I LOVE YOU
ジョーカー(愛良)の話です。
彼は作られた時からずっとレンカを、蓮を愛していました。たとえ蓮が誰か別の人を選んでもずっとその愛は消えることはないのでしょう。
ジョーカーが生まれたのは、青い部屋だった。
レンカを守るためにシャーロックに作られたジョーカーは、現実世界に向かった。そして、白い髪の少女と出会う。その瞬間に、胸が高鳴るのが分かった。
レンカと結ばれるまでに、時間はかからなかった。子供が生まれた時はコウノスケも祝ってくれて、幸せな日々が続くと思っていた。
「愛良、どうした?」
蓮が覗き込む。黒と白の髪に灰と青の瞳。愛良にとって、それが愛おしく思った。
守り神と人間が混ざった姿は彼女を織りなすものだ。
「いや、お前が好きだなって思っただけだ」
そう言ってやると、蓮は頬を染めた。直球に弱いというのは、昔からだ。
「可愛いな」
「ちょ……と、ボクが直球に慣れていないのは知っているだろ?」
「知っているからこそやるんだろう」
好きな子をいじめたいのは可愛い反応を見たいからかもしれない。現に蓮は「……もう」と他の人には絶対に見せない表情を浮かべていた。
彼女が怪盗団のリーダーとはな。
誰も思わないだろう。こんな、綺麗な女子高生が怪盗団のリーダーなど。
「クレープ買ってやるから」
「……なら、カスタードホイップ」
「了解」
あぁ、やはり彼女は可愛い。
最初は、なぜ殺したのだと思った。愛していたのではないのかと。
しかし、魂を彼女の心に入れられて、彼女も苦渋の決断であったことが分かった。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
何度も何度も、泣きながら謝っていたことを覚えている。本当に、ジョーカーを殺すしか選択肢がなかったのかと何度も後悔していた。
そうして心を傷付けながら、悪神と戦って相打ちに持ち込んだ。そして、封じるために彼女は……自ら生贄になることを選んだ。
美しい歌声を覚えている。ただ、悪神を封じるために歌い続けていた。
ジョーカーも、レンカの心の中で口ずさんだ。レンカはそれに気付いたのか、驚いた表情を浮かべたが、笑って続きを歌った。
愛良は蓮にクレープを買う。彼女は目を輝かせながらそれを受け取った。
――あぁ、やっぱりこいつが好きだな。
一度は殺されたが、それでも。
――オレはお前を一番に愛しているよ。




