0026[本の紹介] マネー 世界を動かす”お金”の魔力
懐古主義ではありませんが、35年ほど昔のメディアは良質の番組を
作成・放送していました。今では見る影もありませんが・・・
放送局にとって、視聴率が絶対的な価値判断になりました。
其々のセクション(報道・芸能・ニュース・その他)に分けられていた
番組を纏めて放送するようになり低俗化が進行しました。
専門的な内容を大衆向けに解りやすく啓蒙していた人たちが
否定・駆逐されてしまった結果とも言えます。
当時はまだ、番組の棲み分けがありました。
世界中のテレビ放送局とタイアップして作成した書籍です。
一種のメディアミックスの形とも言えます。
表題 ザ・マネー
副題 世界を動かす”お金”の魔力
THE MIDAS TOUCH
著者 アンソニー・サンプソン
訳者 小林 薫
出版年 1990年
出版社 テレビ朝日
経済が絶頂期である1990年に出版されました。
俗に言うバブル経済が弾けるまえの時代(黄金期)です。
現在の書店で並ぶ所謂 [投資テクニック] と違い、「歴史的に見て
[お金] と言うものは何か。」・「未来は [お金] によってどのように
なるのか。」ということが提言も含めて書かれています。
最初のお金を現代の宗教に見立てたのは、斬新でした。
当時の考えで、今はあまり聞かれなくなった「南北格差」についても
載っています。グローバル化の黎明期であり、「それまで続いていた
大量生産の社会が、そのまま数十年後も同じようにした場合
世界はどのようになってしまうのか。」と当時の価値判断に
対する苦言を呈しています。
日本語の書籍では読み手にあわせている為、日本に関わる項目が多く
割かれています。そのため、当時の社会状況が良くわかります。
英語での副題は、[ THE MIDAS TOUCH ] です。
[THE MIDAS TOUCH] は、ギリシャ神話にある逸話です。
「普段から黄金の好きなミダス王がいました。神に願いを叶えてもらい、
手にするものが全て黄金に変わるようにしてもらいました。
最初はハイテンションで見る物全てを黄金に変えて満足していたのですが、
食べる物も・飲む物も黄金に変わってしまい、空腹になってしまいました。
ミダス王は、元に戻してもらうよう神に願い受け入れられ普段の生活に
戻ることが出来ました。」
本来の物語は諺で言う「過ぎたるは及ばざるが如し」と同様のニュアンスです。
しかし、英語での[ THE MIDAS TOUCH ] はお金儲けの意味として
一般的になっています。
話が変わりますが、少し前の [ 金持ち父さん、貧乏父さん ] の書籍でも
副題として、[ THE MIDAS TOUCH ] が使われています。
この本の中で気に入った表現は、「経済は加速するエスカレータであり
乗れなかったものは置いて行かれる。」です。この表現は、現在でも
当てはまります。「こんな労働は嫌だ。好きな仕事をする。」と言っても
自分にその能力がなければお話になりません。
能力を上げるか、納得するかは個人によって変わります。
しかし、行動しなければ何も変わりません。




