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スピンオフ:兵士さん編② ―『勇者なんて柄じゃないので』より―

本作は、本編第6話に登場する「兵士さん」のスピンオフです。

時期としては、本編第8話

兵士さんが、同伴者に奴隷を選んで参加した“2回目の遠征クエスト”で、

その際にエルフさんが拠点の“端っこ組”に加わった直後の、とある一日を描いています。


真面目で寡黙──そんな印象の兵士さんですが、

彼の“ちょっと意外な姿”を知ることができるかもしれません。

スピンオフ:兵士さん編② ―『勇者なんて柄じゃないので』より―


ー兵士さんが同伴者に自身の奴隷を選んで2回目の遠征クエストー


前回初めて奴隷を連れて遠征クエストに臨んだ時は私も不安だった。

"彼とフェイちゃん"は、参加していないかもしれない...と

だが2人の姿を見た時には私も安堵したものだ。

奴隷を連れて初めての遠征クエストこそ不安だったが

2回目の今回は不安よりも

"あの2人に会える"という喜びと楽しみの方が大きかった。

今回の遠征クエストも4人で力を合わせて

順調に戦い続ける事ができた。

5日目に弓使いのエルフさんが声をかけてきた。

私も1人で戦うのは本当に苦労した。

この方も苦労したのだろう...

6日目以降は、3人で戦場を共にした。

また1人戦友が増えたので喜ばしいことだ。


遠征クエストが終わって2日後


遠征クエストの疲れを取るために

しばらく家で休息に努めていたのだが...

「・・・いかん!体が訛ってしまう!

 私は冒険者ギルドに行ってくるぞ!」

「いってらっしゃいませ、ご主人様っ!」

休息のし過ぎはよくないと思ったのだ。

簡単なクエストを受注して、少しでも体を動かそう!

体が訛ってしまったら、クエストで命を落としかねない。

今の私はそれだけは避けなければいけない。


ー冒険者ギルドー

何か手頃なクエストは無いか...?

と、クエストボードを確認する。


「クエスト名:門の警備」

クエストランク:D

概要

共に門の警備に励んでくれる冒険者を募集中!

初心者冒険者でもお気軽にどうぞ!


クエストランクはD。

体慣らしにはちょうどいいだろう。

私はこのクエストを受けることに決めた。

「受付嬢!このクエストを受注させてくれ!」

「かしこまりました。

 依頼者から地図を預かってますのでお渡ししておきますね。

 地図に描かれた赤い丸マークの場所が依頼者のいる門です。

 頑張ってくださいね!」

「ありがとうございますッ」

私は地図を片手に、目的の門へと足を進めた。


門へ到着し、まずは大柄な門兵隊長のもとへ挨拶に向かった。

「応!お前さんが依頼を受けてきた冒険者だな!」

「本日はよろしくお願いしますッ」

周りを見ると他にも数人、冒険者の姿が確認できた。

「オラ!お前たち!気合を入れて東門の警備に励むんだ!」

「応!」


高台から見張りを続けると魔物の姿を捉えた。

「隊長!魔物を発見致しました!」

「1匹たりとも門には近付けるな!」

「応ッ!!」

魔物一体一体はさほど強くない。

だが、数が多すぎる...。

倒しても倒しても、森の奥から新たな群れが現れる。

門兵隊長から指示が出る

「皆!門まで退けィ!」

魔物と戦闘していた者達が一斉に門まで退く

「大砲 撃てィ!!」

爆音と共に大量の魔物が宙を舞う

爆音に驚いたのか、森に近い魔物は引き返していった。

「残った魔物を倒すんだ!1匹たりとも街に入れるなッ!」

「応ッッ!!」


魔物を倒し終えると、しばし休息を頂いた。

その後は魔物が襲撃してくることもなく

無事に警備を終えることができた。

「本日は、よくぞ!東門の警備の依頼を受けてくれた!

 諸君らの活躍で、本日もこの街の平和は保たれた!

 機会があれば、また東門の警備の依頼を受けてくれたまえ!」

「ありがとうございましたッ!」

私はクエストの完了報告をするため

冒険者ギルドに戻ることにした。


ークエスト終了後 冒険者ギルドー

「ただいま戻りましたッ」

「兵士さん。おかえりなさい!」

「無事に、"東門の警備の依頼"。完了しました!」

「...え?」

「どうなさいましたか?」

「兵士さんが受注したクエストは、"門の警備"ですよね?

 地図の赤い丸印の門で、警備の指示を貰うはずですが...」

「...?地図の通りに、"東門で"警備しましたよ?」

「...???兵士さんが受けたクエストは"西門の警備"のハズですが...」


なんと兵士さんは重度の方向音痴であった...。

東門の警備のクエストランクはC

西門の警備のクエストランクはD

東門は魔物の襲撃が多く、

東門の警備は常に冒険者を募集していたので

無事にCランクの報酬を貰って帰路につく兵士さんなのであった。



ーその頃 西門ー

門兵隊長はベンチで横になっていた。

「あぁ~暇だなぁ...

 やりたい人がいたらどうぞって感じで依頼出したけど、

 やっぱり、だぁ~れもこねぇやw

 東門と比べてこっちは、何もやることねぇからなぁ...」


日向で猫が昼寝していて

西門は平和そのものだった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

兵士さん編①と②を通して、

彼のポンコツながらも憎めないキャラクター像が、

少しでも伝わっていたら嬉しいです。

今後のスピンオフでも、いろいろな角度から

世界や登場人物たちを描いていけたらと思っています。

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