表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/12

第十二話

???

「ククク、お前達のその力、確かに素晴らしいぞ。

 しかし果たして、マスコットになってしまった魔法少女などでは、

 世界は救えん。その事を証明してやろうぞ。」


ラファエール

「その声は、ボス・・・卓也様!!」


亜子

「えぇ!?そんな、この状況でラスボス!?

 勝てるわけないじゃない、まだ何の用意もしてないわよ。」


卓也

「まぁ、まずはラファエールにお仕置きを与えぬとな。

 こんなマスコットの姿になどされてしまいおって、忌々しい。」


ラファエール

「え、でもマスコットの姿と言ったら・・」


卓也

「うるさい!!

 お前は5時間おやつ無しの刑だ!!」


ラファエール

「そ、そんな・・!!マスコットの体になって、

 今無性に甘いものが食べたいのに・・ヒド過ぎます!!」


さくら

「何だか・・・罰がユル過ぎない?

 と言うか、その声、まさか・・・?」


それに呼応し、卓也が応える。


卓也

「ふふふ、久しいな、さくら。」


さくら

「え、やっぱり・・・?声を聞いてまさかと思ったけれど、

 お兄ちゃんなの!?お兄ちゃん・・・やっと、やっと会えた・・・

 こんな最悪の形でも、とにかく生きていてくれて良かったよ。」


カレン

「え?違うわよ、この声、名前。卓也は私の失踪した弟よ。

 最も、養子としていきなりやって来て、いきなり消えたのだけど。」


オタポン

「いやいやいやいや、ちょっと待つポン。

 それって、もしかして・・・・?」


卓也

「ふふ、そうだ。

 私はさくらの兄であり、ずっと魔法少女に興味があった。

 ある時ふと、町で魔法少女姿の白咲カレンを見かけた。

 私は彼女の家庭に養子として入り込んだ。

 そんな中で魔法少女管理委員会の存在を知り、そのトップに接触した。

 しかし彼は魔法少女よりも、そのマスコットに研究対象を変えていた。

 私は無理矢理にマスコットにされ、

 抵抗した時に彼をファンシーなお菓子変えてしまった。

 そこで、私がトップに成り代わったのだ。」


やがて卓也の姿が完全に現れた。

それは完全に大きなマスコットだった。


オタポン

「コレは・・・どこからどう見ても、マスコットだポン!!」


さくら

「そんな・・・まさか、お兄ちゃんがマスコットになっていたなんて!!」


カレン

「嘘でしょう?・・・だったら、私達が魔法少女になった理由は・・・。」


卓也

「私は魔法少女には何故マスコットが付きものなのか、と考えた。

 マスコットは常に、魔法少女が生まれる前に存在している。

 何故だかわかるか?」


オタポン

「魔法少女が生まれる前には、ヨクボーンと言う敵が存在している。

 もしかして、まずはマスコットありきで、そこから魔法少女と

 ヨクボーンが生まれていると言うことかポン!?」


卓也

「ハハッ、正解だ。大きな希望と絶望を併せ持つ存在、それがマスコット。

 彼らの多くは童貞からの転生者だ。

 それは悲劇的な前世と死からの転生、新たな人生での希望を併せ持つ。

 そして両極の感情が切り取られ、魔法少女とヨクボーンが生成される。

 つまりこの3者は、切っても切り離せぬ関係だ。

 しかし最近では魔法少女とヨクボーンばかりが取り沙汰されて、

 マスコットはせっかく生まれてもすぐにその姿を消してしまう。

 このままでは私の大好きな魔法少女達が生まれなくなってしまう。

 そこで大きな希望と絶望をぶつけてそのエネルギーを抽出し、

 マスコットを大量に生成しようとしたのだ。」


さくら

「お兄ちゃん・・・どうして。

 昔はあんなに優しかったのに。確かにちょっと、

 周りのお友達達がゲームとかスポーツとか音楽とか、

 色んな趣味を楽しんでいるのにお兄ちゃんは日曜朝、

 魔法少女アニメを見て、部屋にもフィギュアがあった。

 だけど、私はそれで良いと思っていたよ。

 魔法少女が大好きなお兄ちゃんが大好きだったよ。

 なのに、突然姿を消して、魔法少女管理委員会に入って。

 しかも、マスコットになっちゃって。

 ねぇ、魔法少女ならここにいるじゃない!!

 お兄ちゃん、私の事ならどれだけ好きにしても良いから、

 もう一度お家に帰って来て、また楽しく暮らそうよ!」


卓也

「すまない、さくら。もう私は知ってしまったんだ。

 魔法少女アニメは毎年、多くの魔法少女を生み出してくれる。

 もう終わってしまった昨年の魔法少女は見向きもされない。

 そういった制作サイドのやり方に、

 私達消費者は慣らされてしまったんだ。

 だから、一人の魔法少女だけを愛するなんて無理な話なんだ。」


さくら

「そんなの、おかしいよ・・・。

 魔法少女は一人一人、一生懸命に頑張っているのに・・・。

 それを、飽きたとか賞味期限だとかで勝手に見限って、

 その子達を過去のものとして扱うなんて・・・

 そんなの、ただ相手をモノとして見てるだけじゃない!」


更に、オタポンが卓也に反論を加える。


「さっきから聞いていたら、自分勝手な話ばかり・・・

 魔法少女は、ボク達に夢と希望を与えてくれる、

 それを飽きただとか、そんなの、魔法少女に失礼だポン!!

 ボクの最推しの魔法少女は今でも、15年前の初代だポン。

 お前には、それがわからないポンよね!?」


卓也

「え・・・?まだ、初代が最推しなんて人がいたのか・・・!?

 私はまだ子供だったけれど、当時の復刻映像を見て、

 何て素晴らしい魔法少女なんだと、私も彼女が推しだった。」


オタポン

「うるさいうるさいうるさぁーい!!

 魔法少女達を傷付けるお前なんかに、魔法少女を語る資格は無いポン。

 お前なんて、お前なんて・・・!!

 どうして、そんなに魔法少女を愛していたのに、こうなったポン。

 本当ならボク達、わかり合えるはずだったポン・・・。」


卓也

「・・・。

 本当はずっと、マスコットが羨ましかった。

 魔法少女の胸元に飛び込み、その匂いを嗅ぎ、

 そして一緒のベッドで寝て、その匂いを嗅ぎ。

 更には一緒にお風呂とか、その匂いを嗅ぎ。

 そしてトイレでは・・・」


亜子

「いやいやいやいや、単なる変態フェチでしょ、あなた。

 大体、トイレはマスコットと一緒には入らないわよ、普通。」


さくら

「お兄ちゃん!!

 だったら・・・そんなに魔法少女の匂いを嗅ぎたいのなら、

 こっちにおいでよ!好きなだけ、嗅がせてあげるから。

 トイレだって、一緒に入ろうよ!!嗅がせてあげるよ、全部!!」


卓也

「さく・・・ら?」


フラフラとさくらに近づき、大きなマスコットの姿のまま、

卓也はその胸に顔を埋める。柔らかい香りがした。


卓也

「何だコレ、戦って汗臭いかと思ったら、ふんわりした匂いだ。

 魔法少女って、こんなに良い匂いなのか?」


オタポン

「それはね、『希望の香り』なんだポン。

 お前が搾取し、大量生産しようとしている魔法少女達は、

 一人一人がそれぞれに違った花の香りを纏っているような、

 とっても素敵な存在なんだポン。それを、それをお前は・・・。

 まさか黒幕がこんなマスコットだったとは思わなかったけれど、

 もう止めようポン、こんな無意味な争い。

 魔法少女管理委員会の中にはヨクボーンと繋がっているヤツもいるポン?

 だったら組織のボスとしてそいつらに伝えて欲しいポン。

 ヨクボーン達の絶望も全て、ボク達マスコットが癒すから。

 だから、魔法少女達には戦いなんかじゃなく世界を癒す、

 もっと優しく人々の暮らしを癒して助けるような、人助けとか

 悩みや愚痴を聞いたり、きっとそんなちょっとした活動でも

 『魔法』って言えるんだと思うポン・・・!!」


亜子

「あの、何かオタポンの言ってる事は結構まともだし素敵だけど、

 そもそもコイツ変態フェチ野郎だし、さくらさんもどうかしてるからね?

 トイレの匂いとか嗅がせちゃダメよ?兄妹で間違いが起こりかねないわ」


卓也

「言っている事はわかる。

 だが私はやっぱり、魔法少女をたくさん作って色んなデザインとか

 何かこう、色んな性癖にブッ刺さる魔法少女が出て来ないかとかを、

 楽しみたいのだ!!」


カレン

「仮にも私の弟だった人間が性格終わっていて草も生えないんですが・・」


オタポン

「お前の欲望のためだけに生まれる魔法少女なんて、

 多様性が無くなるに決まってるポン!!

 様々な絶望や欲望の対概念として生まれるからこそ、

 多様な魔法少女が生まれるポン。一人が管理しているような世界では

 多様なヒーローが生まれようも無い事くらい、わからないポンか?」


ここで、卓也の声のトーンが一段落ち始めた。


卓也

「本当は・・マスコットが羨ましかったんだ。

 魔法少女の側で彼女達の匂いを嗅ぎ、温もりに触れて。

 ただ、それだけがしたかったんだ、本当は。」


さくら

「お兄ちゃん・・・。

 バカだよ、そんなの・・・。

 そんな事のために皆を傷付けて・・・

 私、ずっとお兄ちゃんの事、待ってたのに!!」


オタポン

「さくら・・・。」


卓也

「すまない・・・。」


━━長い沈黙━━


オタポン

「なぁ、卓也。魔法少女を愛しているのなら、

 何故彼女達を傷付けるんだポン?

 本当は、ただ側にいたいだけなんだろう?」


卓也

「・・・・・・あぁ、その通りだ・・・。

 わかった、魔法少女管理委員会は本日をもって、

 魔法少女応援団に名称を変えよう。

 彼女達の活動を支援し、ヨクボーン達の絶望は

 マスコットの力で別の形に昇華させよう。」


ラファエール

「まぁ、私は神の代理人として天から遣わされましたが、

 トップのあなたがそう言うのなら、神もお赦しになるでしょう。

 ずっと悪役のような存在を演じて来ましたが、あなたが変われば

 組織が代わり、組織が変われば世界も救われる事でしょう。

 この時を、ずっと待ち望んでおりましたよ。よく、決断しましたね。」


卓也

「それは・・・このマスコットが私に大切な事を教えてくれたからだ。

 礼を言うよ、ええと・・・前世名の方が良いか?教えてくれないか。」



「オタポンだポン。今更もう、人間の時の名前なんていらないポン。

 ボクはこれからこの世界でマスコットとして生きていくポン。

 魔法少女のマスコットも案外、悪くないものだポン!!」


卓也

「そうか・・・マスコットも案外悪くない、か・・確かにそうかもな。

 よし、それじゃあ全ての魔法少女達が笑顔でこの世界を生きられるよう、

 私もこれから組織の在り方を矯正せねば。行こうか、ラファエール。」


ラファエール

「えぇ、どこまでもお供しますよ。

 これだから、人間は面白いですね。神様も私に視察させるわけだ。

 おっと、今のあなたはもう人間じゃなく、マスコットでしたね。」


さくら

「お兄ちゃん、いつでもお家に、戻って来て良いからね。

 トイレは嗅がせてはあげられないけれど、隣で寝るくらいなら、

 いつでも帰って来て嗅がせてあげるからね。」


カレン

「何だか、さくらさんの兄に対する感情が歪んでいるように思うのだけど。

 私はもう、弟が居たと言う記憶は抹消するわ。」


亜子

「ねぇ、カレン。ところで私達のこのマスコット姿、元に戻るのかしら?」


カレン

「さぁ・・・少し待ってみないとよね・・・。

 だけど、マスコットってテストとか受験は無いんだよね、

 それって、少し良いかもって・・」


オタポン

「そうポンよ、意外とマスコット生活も悪くないポン。

 何よりも自分に触れた全てを無害なものに変える力。

 これってどんな魔法少女の強い力よりも素敵な、

 マスコットの幸せな特権ポンよ!!」


カレン

「ふふ、そっかぁ。

 それじゃあ・・まぁせっかくだし、マスコットを楽しもうかな。

 って、急に人間に戻った時に困るから、ちゃんと勉強もしながらね。」


さくら

「そしたらさ、しばらくは皆で私の部屋で暮らそうよ!

 可愛いマスコット達に囲まれて暮らすの、楽しそう!!」


亜子

「あの変態兄がさくらさんの家に帰って来た時だけは、

 私どこかに外出してるからね、よろしくね。」


カレン

「あ、それ、私もー。」


オタポン

「変態はここにもいるんですけど~?(笑)」


亜子・カレン

「「いや、笑って済まそうとするな、自嘲しろ!!(爆)」


さくら

「アハハハハ~。」


━━こうして、高井田勲の第二の人生は賑やかになった。

  彼は魔法少女のマスコットになって本当に良かったと

  心から今の自分を好きになり、ずっと幸せに暮らしました。

  そして全ての魔法少女達は、魔法少女応援団の在り方が変わり、

  戦いでは無く人々の幸せの為にその力を使う、

  より身近で親しみのある存在として人々から愛されました。

  そしてさくらは、今日もまた人々の困りごとを助ける為に

  可愛い衣装に身を包み、不思議な魔法が出せるステッキを持って

  助けを求める誰かの所へと向かうのでした。

  あなたはもし突然、魔法少女のマスコットになってしまったら、

  どうしますか?嬉しい?困る?それとも、匂いを嗅ぎたい?(笑)


~『転生したら魔法少女のマスコットだった』おしまい。~

終わり。

何かこう、11話の辺りでモチベーションが落ちてしまいあまり良い最終回に出来ず反省。

だけど最後まで終わらせるために、物語を中途半端で投げ出さない気持ちだけ。

今後はもっと高いモチベーションで頑張りたい。

お読み下さった方、本当にありがとうございました!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ