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俺の恋愛フラグ、全部百合に吸われてない?  作者: 星恋 hosiko


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17/22

このパーティ、たぶんもう運命共同体

今回はかなり大きめの戦闘回です!


ついに来ました、

巨大蜘蛛ボス。


レンはたぶん、

人生で一番頑張ります。


あと三人の連携、

かなり完成形に近づいてきました。

 翌朝。


 護衛隊は予定より早く出発していた。


 理由は単純。


「夜盗蜘蛛、また出るかもしれないからな」


 護衛の冒険者が言う。


 たしかに。


 昨日の数、

 普通じゃなかった。


 空気もどこか張っている。


「レンさん、眠くないですか?」


 フィアが歩きながら聞く。


「ちょっと眠い」


「見張り交代すればよかったのに」


「いやまあ、平気平気」


 すると。


 ミアがこちらを見る。


「……平気って言う時、だいたい平気じゃない」


「信頼度低くない!?」


「積み重ね」


 反論できない。



 街道は徐々に狭くなっていた。


 森の奥。


 木々が濃い。


 嫌な感じだ。


 その時だった。


「止まれ!!」


 前方の護衛が叫ぶ。


 同時に。


 地面が揺れた。


「え?」


 次の瞬間。


 ズドォン!!


 木々を突き破って、

 巨大な影が落ちてきた。


「うわっ!?」


 馬車が揺れる。


 悲鳴。


 土煙。


 そして。


 そこにいたのは。


 巨大な蜘蛛だった。


「でっっっっか!!」


 無理!!


 普通に無理!!


 家くらいある!!


「《クイーンスパイダー》……!」


 護衛の一人が青ざめる。


 女王蜘蛛。


 嫌な予感してたけど、

 最悪が来た。


 しかも。


 周囲の木々。


 糸が張り巡らされている。


「罠かよ……!」


 蜘蛛が咆哮する。


 小蜘蛛たちが一斉に動き出した。


「レン、右!」


「了解!」


 俺は風魔法で駆ける。


 小蜘蛛を引きつける。


 でも数が多い。


 多すぎる。


「うわっ、キモっ、近い!!」


「文句言いながらちゃんと戦うのすごいですね!?」


 フィアの補助魔法が飛ぶ。


 身体が軽くなる。


 俺は一気に加速し、

 蜘蛛を蹴散らした。


 その間。


 ミアが女王蜘蛛へ突っ込む。


 速い。


 けど。


 硬い。


 剣が弾かれた。


「っ……!」


「ミア!」


 蜘蛛の脚が振り下ろされる。


 避けきれない。


 その瞬間。


 俺は考える前に走っていた。


「レン!?」


 風を纏う。


 加速。


 俺はミアへ飛び込んだ。


 ドンッ!!


 衝撃。


 二人まとめて地面へ転がる。


 直後。


 蜘蛛の脚が、

 さっきまでいた場所を叩き潰した。


「っは……!」


 危な。


 今の普通に死ぬやつ。


「レン!」


 ミアが息を呑む。


「平気!?」


「今聞く!?」


 でも。


 その顔。


 かなり焦ってる。


 珍しいくらい。


「レンさん下がってください!」


 フィアの声。


 白い魔法陣が広がる。


 光。


 温かい。


 その瞬間。


 ミアの剣が、

 銀色に輝いた。


「――行く」


 低い声。


 風が走る。


 ミアが消えた。


 次に見えた時には。


 女王蜘蛛の頭上だった。


「はぁぁっ!!」


 一閃。


 凄まじい斬撃。


 硬い外殻が割れる。


 蜘蛛が絶叫した。


「レン!!」


「分かってる!」


 俺は風魔法を最大まで使った。


 加速。


 跳躍。


 そして。


 ミアの開いた傷へ、

 全力で剣を叩き込む。


「うおおおおっ!!」


 衝撃。


 悲鳴。


 次の瞬間。


 巨大な蜘蛛が崩れ落ちた。


 静寂。


 誰も動かない。


 そして。


「……勝った?」


 俺が呟いた瞬間。


 護衛隊が歓声を上げた。


「やったぞ!!」


「討伐した!!」


 空気が一気に弾ける。


 俺はその場へ座り込んだ。


 疲れた。


 マジで。


 すると。


 フィアが駆け寄ってくる。


「レンさん!!」


 その後ろからミアも来た。


 二人とも、

 本気で心配してる顔。


「怪我は!?」


「腕見せて」


「いやだから今休ませ――」


 フィアがぎゅっと俺の手を掴む。


 ミアは黙って隣へしゃがみ込む。


 距離が近い。


 近いけど。


 今はなんか、

 嫌じゃなかった。


「……ありがと」


 ミアがぽつりと言った。


「助けてくれて」


 その声が、

 少し震えていた。


 フィアも小さく頷く。


「レンさん、いなくなったら困ります」


 まっすぐな言葉だった。


 俺は少しだけ目を丸くする。


 それから。


 なんだか照れくさくなって笑った。


「そりゃどうも」


 すると。


 後ろで護衛の冒険者がぼそっと言った。


「もう恋愛とか通り越してるな、あれ」


「運命共同体って感じ」


 ……いやほんと、

 それかもしれない。

第17話ありがとうございました!


クイーンスパイダー討伐でした!


レン、

ついにミアを助ける側へ回りましたね。


最初は

「守られる初心者」

だったのに。


今ではちゃんと、

三人の戦力として並んで戦えるようになっています。


そして今回かなり大事なのが、

ミアとフィアが“レンを失うこと”に本気で怯えていたこと。


恋愛感情とは違う。


でも、

絶対にいなくなってほしくない存在。


レンはもう、

二人にとってそういう相手なんですよね。


あと最後の

「運命共同体」。


これ、

かなりこの作品の核心に近い言葉かもしれません。


恋人だけじゃない。


家族だけでもない。


でも、

三人じゃないと成立しない関係。


次回は護衛任務完結編!

少しご褒美回っぽくなります。

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