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魔王で始まる異世界生活  作者: 野薔薇 咲
Act.06~最凶の魂魄族:キストリン編~
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招かれざる来訪者#02

「あんた…っ!」


「あれ? 簡単だね」


 対峙している相手も拍子抜けしたような表情をしている。


「ハヤトを返して!」


 ライカは両手を竜化した状態で襲い掛かるが、それをかわす謎の人物。


 攻撃の速度は決して遅くなく、むしろ以前よりも早くなっているが一切当たらない。


「まぁ落ち着きなよ。これは以前からの取り決めだし、僕が責められる理由は何一つないじゃないか」


「うるさいっ! 気付いていた上でやったんでしょ!」


「流石、ライカちゃんだ。その通りだよ」


 ライカの両手を捕まえ拘束する。


 振り払おうとするがその手は外れない。


「くっ…! あんたキースでしょ。そうじゃないと、私の攻撃を防げる説明がつかない」


「そうだね。もしこれがリンだったら、そこの魔王様はもう死んでたいたよ。だから感謝してほしいぐらいだね」


「ハヤトを元に戻して!」


 抵抗をしながら訴えるライカに対し、どこまでも落ち着いた様子を見せるキースと呼ばれる人物。


 少し呆れながらキースは話する。


「暴れるのをやめてくれるかい? 僕は肉体と魂を切り離しただけで、殺していない。もし戻ってくることが出来るとしたら、魔王様次第だよ」


 ライカが暴れるのをやめたのを確認してから両手を話す。


 おなしく背を向け隼人の下へ戻っていく。


「隙を見せて攻撃を仕掛けるのは無駄だよ。僕は魂を見ることが出来るから」


 小さく舌打ちをしながら、ライカは秘密裏に作り上げていた雷の矢を消す。


「さて、こんな状態で申し訳ないけど、この人のことを教えてもらえるかな? この人が本当の魔王じゃないことはわかっているし、魔王として存在を固めようとしているのは魂を見て理解している。僕はもしこの状態から戻ってこられるのであれば、魔王様として認めて就くことすら決めている」


「勝手に魂を覗けばいいんじゃない?」


 不機嫌そうに答えるライカ。


 隼人の前に座り込みただ戻ってくるのを待っている。


「ライカちゃんも知っている通り、僕は魂に関与することが出来るのであって、記憶を読み取るわけじゃない」


「なんで今のタイミングでここに来たの。あんただってベルザから手紙をもらっているはずでしょ。あいつは四天王全員に送っていると言ってたから」


「手紙? 何のことだい? 僕の手元にもリンにも手紙はわたっていないよ」


「…どういうこと?」


「ベルザさんのことだから、きっとまた何か企んでいるんじゃないかな?」


 キースと呼ばれる人物は魔王に使える四天王の一人のようだ。


 ただベルザからの手紙は受け取っていないらしい。


 ライカは少しの疑問を抱きながらも答えは見つからないと諦める。


「あと、ちゃん付けは止めて」


「それは無理だねライカちゃん」


 食い気味で答えるキース。


「あんたもあのロリコン騎士も気安いのよ」


 聞こえるようにため息をつく。


「これは私の独り言だから」


 そう切り出して隼人の話を始めた。

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