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リライト・デッドエンド  作者: 未確定ログ
第1部 欠けた世界編 -崩壊-
49/56

第四十九話 第三の選択

“第三の選択”。


それは。


世界でもない。


結衣でもない。


悠真は、自分の黒い右腕を見た。


脈打っている。


“最深部”。


世界の外側。


観測されないもの。


未来の自分が辿り着いた終点。


だが。


未来の悠真は、“観測を壊した”。


だから失敗した。


悠真の瞳が揺れる。


「だったら……」


巨大な目を見上げる。


観測。


それ自体は必要だ。


存在を定義するために。


でも。


“誰かを消す観測”が間違っている。


悠真の中で、答えが繋がる。


「観測を壊すんじゃない」


未来の悠真が目を見開く。


悠真が、黒い右腕を自分の胸へ突き刺した。


結衣が叫ぶ。


「兄貴!!」


レンも絶句する。


先行保持者が息を呑む。


黒いノイズが、悠真の身体へ流れ込む。


痛み。


存在が裂ける。


それでも悠真は止めない。


“最深部”を、自分へ固定する。


観測されない怪物を。


“神崎悠真”という形へ閉じ込める。


未来の悠真が震えた声で呟く。


「お前……まさか」


悠真が笑う。


苦しそうに。


「俺が、“観測の外側”になる」


その瞬間。


黒い太陽が、悠真へ収束した。


世界が揺れる。


空間が裂ける。


悠真の身体へ、無数の世界の記録が流れ込む。


泣き声。


絶望。


願い。


消えた人々。


忘れられた世界。


全部。


悠真一人へ集まっていく。


巨大な目が揺れる。


「異常」


「管理不能」


悠真の身体が黒く崩れる。


だが。


消えない。


結衣が涙を流しながら手を伸ばす。


「兄貴……!」


悠真はその手を掴む。


まだ、自分だ。


まだ。


“神崎悠真”でいたい。


その想いだけが、崩壊を止めていた。


未来の悠真が笑う。


泣きそうに。


「……馬鹿だな」


白い杭に貫かれながら。


静かに目を閉じる。


「でも、それでいい」


その瞬間。


未来の悠真の身体が、光になって崩れた。


黒い粒子となって。


悠真へ吸い込まれていく。


“最深部”が統合される。


世界の外側。


壊れた未来。


全部が。


“今の神崎悠真”へ集約される。


巨大な目が、初めて警戒した。


「新規定義不能存在を確認」


悠真が空を見上げる。


黒い瞳。


その奥に、無数の世界が映っている。


悠真は静かに呟く。


「もう、誰も消させない」


その瞬間。


世界中の“消えた存在”が、一斉に悠真を見た。

読んでいただきありがとうございます。

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