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ここはどこだ。
草原?小さな花がゆらゆらと足元で揺れている。遠くに大きな木も見えるし、向こうの方に道らしきものもあるような気配もする。
夢のようだけど、ものすごくリアル。お酒も残っていない。
よくあるゲーム初期の服装。斜め掛けのバッグ。
VRゲームは経験ないけれど、こんな感じなんだろうか。隣の席の人に連れてこられたとか?いやいやちゃんと一人で家に帰っていた。
そこを間違えるほど飲んではいない。何かヒントはないかと斜め掛けのバッグの中身をごそごそしてみるとタブレットが出てきた。夢の中だとすれば斬新なものだ。
画面はまっくらだけど、とりあえず画面をタッチしてみると
「このたび、テスターとして選ばれました方へ。あなたが望まれましたスキルをカンストするか、若しくは目標が達成できたところで終了です。終了後、元の時間軸へお戻りいただけます。他は普通のゲームと同じです。まずは、一番近くのギルドを訪ねてください。では、この世界をお楽しみ下さい。」
この文章が出たあと、本当にゲームのような画面が出てきた。夢なのかなんなのかよくわからないままだけど、不思議と恐怖心や不安の感情が浮いてこない。
安心な部屋でプレイしているような変に落ち着いた気持ちのままだったので、いつもゲームするように、画面を確認していく。
地図、ステータス、所持品、アイテム図鑑、モンスター図鑑、錬金とあったので、まずは地図をタッチしてみると、世界地図のようなものがバーンと出てくる。右のすみっこの方に赤い点が光っている。
もしかして、今ここにいるのか?
画面の上で操作してみるとどんどん拡大されていく。今いる場所の大まかな配置のわかるところでいったん終了。左側の道らしきものがあるような気配の場所に本当に道があるようで、そこから2キロぐらいで町?村?があるっぽい。
もう少し拡大してみると地図の中で光っているところがある。よくあるアイテムが落ちていますっていう仕様なのか?
とりあえず一番近くの光っているところにすぐに歩いていきたいところだが、ゲームの序盤であるのなら、自分のステータスの確認をした方が良い。1歩歩いてモンスターが出てきて丸腰で痛い目に合うっていうのを昔ゲームで経験したことがある。
ええっと、ステータス、ステータス。文字の上をタッチしてみると、
「レベル1 職業空欄、HP500MP500 武器なし 防具 旅人の服 魔法 風魔法レベル1 水魔法レベル1 土魔法レベル1 火魔法レベル1 スキル 錬金レベル1」
ははは。本当にゲーム始めましたっていうレベルでかえって笑えるけど、HP500やMP500が高いのか低いのか比較対象がないから良くわからない。
装備できる武器は持っていないのか、所持品を調べてみると、武器は持っていないようだ。しばらくは素手か、いや魔法があったけど、なんか適当に言えば出てくるのかなぁ…。
他に持っている所持品は初期費用の500G これだけだ。すごくシンプル。歩いてすぐに町があるからなのかも。
これだけわかったので、画面の中で光っている場所に行きたい。本当うずうずしていた。右に5歩前に8歩ぐらいのところが一番近い。ざくざく叢を歩いていくと画面の光っている場所についたので、足元をよく見てみると、ヨモギのような草が生えている。
手にとって少し摘んでみると本当にヨモギのような香りがする。画面を見ると光が消えている。ということは、これが当たりでいいんだよね。取った草はどうしようかと思ったけど、ずっと手に持っているわけにはいかないので、バッグの中に入れてみる。
ふと思って、タブレットの画面表示に出ていたアイテム図鑑をタッチしてみると、本当の図鑑を開けていくような仕様になっているようで、最初にページの一番のところにさっき取った草が表示されている。
「薬草」ってそのまんまの名前。横に採取1と文字が記載されている。そして同じページには後29個分、図が入っていない空欄がある。
まさしく図鑑埋め作業!!そして後ろにも空欄が続いたページが山ほど!!!インデックスがいくつかついている。採取するものと、錬金するものに分かれているようだ。
これを埋めていくことを考えるだけでわくわくしてしまう。
町には早く行きたいけど、地図で光っている場所には全部行ってしまいたい。毎日取れるとは限らないし、この時期この時間だけしか取れないものもあるかもしれない。
町はきっとそこにずっとあるだろうから、ここはアイテム採取の方が優先される。あ、バッグに入れたら図鑑に表記されているということは、バッグにさっき入れた草はどうなったんだろうか。とバッグの中を探ってみると、見事に何もない。
タブレットに移管?されているようだ。不思議だけど、大抵のゲームってそうだよね。
採取した魚も持ったまま歩いていなかったもんね。いったんタブレットに表記されたものをどう取り出していいのかさっぱりわからないけど、とりあえず採取できるだけしてみよう。
無理な時にはその時考えよう。他に光っている場所に行くと、何に使うのかわからないものもたくさんあったけど、ぱっと見てとれるものは全部とれて、図鑑を見ると最初の1ページ目と2ページ目が少し埋まっているのを見るのが地味に嬉しい。




