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大悪女と呼ばれる天才魔術師

大悪女サラ、この名を知らぬ者はいないだろう。

私の生まれる20年前に起きた帝国の内乱はわずか10日で数千万の被害者を出し帝国を崩壊させた。

魔法使いが戦うというのはそういう事なのだ。

大悪女サラは旅芸人の娘として生まれたが、月の民という特別な民族だった事から差別の激しい土地であった帝国で両親は殺され、逃げ伸びた田舎町で血のつながらない祖母に育てられた。その町のある国もやがて帝国に吸収された。

帝国に恨みがあり、月の民の国を作りたかったサラは帝国に内乱を起こさせその混乱のうちに帝国の内部にあったエルフの国を奪ったのだ。

私の最初の師ドナは、そんなサラを命の恩人であり、最強の魔術師だと言う。

「あの子に私より3つ年下だった、私だって天才魔術師だともてはやされたものだけどあの子はそんなものじゃなかった。」ドナは強い語気でそう言う。僕は自分をいつも自分をよく抑えるドナしか知らなかったから少し面食らったがそれよりもう一つ気になる事があった。

「先生、天才魔術師って多すぎないですか?」

僕はさすがにもう気づいている。ちょっと才能があったらすぐおだてて天才と言われるのだ。先生も苦笑している。

「先生はホントに天才だったわよ。帝国には同学年に1000人位魔術師がいたけど、100人位は天才だって言われてたみたいね。10人に1人なんだから十分よ。だけどサラは本当にすごかった。世界でも屈指の魔術師が慎重に準備して仲間と計画を立ててやっとの事でとおり抜ける大魔境の呪いをねじ伏せていた。それをサラに率いられ100人が無事とおり抜けた。先生もそのうちの1人で他も一流の魔術師だったけど、率いるのがサラでなければ半分は死んでいた。それに優しい子だった。あなたも世間の噂に流されちゃだめよ。あなたならいつかサラにも会えるかもしれない。その時ちゃんとサラを 見て判断してあげて」と言った。


後に僕の友人になる人達は探検家として活躍する中で何度かサラに出会った事があり、素敵な人だと言っていた。タリアに匹敵するほど若く成長が止まり、月の民特有の赤い瞳を持つ綺麗な女性だと言う。俗説を信じるならタリアに匹敵する才能の持ち主という事になるが俗説は俗説であり、信じるか信じないかは会ってから判断するべきなのである。



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