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年度末の

今年も合同空手寒げいこに参加した。来年の正月は受験前。

寒げいこへの参加も今年が最後と思ったら気合が入った。

寒稽古の後は、要と一緒に初詣に行き、今年もおみくじの見せ合いっこをする。

要は大吉、私は吉。要のおみくじに女難の文字が無いか探していると、

「麗子、毎年毎年何を考えてるんだ?」と要が黒い笑顔で聞いてきた。


年度末の生徒会は地味だが手の抜けない仕事が続く。

今年度の決算、来年度の予定を上げて行かなくてはいけない。

しかも来年度は創立20周年。式典が増えるし、行事も例年より派手になる。

「優しく叱るって難しい」と今年も悩む。

部活勧誘、やる気がありすぎる。

理科実験部、外で劇薬使うな。スライム披露に留めよう。

料理部、作ったお菓子を配るのは保健所とPTA的にダメ。

バレー部、ジャンプ競争…成長期にムダに膝を痛めないで!

柔道部、人の多い場所での練習試合は危ないからダメ。

ある意味母の気分である。納得行くまで繰り返し話し合う。


そんなこんなで迎えた生徒総会、今年もリコール請求が来た。

要がリコール理由を一つ一つ確認していく。

眼鏡美少年が立ち上がり、理由を述べた。

・役員候補の選出が本人の意思でなく、上級生からの指名である。

・選挙の票をいじり、生徒の意見を反映していない。

・生徒会役員が生徒に対して傷つけるような発言をして、やる気のある生徒が実行委員会の参加を取り止めた。

・生徒の自主性を妨げる行為をする。


最初の役員候補の選出について、要が述べる。

「上級生の指名が多いのは事実だが、本人の意志も優遇される。

その証拠が俺だ。俺はやり遂げるから自分を選べと先輩達に売り込んだ。

逆になぜ君はそうしなかったんだ?」と静かに言った。

(え?そうだったの?)とビックリ顔の私を見て、要がにっこり笑った。


「選挙については選挙管理委員会に一任しているね。前回の選挙管理委員会は出てきてくれる?」と要が続けた。

選挙管理委員会が出て来て、委員長が「不正の事実は無い。開票作業は必ず二人一組で間違いがないように行っている。不正をする理由がない」と言い切った。


「委員会の参加をやめた生徒はどんな事を言われたのかな」と要が続ける。

「体育祭実行委員会の時にあっちにいけと、橘先輩に言われました」とヒロインが言う。

「体育祭当日に遅刻し実行委員の仕事を蔑ろにした事を不問に処して、実行委員の集合場所に早く行くように指示しただけだ。責められる理由は無いと思うけど」と要が答えた。


「生徒の自主性を妨げる行為はどういう事を指すのかな」と要が続ける。

「部活勧誘で料理部がお菓子を配るのを禁止したり、体育祭のフォークダンスの意見をまともに取り合わないで却下しました。」とヒロインが訴える。またお前か…という雰囲気になる。

「料理部が作った物を外で配るのは衛生的に問題がある。そもそも料理部の活動は、家庭科の授業の延長で教師の指導の下、その場で調理して食べるから許される。作った物を、外に持ち出して関係ない人に食べさせるのはおかしいよね。フォークダンスに関しては周囲の表情を見た方が良いと思うよ」と要が反論した。


バレー部の部長が挙手をして「バレー部の案も却下されたが納得いくまで生徒会と話し合った。自主性を妨げられたとは思っていない」と意見を述べた。

理科実験部と柔道部の部長が肯いてるのが見えた。

辛かったけど頑張って良かったと思ったら、涙が出てきた。


「意見を出し終えたね。さあリコール投票をしようか」と要が不敵な顔で笑った。

リコールは圧倒的多数で成立しなかった。

その後は今年度の実績発表、来年度の予定と予算案を出して無事、生徒総会が終了した。


外に出ると前生徒会の先輩達が待っていてくれた。

泣いている私を見て、前会長が「支えてくれる仲間がいるって良いだろ」とニヤリと笑った。


先輩達を卒業式で無事送り出して、今年も一年が終わった。

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