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七話 自画自賛よね!!

「「「「美味しい!!」」」」











そうでしょう、そうでしょう。この世界では無いお菓子ですもの。最初は未知なる食べ物に躊躇してましたが、意を決して食べた我が家族達の感想です。


「何!?このパイとか言う生地!サクサクだし、一枚一枚層が出来てるし、中の林檎甘酸っぱくて凄く美味しい!!」


「中に薬草が入っているのかしら少し癖がある味がするわね…?でも林檎の味と上手く合っていてわたくしは好きだわ…」


「この薬草はもしかして風邪とかの時に処方されるシナモンかな?ふむ。菓子に使うとはまた斬新な考えだね」


「とても素晴らしいです。薬草を菓子に使うなんて発想は思い付きませんでした。革命的ですよ!流石ネモ様!!」


感想の順番はメリス兄様、お母様、お父様、スイバの順です。


因みにスイバはわたくしがまだようやく話が出来初めた頃にお母様とメリス兄様が拾って来た子です。全てに絶望し、回りは全て敵だと云う眼をしてました。余りにも痛々しく思わず駆け寄り(正確にはよちよちよじ登ったのですが)母親気分で慰めたのですが、今では家の家族同然でわたくしにとってはもう一人の兄の様な存在です。


さて、材料も一通り揃い厨房にてデュランや(パイの中身作り)カル(生地担当。正し、上手くバターを生地に折り込めず失敗。結局料理長に指示し完成)の手を借りてオーブンで焼きたてを只今試食として家族へ振る舞っている最中ですよ。因みにカルが作って失敗いた生地(と云っても層が無いだけで食べられない訳では無いので)でその生地を使い、他に幾つか作ったアップルパイの方は使用人達にもお裾分けしておきました。


「皆様のお口に合った様でわたくしホッとしましたわ」


控え目に言いつつ心の中では『もっと誉めて』と高笑いしております。何せこの世界、余り料理や菓子にハーブ類やとか使われないのですよ。使ったとしても精々肉や魚類の臭み取り程度。油も肉の油。折角オリーブとか有るのに薬や塩漬け位。その内オリーブオイルも作って料理に活用しなきゃ。他にも色々使い道が有るのに勿体無いわ。








試食も大好評で終わり、その後スイバ、カル、デュランを引き連れ只今私わたくしの御部屋におります。


「と言う事で!!早速現状報告を始めるわよ!」


「はっ?」


「了解」


「分かりました」



わたくしの一言でスイバとデュランは納得したけどカルは久しぶりに食べたアップルパイで満足して気が緩んでいた為状況を理解していない様子。するとデュランつかさず、


「あんた相変わらずお・ば・か・さ・ん❤」


お~と。米神こめかみにデコピンが行きました。あれは地味に痛い!!と思いつつ、おでこを押さえ、沈没しているカルにも分かるように、


「身辺調査報告と今後の方針の確認を今からするのよ。特にカル。貴方は12才になったら初等部に一番最初に入学するのよ?しかもゲーム開始時は高等部の最終学年。攻略者達と是非とも交流を深めて貰わなければ」


「あんた何の為にあたし達が勉強している魔法学の時間カミーリア様と剣の授業してるか分かっているの?ハマメリス様の授業もそうだけど今の内に親しくなって将来学園で攻略の邪魔する為に決まってるじゃない」


「まぁ…その為にデュランにも召し使い目線やスイバからも商会の仕事がてらに情報を収集して貰っているのよ。分かったかしら?」


「うぇ~…」


「商会と云えばネモ様。実はこの前旦那様に同行してハウル家の別宅へお伺いしたのですが…」


何処と無く困惑しながらスイバが切り出して来たその後の言葉を待っていると、


「ピンク掛かったブロンズのローズクォーツの瞳の子供に会いました」


その言葉に、


「何ですと?!」


えっ?大きくなってから男爵家に引き取られたとばかり思ってたのでその言葉に食い付きました。デュランとカルも驚いた様子で、


「「どう云うこと?」」


その後を促すと、


「…しかも、もう一ヶ所別宅が有り、同じ色彩の子供がもう一人居たのですが…」


「「「はっ?」」」


その言葉に流石のわたくしもビックリ!


「名前はリリーヤ様とアスセーナ様。どちらも男爵の愛人の子供で母親同士は犬猿。お互いに異母姉妹が居ると知らない様です」


「えっ?えっ??どっちがヒロインだ?!」


「名前から云えばリリーヤやの方じゃない?」


カルとデュランの話を聞きながら『あちゃ~…』と思いつつ、


「…残念ながら両方可能性有るわ…」


と答えると、三人とも理由知りたいらしくわたくしに目をやるので、


「英名だとリリー。スイバは知らないけどカルとデュランは分かるわよね?でもリリーヤはロシア語。アスセーナはスペイン語でどちらも百合なのよ。おのれ…男爵…面倒な名前を付けおって…」


後半はブツブツ言ってしまいましたよ。


「リリーヤ様は内気な方の様ですがアスセーナ様はかなり奔放的な方の様です」


「「と言うと?」」


わたしはまだ直接どちらとも話はしておりませんが使用人の話と旦那様がそう仰っておりました」


「記憶持ちの可能性は?」


「今の段階では分かりません」


「…そう…。取り敢えずスイバは其のままハウル家を。後ヤード家の情報収集もお願いするわ」


「では引き続き探りを入れておきます」


「お願いね。次にデュラン。何かコーザ家とモーナン家関係で情報は有ったかしら?」


「う~ん。有るって言えば有るかしら?ネモも分かっていると思うけどお兄様のハマメリス様は例えアマリリス様のとばっちりで学園を追われそうでも切り捨てないでむしろ自分も付いて行きそうな感じね…だって貴女が居ない時はかなり勉強に身が入ってなくて最近先生によく起こられていると聞いてるわ」


…分かっていたけどメリス兄様はわたくしが居ない時は駄目駄目らしい…。


「コーザ家の方は攻略対象のカミーリア様とアマリリス様は仲が悪いみたい。特に兄の方は意識して避けてるみたいね」


「そう言えば本人も『妹は苦手だ』と言っていたな」


「あらっ?じゃあ未だにわたくしがカミーリア様に会わないのは側にアマリリス様が居るからかしら?」


「確実にそうじゃない?後、たまに王太子が屋敷に訪れている見たい」


「そうなの?カルは其所の所は知っていて?」


「会話には出てるよ。中にはお互いの兄弟の事も話をしてるみたいだぜ?」


「其なら貴方は然り気無くシュトルゼ兄弟の事を聞き出して頂戴」


「王太子がと知り合う事は今現在滅多にないからな…分かった」


「其では今回はこれで終わりね。又新たな情報が上がり次第会合を開きましょう」


そう言うと各々各持ち場に戻って行った後残ったわたくしは今後の事に暫し考えを巡らします。


おいっ。男爵元気だな。本妻も合わせると三つ巴じゃん…。じゃなくて果たして子供二人は記憶持ちなのか…それとも片方が記憶持ち、又はどちらも無い可能性が有るわね…。どちらにしろ今の状況では判断できないわ。あ~誰かこのゲームに詳しい転生者見つからないかしら…。


取り敢えず明日の公爵訪問に向けて宿題のチェックしなければ…。


そして次の日…












(会っちゃったよ!!)


学園


初等部 12才から15才まで


高等部 16才から19才まで


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