再戦 隼人vsライカ#03
ただし、1つ問題が浮かび上がる。
この剣でライカから魔力を奪うということは、攻撃を当てる必要がある。
つまり、斬らなくてはいけない。
その心中を察したのか閻狐が隼人に声をかける。
「心配はしなくて大丈夫だよ。あくまでも斬るのは魔力だけで、この剣で実体を斬ることはできないから。もちろん当たるから痛みはあるけどね」
「あぁ…」
「さぁ、一気に飛び込むよ!」
ライカとの間合いはもう数メートルほどまで迫っている。
意を決して剣を両手で握りライカに対して斬りかかるが、すでにその場にライカはいなくなっていた。
「そんなスピードで私に攻撃を当てれると思っているの?」
真後ろからの声に反応し振り返りながら、剣の面でライカの攻撃を防ぐ。
直撃は逃れることができたものの、威力を抑えることはできず再び勢いよく吹き飛ばされる。
「ハヤト大丈夫か!」
クィルは避けに徹し身動きが取れないままでいる。
「ねぇ、隼人って剣に覚えがある人?」
「自慢じゃないが、小さい頃は聖剣を持っていたぞ。学校の帰り道に見つけたすげぇー良い感じの木の棒があってな」
「それはとても素晴らしい聖剣だね」
見た目とは裏腹に随分と余裕があるようだ。
その姿を見てクィルも安心する。




