刺客との遭遇
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
なんか、ボケてました。
話を飛ばしていました。
修正です。
ではでは~
「さぁて、お嬢さん。何が食いたい?」
「えー、ほんとにおごってくれるのー」
「そうさ、臨時収入があったからな」
「うーん、じゃあ、あの串焼き」
「心得た」
いつの間にか手をつないでいたふたり。
歳の開いた兄妹に見えなくもなかった。
= = = = =
「ヘインリー殿、謀反の容疑により捕縛する。おとなしく縛につけばよし、抵抗するなら、力ずくでも」
その言葉に騎馬が腰の剣に手をかける。
「むう、うぬら、抵抗するか」
憲兵隊も集まり20人。
一触即発の状況になった。
「わかった、わかった。今から降りるから、事情を説明してくれ」
馬車の扉が開き、中から降りてきた人物に憲兵隊が硬直した。
「へ、陛下?」
「はい」
「けけけけ、けいれーーい」
「で、この馬が、謀反だって?」
「あ、馬って言ったな?マリアに言いつけるぞ」
「わーわーわー、今のなしー。マリアには言わないでくれよー」
国王に続いてヘインリー侯爵が馬車から降りてきた。
憲兵隊の隊員は、命令の方が間違っていると確信して屋敷に入っていくふたりを見送った。
屋敷の玄関でメイドに無視される国王が見えたが、見なかったことにした。
= = = = =
広場の中央に噴水があった。
「よし、ここに座るか」
縁に腰を下ろす二人。
「ちょい待ち。これを敷いとけ」
タコーは懐から厚手の布を取り出し、町娘に渡した。
「あ、ありがと」
お礼を言うとちょこんと座った。
ふたりは何を話すでなく、露店で売っていた串焼き、タコーは酒をちびちびやっていた。
「お兄さん、昼間からお酒なんて、ダメだよ」
「俺は、おっさんだからいいの」
「そうは見えないよ」
短い会話のあとは、また沈黙が続く。
タコーから切り出した。
「最初からわかってるのに、どうして仕掛けてこないんだ?」
「や、やだなあ。何のことよ」
小さく震えだす町娘。
「俺の容姿はこの国でかなり珍しい。その男がヘインリーの屋敷に居たんだ。間違いでも殺しておくだろ」
「お前こそ、なんでそんなに落ち着いていられるのさ」
「落ち着いてる?こんなに手が震えてるのにか」
タコーは気を紛らすために酒を飲んでいたが、震えでうまく飲めなかった。
この娘が単なる囮じゃないのか?
真意は別にあるのか?
賭けに出ていたのだった。
「ふん、小心者を装っても蛇を素手で始末したり、飲まず食わずで何日も平気なんだろ」
「それは違う、臆病だから、何もできなかったんだよ」
「でも、ゲンはお前に殺された」
「ゲン?」
「街道でお前に殺されて、たぶん死骸は動物に食われた。あんまりだよ。汚い仕事ってわかってるけど、食われて無くなるなんて」
「あー、殺されたことはどうなんだ?」
「仕方ないさ。仕事に失敗すると帰ってきても見せしめで殺される。でもね、墓くらいは作るんだよ」
娘はボロボロを涙を流し、鼻水が垂れるのも気にしていなかった。
「あー、それなら、墓は立ててるぞ」
「え。嘘」
「嘘じゃないって。大公国側に川があるだろ。あの橋の脇だ。石を積んだだけだが墓標がある。深く掘っておいたから、食い荒らされはしないと思うけどな」
「ゲン」
「好きだったのか?」
「うん?全然。なんでそう思うの?」
「いや、話の流れ的な感じだと・・・」
「あんな奴でも墓がもらえたんだと思ったら、なんか、あたいも墓に入れそうな気がしてさ」
「おいおい、今から墓の心配かよ」
「だって、もう失敗したもん」
「なんで?」
「あんたにバレちゃったんじゃん。もう終わりだよ。正面からじゃあたいに勝ち目はないもんね」
「そういうものなのか?」
「そういうものよ。じゃあ、どっか人気のないとこに行こうか。そこで殺すんでしょ?」
「でしょ? じゃねえよ。俺は帰るぞ」
「え、じゃあ、あたいはどうすんのさ」
「命令解除まで俺の観察でもしてろ」
「命令解除って?」
「俺が放免されたのは、暗殺命令出したところが、提訴を取り下げたからだよ」
「じゃあ、あたいは、あんたを殺さなくていいんだね。殺されなくていいんだね」
「そういうこった」
「でも、命令解除っていつ来るの?」
「お前さんが命令受けたのって、俺が留置所に入る何日前だったんだ?」
「確か、前の日」
「じゃあ、明日か明後日だな」
「わかった。じゃあ、監視してるから」
「おう、風呂は覗くなよ」
「あたいは、そんなことしねぇよ」
「じゃあ、元気でな」
「あんたもね」
ふたりは別々の方向に戻っていった。
= = = = =
屋敷の中でも間の抜けた声が響く。
「へ、陛下ー?」
「お勤めご苦労さん」
憲兵隊の隊長を労う国王。
「で、ヘインリーに謀反の容疑があるんだって?」
「は、そのため、屋敷を制圧するよう命令がありました」
「その命令はどこから出て来てるんだ?」
「そ、その陛下の御命と伺っておりましたが・・・」
「そうか。君はどう思う?」
「はあ、悪意による偽の命令だと思います」
「よろしい。君は忠実だった。今後、この手の命令を受けた場合、君に限って、王宮への確認を許す。コレその証ね」
そういうと国王は紋章の入ったボタンを一つ憲兵隊長に手渡した。
いかがでしたか?
こんな感じで危機はひとまず落着。
次話へ続きます。




