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ささやかな良心

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


話は、記憶の中に舞台を移します。


ではでは~

タコーは、女性支官に考えを伝える。

「俺はよそ者だ。他人の勝手ごとだが、ビリオネリラントは大義に相応しい行いをしないといけないと思う」

「それは小官も同感です。何をなさりたいか大よそ見当がついております」

支官は、すでに納得したようだった。


「明らかに軍規違反だぞ」

「ご随意に」

タコーは、少し踏み込んだ話をすると支官は納得済みだった。


「戦友だぞ」

「轡を並べたからと言って見逃す義理はございません。大公女殿下に顔向けできません」

千卒長は支官に嫌われているようだった。


「できるだけ穏便に済ませるよ」

「お気遣いありがとうございます」

タコーは、女性支官に責が及ばない配慮を伝えておく。


 = = = = =


「いやです。かんにんしてください!」

千卒長に腕を掴まれた娘が嫌がり声を上げる。


「きさま、逆らうか。いいだろう、お前の家族がどうなるか見てるがいい」

「そ、そんな」

娘は聡明だった。

直感的にこの指揮官が何をするか悟ってしまった。


「ううーん?返事はどうした?」

『はい』

「聞こえんなぁ」

「はい、わかりました」

この世界の戦は、女性にとって特に娘には過酷な試練を強いる。

心に傷を負い、耐えきれず自ら命を絶つ者さえ少なくない。


「お前たち、気に入った娘を選べ。下士官は自由行動を許す」

部下の百卒長と副官の4人は、畏縮し震える娘たちをまるで品定めをするように見る。

その嘗め回すような視線に娘たちは絶望する。


 = = = = =


村長の家から下士官たちが出てくる。

「まあ、生娘じゃなくてもいいか」

「年増でも娼婦みたいにすれてないだけマシだぜ」


女性支官が見かけた下士官たちを呼び止める。

「ここの駐留しているのはお前たちか」

「は!千卒長以下、大隊本部が待機しております」

下士官は突然現れた士官に直立不動の姿勢を取った。

女性支官は公族に所縁のある家系の百卒長級で、平民出の下士官たちが昇格するのはほぼ不可能の階級だった。


「ちょうどいい。半刻(1時間半)もすると我々の中隊が到着する。村外周に敗残兵が潜んでいないか確認しに行くのでついてこい」

理由をつけて村の外に下士官たちを連れ出す。


村にいるのは、上級士官5人だけとなった。


 = = = = =


タコーは、下士官の出てきた建物に入ると数人の声らしい音とすすり泣きが聞こえてきた。

(遅かったか?)


音のするほうに行くと大部屋にたどり着いた。

見たくもない光景がそこにあった。


半裸の男たちが娘たちに覆い被さろうとしていた。

ある娘は鼻血を流し、ある娘は頬を腫らし、目を泣き腫らしている娘は、全裸に剥かれ呆然としている。


タコーは、頭に血が上る。

(あいつ、怒るかな)


「止めてもらえますか?」

タコーは怒りを抑えて声をかける。


不意の声に男たちが気が付き、注目する。

「お前は!・・・ふん、少し手柄を立てたからと指図するな。下がれ!」

千卒長は、タコーを妬みの含めて叱責する。


「止めてもらえませんか?」

タコーの怒り頂点に近づいていた。


ほかの士官が武器に手を伸ばす。


「出て行かんか!どんな伝手かは知らんが、異邦人の余計な口出しは許さんぞ」

脂肪で飛び出した腹を丸出しにしている千卒長は怒りまであらわにし、部下に目配せをする。


タコーはそれを見逃さなかった。

「これで最後です。止めてもらえませんか」

言い終わるかどうかのタイミングで、士官たちが抜剣し斬りかかってきた。

間違いなく斬殺される状況でそれは起きた。


それぞれの剣は、タコーの服に触れるか触れないかのところで止まった。

それから士官たちは何度も斬撃、刺突を繰り返したが、タコーを仕留めるどころか髪の毛さえ揺らせなかった。


「どうした?早く始末しないか!」

千卒長は状況が理解できなかった。

4人掛かりの攻撃をタコーは平然と受け止める。


タコーは手に持っていた研がれた円匙(エンピ)を士官たち4人の顔面に突き通す。

ばたばたと倒れる士官たち。


その様子を見て恐怖を覚えた千卒長。


「お、お前。この私に手を出すつもりか!ビ、ビリオネリラントに仇なすつもりか!」


タコーは残った1人を始末した。


「・・・これはタだの正当防衛だよ。リンカが悲しむからな」


 = = = = =


タコーは全裸の娘に自分の上着を脱いでかけてやった。


「キャー、兵隊さんが殺されたー、誰か来てー」

頬を腫らした娘がいきなり叫んだ。


「お、おい」

「ほら、みんなも、キャー、キャー。兵隊さんが殺されたー」

「あ、キャー怖いよー」

「「「きゃー。きゃー」」」

娘たちは、悲鳴を上げ続け、頬を腫らした娘がタコーを部屋の奥にある戸のところまで手を引いていく。


『どなたかは存じませんが、お救いいただき感謝いたします』

「君は聡明な娘だね。ご厚意に感謝する」

「感謝するのはわたしたちの方です」

いかがでしたか?


日本人だとこういうの憧れませんか?


次話をお待ちください。

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