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輝きを取り戻す誇り

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


タコーがまたやらかしました。

やんちゃな若年(見た目)です。


ではでは~


ビリオネリラント大公国の夜明け前。


一人の男は、同意もない相手にしでかしたことに苦悶していた。

何より記憶が無いことが重大な問題だった。


以前の失敗は、酒に酔っての暴挙だったが今回は酔っていない。

なぜという疑問が浮かんでくる。


「おはようございます。タコー様」

悩むタコーに目を覚ましたメイドが身を起こし、唇が触れそうな距離で挨拶をする。

明らかに次の行為を期待している。


「お、おはようござい」

返す挨拶は、言い終る前に遮られた。


濃厚な接吻がタコーの口を塞いでいた。

「あむ、むつ、ちゅむ」

「ぷはぁ」

息が詰まりきる前に解放される。


「タコー様は、接吻はお嫌いですか?」

「マリアさん・・・。あの、どうしたんですか?」


「ウフフ、あのように弄ばれて、悔しくて、報復ですわ」

「・・・」


「どうなさいました?」

「すみません。記憶が」

「まあ、そんな。・・・ヒドイ。・・・ぷっ、リンカ様のお薬が効きすぎたみたいですものね」

「リンカの薬?」

「はい。お茶に」

「あーーーーっ。それでかーー。すみません。不愉快「心地よかったです」・・・、はあ、そうですか」

「殿下も心地良かったと思います。見て、タコー様。あんなに呆けていらっしゃいます」


マリアの視線の先にジョシティアがスヤスヤ眠っていた。

「俺は、したの?」

戸惑いながら尋ねるタコーににっこりと微笑むマリア。


「はぁー。何やってんだ、俺」


 = = = = =


タコーは、ジョシティアの寝顔を見ていた。

前髪が顔にかかるのを流す、起こさないように。

指先がかすかに顔に触れたのか、規則正しい寝息が止まる。

(ヤバ)

慌てて手を引っ込める。

『クスッ。タコー様は本当にお優しいのですね』

後ろでマリアがささやいてからかう。


 = = = = =


「い、いま、なんと?」

「この身代わりの護符を使って、フィーが法術を使うと、まあ、あれだ、元通りになる」

「ですから、何がですか?」

「なんか言いづらいんだよ」

「ジョシティアが処女に戻るよ」

「おいおい、ココモ。若い娘が直接的にいうな」


「・・・」

「ほら、心の瑕は残るが、初めての相手をやり直せるというか、気持ちにけじめがつけられるんじゃないかと思うんだ」


「フィーは、毎回初物」

「フィー」

「痛い、痛い。頭グリグリ嫌い」


「ボクとコッカは、予約済みだよ」

「お前たちはいい男を見つけオゴォ」

絶妙のコンビネーションでふたりから拳が打ち込まれ、蹲るタコー。


「「男は、自分のオンナにそんなこと言っちゃダメ」」

「ごほ、ごほ。だから、お前たちは俺のオンナじゃねえだろ」

「今のは許せない」

「タコー様、またお茶を飲みますか?」

「タコー、ほんとは死にたいんじゃない?」


「ぷ、クククク。タコー様、お気遣いありがとうございます」

「あ、ああ。気にするな。あー」

「ジョシティアとお呼びください」

「ジョ、ジョシティア」

「はい。タコー様、わたしは、このままで充分です。貴重な身代わりの護符をわたしの身に使うことはございません」

「あ、あー。ツライことが必ずあるぞ」

「その時は、今日のことを思い出します」

「そうか・・・わかった」

そういうとタコーはジョシティアの肩に手を置いた。

その手に彼女は手を重ねる。

「何かあったら、俺を呼べ。気休め程度で大したことはできないと思うがな。これはその約束の証だ」

その言葉の合図で、リフィがジョシティアに護符を貼りつける。


「え?えっ?」

戸惑うジョシティアに貼られた護符が彼女に吸い込まれるように消える。


きょとんとする王女様。


タコーとリフィが娘たちから離れた位置に移動する。

「じゃあな。あとは出てくるまで待っていてくれ。殿下、やっぱり、初めての相手は、やり直したほうがいい」

そういう言い残すとタコーはリフィの作った歪みの中に潜り込んで行った。


 = = = = =


駐ビリオネりラント外交館は、二度目の歓喜に包まれていた。


殿下、無事ご帰還。


事件の解明はまだという混乱している状況において、負傷者のみというのは、不幸中の幸い。

負傷者の下手人は、ケンタウロスの娘。


 = = = = =


タコーは、留置所に戻ってきた。

出てきた時と敷布と上掛けの形は変わっていなかった。

(誰も気づいていないのか。まあ、気にするのは、蛇入れてきたヤツくらいだろうな)


その暗殺者も毒蛇を信じているらしく、部屋の様子は確認していないのだろう。

酒でも飲みに行ったかな。


一応、上掛けを慎重に剥ぎ取り、敷布をめくって確認する。

何もないことにホッとする。

毒虫でもいたら、即死はなくとも結構苦しむことになるからだ。


じゃあ、ひと眠りするか。

喉の渇きも癒してきたし、久々にぐっすり眠れる。


タコーは、ひとりの娘から恨まれなくなったことに少し心が軽くなっていた。


 = = = = =


タコー様、お覚悟ください。

わたしは、ご存知のとおり執念深いオンナです。


外交館の窓から、祖国の方角を眺める王女は、王国の誇りと譬えられるほどの輝きを取り戻していた。

いかがでしたか?


ビリオネリラント大公国で4人

アーエルフル領で1人

アイハイロード王国で3人

まだまだ増えます。


次話をお待ちください。

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