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ロジック  作者: なかじまこはな
135/135

君と手を繋ぐ未来10

「うーん、気になるって言うかほっとけない…可愛い方かな?」


朗が気になる女性の話をする事に華は泣きそうだった。


「何?どうしたんだよ?ほら、皆、写真撮ってるぞ?」


遠くでそれぞれに写真を撮っている。


「鈍感…」


そう言うのが精一杯で、好きだと言えない自分に情けなくて涙が出る。


「あ~また泣く、泣き虫…だからガキだっつーの」


朗は華の手をギュッと握る。


「だからほっとけないんだよ華は、すぐ泣くしさ、バーカ!気になるのはお前だよ!」


片方の手で頭を撫でられ華は驚いて顔を上げた。


「お前、化粧取れてるぞ、全く」


朗は微笑む。


「何て言ったの?」


鼻声に近い声で聞いた。


「なんかさ、華が凄く気になる…一緒に居て退屈しないしさ……側に居てくれると安心する」


「それは…アタシが好きって事?」


「悪いか?」


偉そうに答える朗に華はようやく笑う。


「そうやって笑ってろ!笑った顔が華は1番可愛いんだから」


華はぽろぽろと涙を流し頷く。


「……ほんと、泣き虫」


朗は華の頬を触り涙を指先で拭う。


「泣き虫なとこも好きだよ華」


優しく微笑まれて華は更に大粒の涙を零す。


「華は?」


分かっているくせに聞く朗。態度では分かっていても言葉ではまだ聞いていない。


「……すき……です」



涙でぐしゃぐしゃな顔で告白されて朗は華を抱き締めた。


「もうすぐ給料日だから、どっか行こう…何かおごるから考えてろよ」


「うん…何でもいいの?」


「いいよ」


「フルコース」


「却下!」


「焼肉」


「却下」


「お寿司」


「却下」


「もう、じゃぁどこならいいの?」


朗は考えて、「ロジック」と答た。


「なによ、それじゃぁ、いつもと変わらないじゃない」


華は笑った。


華が笑う…今はそれだけで幸せになる。


この小さな手をずっと未来も離さないでいたい。


そう思う。


未来で待っていてくれたのは泣き虫だった華だ。


二人手を繋いでマキコの元へと歩く。



ずっと、ずっと…未来もきっと…。







完結

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