森林地の隠れ里
お読みくださり、ありがとうございます。
ちょっと寄り道です。
ではでは~
「でねぇ、じぃじとちゃまは結婚したんだって」
「へぇー、出会いって、いろいろだな」
「でしょう。ボクも最初に聞いたときは、びっくりしちゃったよ」
暗殺者が消えてから、旅は快適だった。
裁判の期限も決められていなかったため、充分に休憩しながら、のんびりした行程で移動している。
キャサリアも加わり、娘たちはかわるがわるタコーに甘えていた。
タコーは、彼女らが自分に年の離れた兄のように接してきているような感じがした。
(まあ、おっさんだしな。この方が自然か)
手のかかる妹たちをあやしながら引率している気分だった
= = = = =
ふと、へんな感覚とともに街道は二手に分かれていた。
「なあ、こっちの道って、どこに続いているんだ?」
タコーが尋ねた道は、森の奥に向かって伸びていた。茂った木々で昼間なのに暗く、奥の見通しがきかなかった。
「タコー様、気が付かれたのですか?」
コッカが、不思議そうに確認する。
「なんだよ、その言い方?昼日中に見りゃわかるだろ?」
「いえ、そんなつもりではありません。お気を悪くされましたのなら、ごめんなさい」
コッカは、なぜか不自然に謝る。
「アニキって、この辺は初めてだよね?」
「ああ、それがどうかしタのか?」
「ココモ殿、コッカ様「ココモ」「コッカ」ココモ、コッカ」
「何?馬2号」
「うー。・・・あの、これも何かの思し召しかと思います故、ここから【アーエルフル】に寄りましょう」
今思いついたようなキャサリアの提案だった。
「そうね。タコー様が道に気づかれることは、何か意味があるからでしょうし」
「やっぱり、アニキはすごいよ」
タコーは何のことやら、わからず首を傾げるしかなかった。
= = = = =
「なあ、あーえるるだっけ?」
「アーエルフルです」
「それそれ、何?」
「小神族の治める国です」
「エルフのことか?」
「タコー様のお国でも知られているのですね」
「よく知らんが、聞いタことはある」
「ボクはじぃじじぃじに連れてきてもらったことあるよ。知り合いだって」
「ほー」
森の奥へ進んでいく。
やがて、タコー達が歩いていった分かれ道は木々の中に消えた。
= = = = =
タコー達の前に頑強そうな木製の防壁がそそり立っていた。
「立派だな」
タコーがそれを見上げて感心した。
「アニキ、こっちだよ」
ココモが手招きをしている。その先には防壁の入り口があった。
間近で見ると防壁は、地面から生えていて迷路のように続いていた。
「これは魔法か何かだろうな。この太さの木が、並んで生えるなんでありえんしな」
ケンタウロスは見知ってかココモより先を進んでいた。
「遅れてすまん。迷子になるところだったよ」
「アニキ、はぐれたら、ボクとふたりっきりで旅しようね」
「ココモ、ケンタウロスを見くびっては困るわ。タコー様の香りなら、風下におられても見つけてあげるから」
「俺って、そんなに臭いか?」
タコーは加齢臭でもするのかと服を嗅ぐ。
「いえ、そんな。タコー様の香りは、その、・・・好きな香りです///」
「わたしも同感です。その、できれば、一晩中でも」
「お、おう」
予想外の返事に少し照れるタコー。
「そこで止まれ!」
頭上から中性的な声がした。
タコーは声のする方向を見上げる。
(あー、そのまんまエルフだ)
数人の小神族が矢をつがえ、タコー達を狙っていた。
「身元と用件を明かしてもらいたい」
「わたくしは、アイハイロード国近衛騎兵団所属、ヘインリー子爵!本国に戻る途中、アーエルフルの大里にて逗留したく訪れました」
「ボクはココモ。以前、祖父たちと来たことあるよ」
「わたしはコッカ、【柔肌のヤマアラシ】の方が有名かしら」
「の、下男その1です」
「もう、主様そのような」
「そうだよ。アニキ、アニキはアニキだよ」
「タコー様!」
防壁の一部がぐにゃりと曲がり、小神族の中年男性がタコー達の前に歩み出てきた。
「これは失礼いたしました。ここまでたどり着けた方々に失礼でありました。お赦しください」
「痛み入ります。では、逗留は許可されたということでよろしいですか?」
キャサリアは、丁寧に確認を取る。
「はい。一応確認ですが、ココモ様は、お二方のお孫様でございますね?」
中年男性は、ココモの身元を確認した。
「はい、その節は、歓待しただきありがとうございました。祖父ともども良い時間を過ごせたことを感謝いたしております」
「おおー。ココモはオオモになったみたいだ」
「アニキ、もぐからね」
「仕方ないな、お前にされるなら本望だよ」
「///、もう、ズルいよ」
仲間だけの時のように下ネタが飛び出した。
「あのー、ご案内をいたしますので、付いてきていただけますか?」
男性は、やりづらそうだった。
= = = = =
タコー達は、一際大きい館に案内された。
「木造建築でここまで大きいと圧巻だな」
「タコー様は、建築にも造詣が深いので?」
「素人だよ。昔、家を設計した程度だ」
「設計でございますか?それは技師ということで?」
「ああ、技師は間違いないかな。カラクリを設計してたからな」
「まあ、初めて聞きました」
「ボクもボクも!」
「主様、よろしければ、どのようなカラクリかお話しください」
「うーん、難しいな。身体に強い磁石の力を与えて、身体の中身を見るカラクリなんだけどな」
「なんか怖い。中身を見ちゃうの?血とか出るんでしょ?」
ココモは気味悪がり、ケンタウロスたちは、身を縮めて怯えていた。
「血とか出ないよ。魔法みタいなカラクリだからな」
「えー、そんなのできないよー」
「そうだな、この周辺の国じゃ、まだ無理だな」
「タ、タコー様のお国ではできたのですか?」
「ああ、でかいモノは使ってタ。俺のは、超小型だよ」
「まあ、すごい!」
「まだ、実験段階で実用はまだまだ先だよ」
「そうなのですか。主様は、いずれ戻られて実用を目指されると?」
「お前タちもいるしなぁ。戻るかどうか、正直、迷ってる」
「「「あなた」」」
「なんてね!お前タちが、いつまでも俺みタいなおっさんの相手はしてるとは思わんけどな」
「「「あー、もう!」」」
「あのー、どうか、館の中へ」
中年小神族が困った様子でつぶやいた。
いかがでしたか?
多幸の日本での仕事は、MRIの小型化です。
次話をお待ちください。




