エロゲ転生、誰だテメェ!?【キャラ紹介(3/3)】
本話数はある意味であらすじの「………誰だお前?」に対するアンサーログみたいな感じだなって、一連を書いてから読み返した時にそう思いました。
あと特に深い意味はないですが、「シルヴァリオシリーズ」ってかっこいいですよね、シナリオやあの作品のあり方が本当に恰好いい。えぇ、深い意味はないんですが。
「さて、茶番も終わったことで次は僕の紹介か。次の凛堂ほどユニークある紹介ができないのが心苦しいが……」
大して思ってないくせに。本当によく口が回るよね、君たちふたり。
二人が口論したらどっちが勝つんだ? これは……勝負が読めないな……。
「龍蔵寺晴臣。一応龍蔵寺次期当主ではあるが…学園にいる間は気にせず好きに呼んでくれて構わない。あぁ、特技はこれと言ってないが、趣味の時間は馬と戯れていることが多いな。馬たちから学ぶこともあったりするが、やはり彼らの背に乗って駆ける時が一番だな。乗馬は日々の激務やいざこざなどを忘れられるくらいに良い。みなももしよかったら乗馬をしてみるといい」
さっきまでのことはなかったかのように、淡々と馬の良さを説く御曹司。馬じゃなくてウマなら知ってるんだが。言ったら怒られそうだからこれも黙っておこう。
「僕は昔から王帝剣術を嗜んでいる。所謂儀礼剣だが、今年中には中段になる予定だ。それに僕の場合は剣も魔法もさして変わらんのでな、状況に応じて前衛後衛どちらでも対応してみせよう。もっとも……」
そう言い切る晴臣はいつもと変わらない、ただ事務的に事実を述べるかのように紹介しきった。そして言葉を続ける。そう、原作にはない言葉を紡いで。
「間宮兄の気持ちもわからなくはない。優秀な人間が近くにいると、どうしても追いついて追い越したい。そんな憧憬や尊敬と認めてもらいたいという傲慢に近い感情と常に向き合わなくてはならないから。推測するにお前も小さい頃からそうなのだろう? 私も同じだ。だから素直に僕は間宮兄を称賛したい。そしてこのクラスのみなも同じだ。全員が尊敬に値する人間だと思っている。そんなクラスの一員として全員のライバルであり最高の仲間になれるように、これから3年間よろしく頼む」
自信満々に、堂々とそして丁寧に。全員の心を奮わせる言葉を紡ぐ晴臣のその姿は、まさに大人の風格、上に立つ者そのものだった。上に立つ者からライバルとして、仲間になりたいと言っているのだ。これで心が躍らない人間は、このクラスにはいない。
あの和樹ですら、ニヒルに口を緩めてやがるんだからな。それだけ演説に近い自己紹介は効果があったんだ。………ってまてまてまてまて!?!?!?
晴臣と和樹がこの段階でクラスに馴染んでるだと!? どうすんだよぉぉ! イベント何個かすっ飛ばしてんじゃねーか! …いや良い事なのか。
とにかく、この時点で友好度がそこそこあるなら、前倒しでもよさそうだ。それに俺以外のグループでも瑛士が問題ないかを……
「清聴感謝する、僕の紹介は以上だが、次は僕なんか足元にも及ばないくらい、素晴らしいほどの存在感と注目を浴びている男の紹介だ。どんな紹介をしてくれるか、全員で清聴しようじゃないか!」
これの後に俺やるの!?
「あーっと、あんなこ――」
「おっと。高尚な演説の後で~、みたいなしょうもない前置きはいらんぞ。僕たちはお前の演説が聞きたいんだ」
「晴臣ィ! 謀ったな貴様!?」
「さて、なんのことか。ほら、お前だけだぞ。はよ紹介せんか」
「くっそぉ………」
どうする!? 俺、どうする!?
よく考えろ…、どうやれば晴臣以上のインパクトが残せる!?
アニメ! アニメはどうだ!? どうやってつなげる!! 考えろ、考えろ、オマージュだ。理想をイメージしろ!
『春、桜の花びらが舞い降りるこの時……』
情緒ォ! 堅っ苦しいわ! ハイ次!
『オッス! ワイ氏凛堂!』
誰だテメェ!? はい次!
『諸君、魔法は好きか?』
一部の人間が嚙み合わん! 次!
『俺は学園ダンジョントラベラー凛堂優月。幼馴染で同級生の瑛士千花かえでの三人とルミナス学園に遊びに来て…』
遊びじゃねぇ! そして長い! もっと短く! 次!
『この中に宇宙人、未来人、異世界出身、超能力者がいたら俺んところにこい』
いねぇわ!
『正直、この学園のことは踏み台にしか思ってません』
正直すぎだろ!? アウトアウトォォ!
踏み台じゃなくて舞台だわボケェ!
ちくしょう! まとまらねぇなら仕方ねぇ! それっぽい感じでまとめてやろうじゃないか!
見てろよ晴臣ィ!! お前のまるパクリしてやんよ!
「さて、紹介ありがとう晴臣。インパクトは十分あったし、いろんなところで名前が売られてると思うが改めて紹介しよう。俺は凛堂優月だ、よろしく。趣味は魔法開発に瑛士と剣の鍛錬、千花とひなたぼっこだな。そして特技は魔法関連全部とかえでに強制させられて身に着けた丁寧に見える土下座だ。俺ほど反省に反省を重ねさせられた芸術的土下座をできる人間を知らなんだ」
なんか最低な説明になってないか? ほら、かえでの顔が「大丈夫ですか? 初等部の教室はあちらですよ?」って言ってる気がする。たぶん間違ってない。
ということで無難な紹介に戻ろう。
「こほん。俺の得意な武器は…一応剣になると思うけど、実は棒とかそっちのほうが得意だったりする。で、ポジションは瑛士や晴臣と同じどこだろうとできるけど、魔法に関してはそう簡単に負けるつもりはないぜ。ま、回復魔法とかはあんまし得意じゃないから、それこそ敦とかみたいな特化型には負けるだろうけど…いつか追いついてみせるよ。
それで、あー…まどろっこしいのは面倒なのでこの学園での目標を宣言します」
ただ、ここまではただの説明だね。だって無難って普通でしょ? 晴臣に煽られて黙ってるわけにも、瑛士と千花が間接的な原因でもお嬢に白い手袋を投げられて引き下がるなんざ、兄貴分としちゃ失格っしょ。
ってことで、全魔力と闘気解放! 空間内を支配というなの威圧で挑戦を叩きつける。
「一年で学園ダンジョン攻略完了してやんよ」
危険だ無謀だって言われるのは承知だけど、ゲームとはいえ瑛士やクラスメイトがパーティ単位で踏破してるし、ゲームの知識を総動員すれば、到底不可能なことではない。問題は足手まといが居たときだ。現段階では誰一人劣ってるとは思わないが、ぬるま湯に浸かってるなら置いてくほうがマシなんだよな…。
たとえ全域万能型の瑛士や晴臣だろうが、クラス内で近接戦闘が一番強い赤城でも、攻撃魔法特化のお嬢や回復特化の桜に敦が仲間だろうと。癒し枠の二人ももちろん。
どうだみんな。ついてくるつもりはある? あ、かえではなんかついてこれそうな気がするけど。
「クラスのやつらは全員優秀だし天才だ、間違いなくな。でもそんな奴らでも、俺の攻略についてこれなきゃ、俺はソロでもダンジョン踏破すっから、そのつもりで」
誰からの挑戦でも受けて立つつもりで、傲慢にも俺が一番上でお前らが下だと吐き捨てる。
「それでもと立ち上がって付いてくるなら、お前なんかに言われなくてもって反骨をもってくれるなら、改めてクラスの一員としてよろしく頼む」
改めての目標だ。ここは現実だがゲームの世界で、俺たちはひとりひとりが主人公。先生は全員が残ってくれて嬉しいって言ったけど、俺からしたら全員が目的あるからこそ辞退するわけにはいかない。それなら俺の挑発も乗り越えてくれるだろうさ。
願わくば、全員が立ち上がり追いついてきて、学園ダンジョンを踏破できるまでに実力を伸ばしてくれることを。
それで年度末のボス戦でアイツを倒して世界平和を迎えるところから始めようか。人生の本編は…それからでも遅くないはずだから。
「じゃ手始めに…魔法テストだっけか? お嬢に全勝するところから始めるんで、よろしく」
あ、売られた喧嘩は全部買うけどね。
知ってるかい?この物語の主人公、教卓に正座させられながら全員を挑発してるんだぜ…?
なんて酷い絵面なんだべさ。
この自己紹介の流れですが、作成時間約5時間で推敲に2時間。総文字数にして11000文字ほど。
悪ノリに継ぐ悪ノリがここまで影響を及ぼすとは思いませんでした。
プロットでは5000文字目安で、最後に優月とヤンキーがガチバトル展開に、ってなるはずでした。どこで間違えたんでしょう?




