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オズマ戦記  作者: 葱龍
六章 転生者大戦 激闘篇
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番外編7 テリブル・デッドδ「PTプレイよりソロプレイの方が意外と気楽でいい」

ユニークアクセス数4000突破いたしました!


マシンガン、手榴弾、アサルトライフル、ロケットランチャー、

それぞれの武器用の弾をバッグの中に詰め、更に近接戦用の刀と背負いサバイバルナイフを両腿のホルスターに挿す。


「そんなに必要なのか?戦争しに行くとしか思えない量だが」


俺がバッグに詰めた武器の数に驚いたのか克也が問いかけてきた。


「連中は武装しているし、前行った時も相当数仕留めたはずなんだが、また湯水の如く湧いて出てきやがった。

 消耗戦になると数で劣るこちらが不利だし、何よりあのドブスに二度も負けるのは屈辱でしかない」


「結構根に持つな…」


「根に持つわ。あいつ個人的な恨みで人一人殺そうとしてるんだぞ。

 いや既に何人も個人的な恨みで殺してるかも」


「個人的な恨みって…どんな?」


今度は由紀の方が聞いてきた。


「自分より奇麗なのが許せないとかなんとか…。妹さんも多分あの豚バラロースの抹殺対象に入ってるから気をつけな」


「豚バラって…」


「これからそうなる…と言いたいが厄介なのはあいつの能力だ。

 弾丸をすり抜けたあの能力のカラクリを解かなきゃ、いくら雑魚相手に俺tueee出来ても意味がない」


「弾丸をすり抜ける?それじゃいくら武器持って行っても意味ないんじゃ…」


克也がそう思うのも無理はない。

こちとらロイスの具体的な能力もまるで解っちゃいないんだから。

でもだからと言ってやらない訳にはいかない。

だから俺はあえてこう言ってやる事にした。


「意味なんてのは後からついてくる。

 こんだけ用意しといて『やっぱやめた』じゃカッコつかないどころか損しかしないぞ。

 …よし!準備完了!行くぞお前ら」


そんなこんなで俺たちは適当な馬車を手配して一路マデューカへと向かった。

ロイスめ、…えーっとこういう時日本じゃ何て言うんだっけ?

ケツを洗って待ってろ?



■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



マデューカへ通じる道は文字通りの獣道で、

進む度に馬車は上下に激しく揺さぶられた。

外で馬車の手綱を握る克也は

また白薔薇共も俺たちが来るのを見越していたのか、早速迎撃部隊と思しき集団が俺たちの乗る馬車の前に立ちはだかった。

無数の銃弾が俺たちの乗る馬車目掛けて殺到する。


「ひぃっ!!」


「怯むな!このまま突っ込め!!」


俺は克也に進路を変えず進むよう促すと、武器を幾つか背負って窓から馬車の屋根によじ登った。


「!?アンタ何やってんだ!?」


「ぶっ潰す!!」


俺はロケットランチャーを肩に担ぐと集団のいる方目掛けてぶっ放す。

解き放たれたロケット弾は放物線を描きながら飛翔し、爆発。

悲鳴と人間、爆炎と肉片が混ざり合って飛び交う。

残った連中が尚も突撃してくるのを見やると俺は武器をマシンガンに持ち替え、乱射する。


飛び散る血飛沫、穿たれる肉、木霊する悲鳴の中を馬車は突き進む。

白薔薇の根城目掛けて一直線に。


正門を突き破り、敷地内に入ろうとするが、寸前で馬車を引っ張る馬の頭蓋が撃ち抜かれバランスが崩れた。


「飛び降りろ!!」


俺に促されるまま悲鳴を上げながら馬車から飛び降りる柴田兄妹。

だが俺は飛び降りるタイミングを見誤り馬車ごと壮絶にクラッシュ。

全身を複雑骨折するのだが、すぐ元通り。

そして周りには、俺たちを取り囲むかの様に白薔薇の集団が。


「2人とも!」


俺はすぐに立ち上がるとアサルトライフルを一挺ずつ柴田兄妹に投げ渡して背中合わせに立ち、俺自身もアサルトライフルを二挺構える。


「そいつの使い方は簡単だ。狙いを定めて、引き金を引けば弾が出る。」


「それ説明が簡単なだけじゃんかよ!」


「良いからとにかく撃て!敵さんはお前らの葛藤を大人しく待っちゃくれないぞ!!」


俺に促され吹っ切れたのかそれとも自棄になったのか柴田兄妹は叫び、白薔薇たち目掛けアサルトライフルを乱射する。

克也の方は半泣きで、雪に至っては眼を開けてすらいない。

これは酷い。あまり期待はしていなかったがそれ以下だ。

このままじゃユリーシアを助けるどころか要らぬ犠牲を増やしてしまう。

そればっかりは御免被る。

しかし現状俺にできそうな事と言えばこの兄妹二人に弾が当たらないよう祈りながらより早く雑魚共を全滅させ、

ボスキャラを炙り出す事だけ。

下手に広範囲を攻めようとして手榴弾やロケットランチャーを使えば兄妹まで巻き添えを食いかねない。

特にロケットランチャーは発射の際後部から噴き出す噴煙すら殺傷性を持つ。

用法容量を守って使わなければ。


視界に入ってきた敵に片っ端から銃弾の嵐を叩き込んでいき、少しずつ、だが確実に敵の数を減らしていく。

目を伏せたくなるような破壊。破壊が止み、銃声が止み、

先ほどの喧騒が嘘だったかのような静けさに場が包まれ、通路の至る所に死体の山が築かれる。

ライフルの残弾は…もう無い。予備も含めて全て使い果たしてしまった。


「…克也ー、由紀ー、生きてっか?」


「おかげさまで…」


「まだ、耳鳴りはするけど…平気。」


柴田兄妹が俺の両隣りに並び立ち、俺が顔を上げると、そいつは現れた。

俺が今一番腹が立っている相手、心の底から叩きのめしたいと思った相手、

見た目もそうだがそれ以上に醜い精神を隠そうともしないユリーシアとは何もかもが正反対な相手…

ロイス・マルガリータ・ディッコ!!!!


「誰かと思えば……。まだ手もついてない私の屋敷を更に滅茶苦茶にし、また私の(しもべ)達を殺し……

 昨日私が何と言ったかもう忘れたの?」


ロイスは腹立たし気に俺に言う。

被害者面しやがって。俺はお前以上に腹が立ってんだよ!


「明日の午後二時に私を殺しにいらっしゃい、だろ?」


「…クズとの会話は絶対に成立しないと言う事は良ぉ~く解りました。

 蜂の巣にしても意味がないのなら、貴方が守ろうとしている者に」


俺はロイスの話には一切耳を貸さずにロケットランチャーを構え引き金を引く。

本日二発目のロケット弾がロイス目掛けて一直線!

ロケット弾が着弾する寸前、ロイスの姿が消え、ロケット弾は後ろの壁を爆音と共に吹き飛ばす。


「何やってんの!?これじゃ昨日言ってた事の繰り返しじゃないの!!?」


由紀は俺がミスをしたと思い込んで怒鳴る。


「まぁそう慌てなさんな。あの豚が異能の力を使って避けようとする事は想定済みだ。

 俺が昨日返り討ちにされながら何故あえて撃ったか解るか?

 あの豚が銃弾をすり抜けられたのは何故か?何故俺がこのタイミングでロケットランチャーを使ったのか………。」


「うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」


何もない空間から悲鳴が聞こえたかと思いきや俺たちの目の前にロイスが転げまわりながらその姿を現す。

服のあちこちからは炎が燃えあがっている。


「ウソ…?いつ焼かれたの?」


「目が覚めてから道中でこいつの手先と殺りあってる間ずっと考えていた。

 こいつの能力がもし本当にあらゆる物体をすり抜ける能力だとしたら、何故床をすり抜けたりしないのか。

 いやそもそも物体をすり抜ける能力だという前提自体が間違っているのではないのか、全く違う能力を勘違いしていたんじゃないのかと。

 そしてその答えは……やれやれ、俺の見解は間違いじゃなかった訳だ」


「うぅ…くっ…!!」


「こいつは能力は使っていたが物体をすり抜けていた訳なんかじゃあない…。

 一瞬だけ自身を小さくして弾を避けていただけだ。

 それがあまりに速すぎて傍目にはすり抜けているように見えていた、と…。

 種がバレてみたら、実につまらない手品だったな」


「ま、まだだ!例え私の異能が如何なる者だったとしても、それで私に勝利した事にはならない!!」


「お前の言い分など出来れば聞きたくはないが、その通りだ。だからこそ決着をつけよう」


俺が目配せすると察した克也が屋敷の中へと走り去っていく。

俺がロイスの注意をこちらに向けている間にユリーシアを救出させる為だ。

体の火の粉を払うや体を縮小しながら俺に殴りかかるロイス。

俺は僅かに身をそらして避けようとはしたが、相手が小さすぎる。

ロイスの攻撃が俺の左頬を直撃。まんまと先制攻撃を許す事となった。


「にゃろっ!!」


反撃の為俺はロイスが元の大きさに戻るのを見計らい刀を抜き横薙ぎに振るうが、

刃先がロイスの喉を捉えるより先に、ロイスは再び小さくなり俺の斬撃はむなしく空を切る。


「なっ!?インターバルなしかよ!!」


ロイスは再び元の大きさに戻りつつ、


「弱点などと言うお前にとって都合の良い物があると思うな」


俺の腹に膝蹴りをお見舞いする。

くそ~。ただ強いだけならともかくこう事ある毎に高圧的な態度取られるのはスゲームカつくぜ!!

早くこのブスにもう一発ブチ込んでやらないと…。


三度縮小するロイス。

これ以上好き勝手やられるのは我慢ならないが、どこから来るのかも解らぬ攻撃をどう避ければ良い?

そんな事を考えていると、


「左から来る!避けて!!」


由紀が叫んだ。

俺は言われるがままその場にしゃがむと何かが頭上を掠めていく感覚がした。


「大きさが戻る!右に攻撃!!」


俺が右側にジャブを繰り出すと右手に衝撃が走るとともにロイスのうめき声。

右手を見るとそこには口元を抑えながらこちらを睨むロイスが。

どうやら俺の攻撃が当たったらしい。


「お前…見えてるのか?」


俺は由紀の方を見やり問いかけた。


「見えてる訳じゃない。ただ聞こえるだけ」


俺には一つ見落としている事があった。

協力者がただの冒険者ではなく転生者だと言う事だ。

ご存知の通り転生者には異能と呼ばれる魔法とも特技とも異なる特別な力が与えられてこの世界に転生してくる。

この柴田兄妹もまた転生者である以上、なんの力もないとは考えにくい。

妹の由紀が相手の心の声が聞こえる事だとして、兄貴の方は何だろうか?


今戦っているロイスも転生者、そして俺自身も転生者…。

いまこの敷地には現地人何人くらいいるんだ?


「…兄貴も何か力の類を持ってるのか?」


「うん」


ほんの僅かではあるが、風向きが変わった。

少しばかり俺たちの方が有利になってきた!!



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