修学旅行
3年生の文化祭は修学旅行の京都奈良を題材にした展示発表。
これ、伝統行事なのかと思ってたら、私たちが1年の頃の3年生からだという。
「中学生が普通に神社や寺を見ても面白くないでしょ」と言って、
会長が提案したらみんなが乗ったと言うお話。歴史は超浅かった。
話は4月にさかのぼる。
毎年、3年生の4月に修学旅行委員が招集される。
日程表や注意事項をまとめたしおりの作成を行う。
しおりについてはほぼ前年度の焼き直しであるが、
注意事項には「いや~これは無いでしょ」と思う物もある。
「公共の設備に落書きをしない」
「たばこやお酒の持ち込み禁止。シンナー遊びやボンド遊びをしない」
「おやつにバナナは含まれるがバナナの皮をポイ捨てしない事」等
「こんな注意事項が必要なんですか?」と顧問に聞いたら
「半分は冗談だが、半分以上は本気だ」とニヤニヤ笑って言った。
修学旅行委員の主な仕事は、文化祭の展示の題材決めである。
2度目の修学旅行委員会が終わった後に、報告に来た委員長が渋い顔をして言った。
6組が”展示なんて面白くない。お化け屋敷の方がよっぽど楽しめる”と訴えて、
委員会の雰囲気が悪化しているという。
塾通いの内職組が多いクラスだ。準備に時間がかかる展示を嫌がる事は予想されていた。
6組の修学旅行委員を確認したら、眼鏡美少年とヒロインだった。これ面倒な展開。
関口君が「希望通りお化け屋敷をやってもらおう。京都風お化け屋敷って事にすれば?」
と助け船を出す。
3回目の委員会で、1~5組は展示、6組は京都風お化け屋敷でいく方向となった。
顧問が提案内容をみて「大変だったな」と委員長を労っていた。
決まってしまえば後はやるだけだ。1組は清水寺にスポットを当てた。
修学旅行前に、グループに分けて事前調査を行う。
丸一日の自由散策時間、1組は清水寺の見学に時間を多く割いた。
グループで調べた内容を教えあいながら見学する。
通りかかった他のクラスの人も、後ろから話を聞いて面白がっていた。
他の観光スポットで、調査担当のクラスに当たった時には、私達も楽しませてもらった。
奈良の自由散策時間は、春日大社、東大寺、平等院をぐるっと回る。
渡辺さんと「夏も良いけど秋の紅葉の時期に来たかった」「秋に旅行に来たいよね」
と言いながら風景を楽しむ。
茶屋でみたらし団子を食べていたら、要に「これ以上食べると育ちすぎる」と言って半分とられた。
「酷い」と怒ったら、要が食べていたきなこ団子を半分、分けてくれた。
「毎回思うんだけど、育ちすぎるって何が?」と渡辺さんに聞かれた。
2人で「腕肉!」と言ったら、「ああ肩ロースか」と関口君がコメントした。
渡辺さんが「ドレドレ」と二の腕をモミモミして、ニヤリと笑い「出荷が楽しみだね」と言った。




