拘留二日目
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
王国の内情は不安定要素抱えています。
タコーたちにどんな影響が出るでしょうか?
ではでは~
侯爵の王都屋敷の食堂。
侯爵夫人は先に席についていた。
「「「おはようございます」」」
「よくおやすみいただけまして?」
「いい香りでぐっすりです」
「久しぶりでした」
「良いもの」
「まあ、それは良かったわ。みなさん、お席に着いて」
「はーい」
「ありがとう」
「感謝」
3人が着席すると朝食が運ばれてきた。
献立は、焼き立てのパン、サラダ、スープ、フルーツ、ココモとフィーのために豆脂で焼いた卵。
「いい匂い、焼き立てパンだー」
「アーエルフルでも食べ損ねてたわね」
「タコー様のバカ」
「さ、焼き立てを召し上がって。これのパン職人は、なかなかだと思うのよ」
3人は手を合わせて
「「「いただきます」」」
侯爵夫人は見慣れない作法に思わず質問してしまう。
「それは、何の作法なの?キャサリアもしていた気がするけど?」
「アニキの故郷の作法だよ」
「食材、料理をした人、食事ができることなどに感謝をすることだそうです」
「素晴らしい」
「まあ、それは良い作法ですね。ねえ、マリア」
「はい、そう思います。奥様」
= = = = =
「全く食べていないな。まあ俺には関係ないことだが」
留置所の飯盛りが、暇つぶし半分に話す。
「一つ言っておく。俺の飯は絶対に食うなよ。死ぬぞ」
「へ?何言ってんだ、お前。それに誰がこんな飯食うかよ」
「なら良い。気にしないでくれ」
「お、おお」
留置所の食事は、本来は役所の食堂と同等の予算で作られるはずが、留置所の主計文官がリベートを受け取っていた。
そのため、職員の食事を維持するため拘留者の食事は粗末だった。
そのおかげで、手つかずでもつまみ食いされる心配は、ほぼなかった。
タコーは、扉越しに足音が遠ざかるのを聞いて、ベッドに腰かける。
小さな明かり取りでも小部屋の中は日陰程度の明るさになっていた。
やることもないが、暗殺される可能性がある以上、油断するわけにいかない。
ふと、入り口側の下の方で何かが動いたような気がした。
ベッドの上で胡坐をかいて、改めて動きのあった方を見直した。
見た先には何もなかった。いや、有った。食事の差し入れ口が床すれすれに設置されている。
そこは、床すれすれでも誰かが歩けば影が見える。
その場合には、さっきの飯盛りのように足音が聞こえるはずだった。
気配を消していたなら、可能性は一つしかない。
タコーは、部屋の中に異変がないか確かめ始めた。
扉周りは、異常はない。差し入れ口から、何かがなされる様子もない。
壁は、強固な石積みで変化は見当たらない。
確認するところは死角になっているベッドの下が残った。
ここにきて、一気に嫌な感覚が湧き、嫌な汗が噴き出した。
(ヤバイヤバイヤバイヤバイ、なんか居る。きっとなんか居る)
= = = = =
王宮謁見の間
「呼び寄せて、すまなかったな」
「いえ、陛下。もったいないお言葉でございます」
「ここじゃ、堅苦しいから、お茶でも飲みながら話をしよう」
国王は自ら法務大臣を応接間に招き入れた。
「まあ、掛けてくれ。今、茶を入れるから」
「はあ、恐縮です」
侍従がカップを二膳持ってきて、テーブルに置いた。
2人の間に焼き菓子を置き、部屋に隅に下がり待機した。
「さあ、冷めないうちに」
「はい、ありがとうございます」
2人は器を口元に運び、一服する。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「陛下。ご用は何でございますか?」
「うーん、言いづらいんだけど」
「言いづらいと?」
「実は・・・」
= = = = =
キャサリアは、近衛隊総本部を後に、屋敷に向かっていた。
近衛隊内部にも、反現国王派が居る。それが総隊長の考えだった。
軍は、国王の隷下ともいえる組織になっている。
その中でも近衛隊はいわば国王の私兵。
前国王までの治世では、待遇がよく、悪く言うと特権階級でもあった。
それは、ついこの間まで戦乱で世界が混乱し、武力が必要だったためだった。
しかし、現国王になってから、改革が行われ、軍の維持運営が自給自足になってしまった。
中でも近衛隊は規模の縮小は避けられたものの禄が引き下げられたため、待遇に不満を持つものは少なくなかった。
これまで煌びやかな生活をしてきた一部の隊員にとっては、受け入れられないことだったと思われる。
「陛下、王族方をお護りし、盾になることの報酬に不満を持つならば、冒険者や賞金稼ぎになればよかろうに。傭兵なり商人にでもなれば稼ぎたいだけ稼げるだろう」
ブツブツと見知らぬ反現国王派(裏切者)に文句を言いながら歩くキャサリアだった。
= = = = =
「うっわー。蛇だ。たぶん、毒蛇。おいおいおいおい。溶解毒のヤツっぽいんだけど」
いかがでしたか?
食うなよ、食うなよ、絶対食うなよ。ぐはっ
芸人的なことは、王国にはなくて幸いでした。
次話をお待ちください。




