受験壮行会
2月の始め、受験壮行会が厳粛に行われる。
校長の挨拶に続き、壇上に伝統の派手な刺繍の団服を着た応援団が上がる。
長ランにボンタン…おそらく、ある意味、本気で骨董品。
クリーニング代が高そう…
使ったら毎回ファブ○ーズしているのだろうか
応援団演舞を鑑賞し、応援団と在校生の声援を受け退場する。
応援団が活躍する場は、中体連の準決勝戦と決勝戦、体育祭、そして受験壮行会。
3年生は受験壮行会が終われば、今日は帰宅となる。
会場を出たところで、顧問に声をかけられた「後輩たちの事が気にならないか?」
講堂の隣の準備室に入る。生徒総会のモニターが流れている。
要、関口君と一緒にモニターを見守る。
「リコール請求が続いたから、先輩達も気が気でなかったようだよ」と顧問が話す。
「あれは嫌ですね。苦労が報われない気分になります」と愚痴をこぼしてしまう。
「まあ、無関心よりはマシだよ。去年、一条は冷静に答えていたよな」
「先輩達に3年間やり遂げると約束していましたから、あの程度の事で潰れるわけにはいきません」
「不純な動機もお前ぐらい極めると、純粋に思えてくるよ」と顧問が笑った。
「不純な動機?」と要に訊ねたところで
「また来たな。人は与えられた権利を使ってみたくなる生き物なのかもなあ」と顧問が呟く。
リコール請求に、硬い表情になる役員達がモニターに映っていた。
いや、よく見るとまじめな顔をしているのは2年生だけで、
鳳君は冷たい微笑みを浮かべ、織部君もニヤリと笑い、柳生さんがストップウォッチを作動させた。
「あいつらもしかして…」と関口君がゲラゲラ笑っている。
結局リコール請求を出した割には、たいした理由が出てくることもなく
リコール請求は5分で棄却された。
今年度の実績と決算の発表、来年度の計画と予算を提示し、
生徒の了承を得て会は終了した。
生徒会役員が出てきた。
疲れた顔の2年生に労う言葉をかけると、彼らがほっとした笑みをこぼす。
「どっちが勝ったんだ?」と関口君が聞くと、鳳君がニヤリと笑った。
柳生さんに聞くと「リコール騒ぎが解決する時間を賭けてたんです、鳳君が5分以内。織部君が5分越え。負けた方が勝った方にうちの店のカツレツ定食を奢る約束。
どちらにしても、うちの店の利益になりますし…」
「こら!中学生が堂々とギャンブルするな!」と顧問が出てきて叱った。
「それにしても、もう少し頭の良い意見をもってきてほしいよね」
と鳳君が冷笑する。
「この時期にリコール騒ぎを起こす奴は、内申稼ぎに必死な奴らだからな」
と織部君がニヤニヤしながらいう。
「内申点と生徒会活動の労力?割に合わないのに、おバカねぇ」
と柳生さんがオホホと笑う。
「1年生が黒すぎる!」と新会長が嘆いていた。
「大丈夫だよ。お前ならこいつらをうまく操縦できる」と要が黒い笑顔で微笑む。
「上も下も黒すぎる!!」と涙目の新会長を見て、関口君がゲラゲラ笑ってた。




