過去
結局平間君のベッドで寝てしまったらしい。
気付くと辺りは真っ暗になっていた。
向かいのミー子の部屋は、競馬場や巨大パチンコ、ソープのネオンでブレードランナーみたいな夜景になるが、平間君家の方は多摩川に面してるので遠くに東京の夜景と羽田空港の明かりが見えるが手前は大きな川なので暗い。
そして微かに虫の音もする。
クロは高級カリカリに舌鼓をうってるようだ。
ミー子がお高いの買ってあげないのできっと知らなかった味なのだろう。
平間君への懐き具合が悲しい。
今もミー子の頭の方ではなく平間君の頭の横に戻って来てテチテチしてる。
そう言えば、最初に作った桜餅カード使ってないなあ〜と思い出す。
元旦那とはアレがないと関係が成り立たなかった。
が今は無くても自然に関われている。
元旦那もミー子も仕事人間で普通の人間らしさみたいなのが欠如しているタイプだったのかも?
私達は命令されて動く。
自発的に動いたり疑問を持つ事はない。
なので起動スイッチを入れられるまではポケーっとした人間が多い。
男はパチ屋に入り浸り、女は…パンイチでダラダラ寝て過ごすような自堕落女だ。
警官が男100に女1だから、ミー子の部署は見回しても女見たことないので分からない。
元旦那も幹部だが大差ない。
結婚したのは、友達が次々するしミー子の周りで唯一セクハラしない人だったからだと思う。
それ以外思い至らない。
そして結婚して程なく、なぜか旦那の部署に配属された。旦那に聞いたら反対したらしい。
だいたいパートナーとは同じ勤務にならないようにするのが決まりだ。
もしかすると妊娠したらどうせ辞めるから、お試し的な配属だったのかも?
長年留置だったが、突然人事本部に呼び出された。
なぜか人事課長が1人で皇居を眺めていた。
「僕のさ…AVがどう隠しても嫁に見つかるんだよ。
君ならどこに隠す?」と急に冒頭言われた。
『初対面なのに、なんなんだ?この人?セクハラかい!』
と腹立たしかったが、用意された椅子に座りながら
「隠すから見つかるんじゃないですか?」と答えた。
「どういう意味?」と聞かれたので、「ビデオコーナに並べて置けば良いんですよ。自分の講演会の記録として。」と答えた。
良く知らないが人事の偉いさんなると言う事は警察の要だ。警視総監に代わってこなす仕事も多いはず。
地方警察への挨拶回りも代理する事多いだろう。
自分大好きなら記録して残す人もいるだろう。
そういうビデオは、1番嫁が興味ないモノになる。
多分一生見ることはない。絶対にだ。
「…つまり、妻は僕の話が1番興味がないと?」人事の偉いさんが苦笑する。
「はい、絶対に見つかりません!」自信をもってセクハラのお返しさせて貰った。
おかげで公安に放り込まれた。




