうか?
「お前がレベルアップしただろ? それだけでもよしとしねえと」
「そうだけどよ…どこへ行くんだよ? 東棟からどっか行けんのか?」
ぶつくさぶつくさ また 腕を組んで顎に手を当ててキムは悩む
「やっぱ地下の機械を動かさないとダメじぇねえか…そうだと思ったぜ」
地下の機械? 「発電機のことか?」
あれは地下のいくつかの灯り 保冷庫のロック 奥のエレベーターを2階以外に停めるために行うんだが……
「そうだぜ、あのめんどくせぇ奴だ」
めんどくせえ…か
発電機を動かすにはガソリンがいる それを持つと重くて歩けなくなる 遅くなって追いつかれる 途中で置いてやられると 院長が元の位置に戻しやがる
あれを えっちらおっちら あの糞野郎が持って運んだ っていう姿を想像するのは 面白かったがな
そこまでは行ってたのか 結構やってはいたんだな
「東棟のトイレにお前が降りて来た穴がある。あそこを登る」
今のところそれしか手がない 登るしかない
「穴? そんなのがあんのか…そういえばなんかあったな…あいつに殴られた後、いけるとこがそこしかなかったんだったな」
そうか…ということは上の階のトイレも男子だけは開くということか 元のゲームでは開かなかった
「で、そこを登ればいいんだな? なら最初からそっちでよかったじゃねえか」
「お前がサルを倒すといったんだ。レベルアップしてねえからだってな」
「覚えてねえ…ま、レベルはすべてを解決するからな。いいじゃねえか?」
そうでもねえんだが……
「簡単に行けんのか?」
「いや…お前が肩車してくれれば問題ない」
「おれが昇るのは?」
「壁を伝って手が届くのなら、ぜひ、やってくれ。お前の背丈と力ならできるかもしれねえがな」
どっちもやってみないとわからない
明確にほかに行けるっていうところ いまはそこだけしかない そこがダメなら…またなにか動き出すまで待つしかない
「そうか…いや、おれがなんとかしてやるぜ。任せな」
そういってキムは自分の親指で自分を指差した
………
それは絶対できねえっていうフラグじゃねえか




