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転生して聖女見習いになったと思ったら何故か毒手の親戚みたいなトンチキ拳法を極める流れになってるんですけど!?  作者: 悠戯


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70.疑問マシマシガール


「くっ、殺せ……っ」


 いやまあ、せっかく生き延びたのに本当に死にたくはないですが。

 勝手に悪い方向に思いつめた末に泣いて男の子に抱き着いて、その様子を余さず見られていたというのは、それくらい言いたくなるほどの恥辱だったということで。



「うぅ……は、恥ずかしすぎる!」


「あはは、そう気になさらずに。ボクとしては頼っていただけたようで嬉しかったですし」



 マー君の迷惑になっていなかったのは幸いですが、なにしろ場所がお城の廊下な上に王子様相手の狼藉とあってか、先程の醜態を目撃していた人は結構な数になるようです。避難してきただけの一般人の皆さんは王子様の顔を知らない方も多いでしょうが、まあ気休め程度にしかなりません。



「りっちゃんさん、お怪我の具合はいかがですか?」


「あ、コレってクーちゃんが治してくれたの? もう全然平気、ありがとね」


「それは何よりですわ。なにせ、将来のお世継ぎを産むことになる大切なお身体ですもの」



 こらこら、色々と早い早い。

 治してもらった立場上、文句を言い難いところではありますが。



「世継ぎって、ええと、そっちの男の子が王子様で? それで、さっきの二人の雰囲気的に……ねえ、修道女って皆そんなに爛れてるのが普通なの!?」


「爛れてないですよ!? エリちゃんや、これには深い事情があるのです。後でちゃんと説明しますから、変な想像して引かないで下さいよぅ……」



 マー君との仲については完全に否定しづらい部分もありますが、エリーちゃんの中ではその想像がちょっとばかり行き過ぎている様子。実際にはまだ交際してるんだかしてないんだかすら曖昧な段階ですし。


 健全な青少年に聞かせられないような行為に及んだことなど……二人きりのホテルの部屋で半裸の彼に殴打を浴びせたりは日常的にしていますが、それに関しては純粋な治療目的なのでギリセーフのはず。

 決してアブノーマルなそういうアレとかではないのです。だからといって、そのあたりを正直に説明すると彼女の誤解が更に危ない方向に行きそうなので、結局のところ満足に弁解できないのは変わらないような気も……。



「そ、そんなことよりっ」



 この流れはいけません。

 無理矢理感があるのは百も承知ですが、話の流れを別の方向に変えないと。

 それに恥の上塗りを避けたいばかりでなく、自分達が助かった経緯に関しては気絶していたせいもあり、わたしは何も知らないのです。そのあたりを詳しく聞きたい気持ちは、必ずしも嘘というわけではありません。



「ええと、何から聞けばいいかだけど……まず、なんでお城にいるの?」


「それにはボクからお答えしますね。ほら、皆さんも見ていたと思いますけど、あの黒い龍を相手にレイが随分と頑張っていたでしょう?」


「うん、すごかったね。全身黒焦げになってたし」



 今気づきましたが、レイさんの格好は普通のシャツとズボン姿になっています。

 言われるまでお尻丸出しすら気にしてなかったあたり服装への拘りは薄そうな彼ですが、流石にカーテンで簀巻きにしただけでは不都合が多かったのでしょう。



「戦いの様子は城からもよく見えましたからね。落ちたレイを回収するため、急いで兵を向かわせたんですよ。それで迎えに行った彼らが皆さんを連れ帰ってきたというわけです」


「ああ、なるほど」



 言われてみれば単純な理屈です。

 直前まで一緒に行動していたのもあって我々がレイさんの保護に向かうことに疑問はありませんでしたが、あれだけピカピカ目立っていたのだから、酷く消耗しているであろう功労者を迎えに行こうとする人が他にもいたのは自然な流れ。

 お城や他の場所にいた皆さんからは、わたし達の行動方針なんて分かりませんし、同じ人物の救助に複数のグループが向かうのも当然のことでした。



「ええと、それじゃあ……わたし達が大ピンチの時に、その救助班の兵士さん達が間一髪のところで駆けつけてくれたってことなのかな? じゃあ、あの悪魔はもう逃げたか、もしかすると倒されちゃってたり?」



 だとすると、因縁のある宿敵が知らぬ間に行間で処理されていたかのようで拍子抜けではありますが、別にこの手で決着を付けたいみたいな気持ちは全然ありませんし、安心感のほうがずっと大きいですね。


 悪魔の元になっているのはエリーちゃんのお友達ですし、そのまま人間に戻す間もなく殺されていないかだけは心配ですが。でも、見たところエリーちゃんが悲しんでいる風ではなさそうですし、ちゃんと人間に戻して我々と一緒に保護できたのか、もしくは再び探す手間が増えて面倒ですが尻尾を巻いてどこかに逃げていったのかな?



「いいえ、それが私もよく分からないのですけれど……」


「クーちゃん? 分からないって何が?」



 どうも、事はわたしが想像したような単純な流れではなかったようです。その過程を知るクーちゃんから話を聞くと、胸中の疑問はますます深まる結果となりました。


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