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オズマ戦記  作者: 葱龍
六章 転生者大戦 激闘篇
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番外編5 テリブル・デッドβ「手がかりは拷問と共に」

10/1付けで投稿開始から一周年を迎えました!

これからも応援よろしくお願いします!!

「人に頼みごとをする時はまず自分から名乗るのがマナーなんじゃないのか?」


俺は後ろを振り向かずに俺の真後ろから銃を向ける男に言った。

直接顔を合わせたわけではないから背恰好までは解らないが、

声の調子から相手が30代前後の男である事はすぐに解った。


「貴様、俺たちが白薔薇(ヴァイスローゼン)だと知っての狼藉か?」


白薔薇(ヴァイスローゼン)ですって!!?」


白薔薇と言う名を聞いた途端ユリーシアが血相を変え驚いた。

なんかヤバい奴らだってのは何となく察しが付くが、俺にはいまいちピンとこないなぁ。


白薔薇(ヴァイスローゼン)だか焙煎ニンニクだか知らねェがよ、人に凶器突きつける様な奴の言うことが信用できるかっての。

 どうせアントニオ探すのは諦めろって言うつもりだろ?」


「さすがに話が早い。なら要求が呑めなければどうなるかも解っているだろ?」


「解ったところで呑む事はできないな。俺は彼女と約束したんだ。必ずアントニオに会わせてやるってな」


「じゃあ死にな」


発砲音と共に俺の頭に重い衝撃。

同時に俺の視界は一瞬で真っ暗になった。

普通の人間ならここで死んでゲームオーバー、となる所だが、

あいにく俺は転生者。普通なんて尺度じゃ図れない異能の力を与えられてこの世界に転生してきた存在だ。


そして俺の異能は、絶対に死なない事。

シンプルだがその分扱いやすく、無茶もしやすい。

たとえ塵一つ残さず体を消滅させられても5分で元に戻るのだから、

今のように頭を撃ち抜かれたのなら1分どころか20秒未満で元通りだ。


だが傷が治ったからと言ってすぐに行動を起こしてはならない。

相手が一人で来ていると言う保証が何処にも無い以上ここは様子を見ないと。

俺はテーブルに顔を伏せたまま耳をそばだてる。


「冷静な判断が出来るんなら今自分が何をすれば良いかくらい解るよな?」


「殺すのなら一思いに殺しなさい!私は禁忌に触れた覚えはありません」


「いいや、何もお前さんまで殺すつもりはない。全てはローゼン様の下で決める事だ。

 雑用として存在価値を認められるかそれとも死ぬか、全てはローゼン様の意思一つ…。」


「ならアントニオに合わせると約束しなさい」


「無理だな。そこまで面倒は見切れん」


「出来ないのなら私も従うことができません」


「なら仕方ない。連れていけ」


マズイ。こいつ等ユリーシアを無理矢理何処かへ連れて行くつもりだ。

何しでかすか解らない以上迷ったり躊躇している時間はない。

戦うしかない!!


俺はまず椅子を蹴り飛ばして相手を牽制。

その後すぐさま身を翻し相手の方へ向き直ると銃を抜き引き金を引く。


「ぐっ!?」


銃弾は俺に話しかけてきたであろう男の右わき腹を貫き、男は撃たれた箇所を抑え膝をつく。

その後すぐに振り返ると男二人組がユリーシアの両腕を掴み抑えていたのが見えた。

俺は撃とうとはしたが、ユリーシアを誤射してしまう可能性を考えるとどうしても引き金を引くことが出来ずにいた。

彼女は何も悪くない。傷つくのは俺みたいな戦う覚悟の出来てる奴とくそったれ共だけで十分だ。

俺はユリーシアのもとへ一気に近づき、彼女の腕をつかむ男二人をぶん殴る。


「野郎…!」


男の片一方がナイフを取り出し襲い掛かってくる。

俺は突き出されたナイフをあえて左手に突き刺し受け止める。

痛い。物凄く痛い。血だって出てる。

だがこれで相手の手は封じた。

俺は右腿からサバイバルナイフを抜くと、男の左腕とテーブルに突き刺して打ち付ける。


「!?ガァァァァァァ………!!」


もがき苦しむ野郎には目もくれず残った男の眉間に狙いを定め銃弾を撃ち込む。

戦いは終わった…。いや違うか。

俺は座り込んだまま動かないユリーシアに近寄ると、


「…立てるか?」


「まさか白薔薇が絡んでくるなんて…」


「白薔薇が何なのかは今は敢えて聞くまい。まずはここを離れよう。

 他にも狙ってる奴がいないとも限らん。それに」


俺はわき腹を抑えている方の男の襟首を掴み、


「こいつには聞きたい事が山とあるしな」


俺はユリーシアと俺たちを襲った男を連れてその場を後にした。

左腕を串刺しにされた奴?知らね



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町はずれにあるボロアパートの空き部屋を見つけた時は正直ラッキーだと思った。

人目につかずに流血する男を匿う事が出来、かつ休息をとる事が出来るからだ。

しかもこの辺りはスラム街で暴力沙汰は日常茶飯事らしく、

流血する男二人が町中を歩いていても疑いの目を向ける者は一人もいなかった。


空き部屋に放置されていた椅子にユリーシアを座らせると、俺はある疑問をぶつけてみる事にした。

戦ってる最中は思考の外に放ってはいたが、ここに来るまでずっと引っかかっていた事だし、

答えてもらうまで次の行動に移す事はできない。


「今日一晩はここで夜を明かす。闇雲に逃げたって連中に見つかる危険性が高いからな。

 あの…白薔薇(ヴァイスローゼン)とか言ったっけ?あいつら一体何なんだ?

 アンタのリアクションから察するに相当ヤバい連中なのは何となく解るが」


「…白薔薇(ヴァイスローゼン)は最近になって急に頭角を現し始めた組織で、

 意にそぐわない、従わない相手は容赦なく排除しようとする危険な人たちです。

 その横暴さには町の人はもちろんデストラの駐留軍も手を焼くほどでして……」


「そのヤクザ紛いな事する連中がアントニオとどう関係あるんだ?」


「おそらく、アントニオ以外にもたくさんの男たちを攫って何かを作らせようとしてるんだと思います…。

 例えば、ボスの…ローゼンの陵墓とか、ローゼン自身を象った巨大な像とか」


「最悪だなおい。そんなもん作る金と労力あるんならスーパーマーケットの方作れっての。

 自分の像なんてライAン・ジョンソンですら作らせないぞ」


「人の意見を聞くようであれば最初からそうしてるでしょうね…。」


「よし決めた。白薔薇もローゼンってのも纏めてぶっ潰す!

 そうすりゃ町の連中もあんな余所余所しい態度取らなくなるだろうし、アントニオだって戻ってくるかもしれないし、

 良い事しかないな」


「けど、そのローゼンの居場所が何処か解らないのにどうやって………」


「なぁに言ってんだ。知ってる奴ならもうここにいるだろ」


俺は別室の扉を親指で指さして言った。

俺が立ち上がり、別室へ入ってみるとテレビの前に白薔薇の手の者と思しき男が椅子に縛り付けられ座らされていた。もとい、俺が座らせた。

男の両腿にはナイフが突き刺さっており、ナイフの刃にはケーブルが巻き付けられ家の電気が通る様に細工してある。

そして俺が簡単に手に取れる位置にはそのスイッチ。

これはON・OFFだけでなくダイヤルを回す事により体に流れる電流の強さを自在に調整できる。

即席の電気椅子ってヤツだ。


「い…いつまでこうしてなくちゃいけないんだ…?同じ内容の物を何度も見せられてる気がするぞ………」


「そりやお前がローゼンとか言う白薔薇のボスの居場所を吐くまでさ。

 今すぐに白状すればすぐ解放してやるし、逆に忠実な右腕気取って口を割らずにいればきっつ~い拷問を受ける羽目になる。

 どちらがより賢い選択か、よーく考えてみる事だな。え~っと…J・J・ビンクス」


「マシューだ…。適当に名前つけるな」


「ではライオネルくん質問だ。ローゼンって野郎は何処にいる?」


「言えるか!言えば俺はローゼン様に殺されて…」


俺は無言でダイヤルを回す。


「ヴウウゥゥゥゥゥゥウゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥウゥ!!!!!!!!???????」


マシューは苦悶の表情を浮かべながら首を小刻みに震わせる。


「言わなきゃ俺がお前を殺すけど?」


「お前はあのお方の恐ろしさを知らないからそんな態度が取れるんだ!

 今に白薔薇を敵に回した事を後悔するぞ!!」


俺は無言でダイヤルを回す。


「ヴウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!」


マシューは苦悶の表情を浮かべながら首を小刻みに震わせる。


「脅し文句としては底辺レベルだな。それじゃ中学生はビビらせても俺は動じない。

 ローゼンは何処だ?」


「……マデューカ。この町から南に30マルール行った所にある巨大な邸宅だ。

 だがローゼン様はお前の想像を遥かに凌駕する力を持っている。

 あのアルバス・ロアですらローゼン様の力の前には赤子に等しい………!」


「無いわー。893のボスが一独裁者越えるとか無いわー」


「くくく…貴様のその余裕の表情が苦痛と恐怖に変わる様が目に浮かぶぜ………!」


「さっきから思ってたけどお前足にナイフぶっ刺さってるのによく喋るなぁ」


俺は部屋を後にし、荷物をまとめ始める。

不思議そうな顔で俺を見やるユリーシアに俺はユリーシアの方を見ず、


「白薔薇のアジトが、ローゼンの居場所が解った。

 もう長居は無用だ。行くぞ」


「行くって…本気ですか?本気で白薔薇を潰すつもりなんで…」


「俺は嘘をつくのも言ったことが嘘になるのも好きじゃない。やると言った事は絶対にやり遂げなくちゃ気が済まないタイプなんだよ。」


「あの人はどうするんですか?」


「放っといてもお仲間が何とかするだろ」


俺たちは適当な馬を見つけて跨るとマデューカのある南へ向け馬を走らせる。

町を抜けると左右から挟み込むように現れた影が幾つか見えた。

馬に跨る白薔薇である事は何となく予想がつく。


「やっぱ来やがった」


「どうするんですか?」


「このまま振り切ろうたってそうはいかないだろうしな…。ユリーシア、手綱持ってろ。あいつ等迎え撃つ」


そう言って俺は馬の尻に載せてあったバッグからサブマシンガンを二挺取り出して見せる。

来るなら来い。気が済むまで遊んでやる。

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