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テト  作者: 安田丘矩
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目立ちたがり屋は邪魔になるので下がってなさい

ここ最近作品の進捗が芳しくなく、時間が空いてしまい申し訳ございません。

体調不良のため少し早めに就寝したり、休日は外出が多く中々手をつけれていませんでした。

いろいろことが重なって手一杯になってるなぁ。

これは春のせいなのか・・・。まぁ新年度になるからなんだけどね。

来月くらいになればだいぶ楽になってくるので少しペースダウンさせていただきます。

楽しみに待ってくださる皆様のためにも時間を少しでも裂きながら続きを書いていきたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

翌日。いよいよファナレスタ王女がこの城にやって来る。使用人たちは来賓を持てなす段取りとスケジュールの打ち合わせを行い、そしてヒルマとオスカーとゲンキは訓練場で起こるトラブル(演技練習)の動きの確認を行っていた。


「ゲンキは拘束魔法に拘束されているのだぞ。もっともがけ。そして、鬼気迫るようにオスカーに向かって行け。」


ヒルマの熱烈な指導にゲンキは困りながら問いかけた。

「鬼気迫る?」


「おまえは基本マイペースだからな。咆哮をあげて威勢ある感じで。」


「うー・・むずかしい。」


オスカーは口をはさんだ。

「ヒルマ様。ゲンキには無理です。もともと、鈍感さからなる圧倒的な強さです。多少の痛みなど感じることなどありません。」


ヒルマは人差し指を振ってオスカーに返した。

「おまえは分かっていない。役者はやったことない、経験したことないこと、そして、その当事者ではない者をあたかもその人物になりきる。そう嘘をつくようなものだ。」


「そういうものなのでしょうか・・・。」


二人のやり取りにゲンキが勢いよく言った。

「わかりました。ヒルマ様。がんばる。」


「そうだ。がんばるんだ。」


「ヒルマ様。ゲンキにいつも甘いと思います。」


「そんなことはない。だがゲンキは特別だ。」


「・・・。では私は?」

オスカーはヒルマが何を言うのか期待した。


「オスカーは優等生すぎる。だから、今回の役は適任だ。」


「それは褒めているのですか?」


「もちろんだ。そういう配役も必要なのだ。」


オスカーはそれ以上ヒルマに追及するのをやめた。


そして、最初から通しでやることになり軍兵含めて持場に着いた。ゲンキは猿ぐつわと鎖をまとい軍兵に引っ張られながら連れて来られた。しかし、


「ちょっと待て。軍兵集合だ。」


ヒルマに止められて軍兵たちは動揺しながらヒルマに近づいて行った。


「貴殿たちは軍兵であろう。全然、敵を拘束して連れてくる緊張感がなってない。下手したら拘束を解かれるかもしれない。そなれば一大事だというのにそんな鎖を引いて連れてきましたでは迫力に欠ける。それにゲンキ。もっともがきなさい。」


ゲンキは困りながら言った。

「人間吹っ飛んじゃう。」


「そういうことか。なら軍兵たちよ。本気で魔法で拘束しろ。そうしなければゲンキはもがくこともできぬ。」


軍兵たちは戸惑いながらヒルマの命令に応じた。軍兵の魔導士たちはゲンキに拘束魔法をかけたがゲンキは苦しそうなそぶりも見せず茫然としていた。


「ゲンキ。魔導士たちにも限界がある。やはりお前が演技してもらわないと厳しいぞ。」


ヒルマの指摘にゲンキは応えた。

「うーん。やってみる。」


ゲンキは大きく息を吐いて「うぉおおおおお!!!」と叫び声をあげた。

その声に周りの軍兵たちはひるんだ。


「威勢は良し。ただ、声をあげているだけだ。もっと、表情と動作を加えて。」


「ヒルマ様。ゲンキが暴れられるように人間に支援魔法をかけてケガをしないようにすればいいのではないでしょうか。」


オスカーの提案にヒルマはハッとして言った。

「そうかその手があったか。」

ヒルマは早速軍兵たちに支援魔法を唱え、軍兵たちは魔法が宿る温かい感覚に驚いていた。


「よし、ゲンキ・・・派手にやれ。」


「わかった。」


ゲンキは再び雄叫びを上げ、そして腕を大きく振り回し軍兵を振り払った。軍兵

たちはゲンキの攻撃をくらい吹っ飛んでしまったが怪我なく無事だった。


「うん。臨場感は伝わった。この調子で・・。」


「ヒルマ様!」

一人の役人が慌てて駆け寄ってきた。

「大変です。パタリオスの王女様を乗せた場所が間もなく到着します!」


ヒルマは不満そうな顔をして言った。

「今いいところなのだが。」


「いいところ?オスカー様早くお出迎えの準備を。」


オスカーは役人と一緒に城門へと向かった。軍兵たちも訓練に戻り残されたゲンキとヒルマは渋々王女が訓練場に来るまで持場に戻って行った。

だが、ヒルマはパタリオスの王女と特使の様子が気になり隠れて覗き見ることにした。


ちょうど城内の応接間に案内されたパタリオス一行を部屋の天井裏に忍び込みヒルマは様子を伺い始めた。


「なんで俺もなんだ。」

そして、アルヴァンも同行させられていた。


「まぁ堅いことを言うのでない。貴殿も気になるであろう。」


「微塵も。」


「つれないな。もう少し敬ってくれても良いのだぞ。」


「そもそも、ヒルマの配下に所属していない。」


「我が配下になった場合、福利厚生は手厚いぞ。そして、給料も高い。」


「急に現実味を出すな。本当に魔王の言うことかよ。」


「ほれ、話し合いが始まるぞ。」


オスカーが応接間に入ってきた。

「皆さま待たせてしまって申し訳ございません。」


「いえ、こちらもちょうどいい時間でしたよ。」

ファナレスタは笑みを浮かべて応えた。


オスカーも席について話し始めた。

「では、まずは以前からお話ししている交易の件から。穀物の年間の供給量とその買取額ですね。」


「はい。パタリオスではここ一年で大型魔物の討伐が向上され道路等のインフラ整備を進めております。それにより物流も盛んになることを見込んでまずは各都市への食糧の貯えを持たせたいと考えております。」



しばらくお堅い話が続きヒルマは次第に飽き始めていた。

「つまらぬ。」


「当り前だろ。お前が外交の話はオスカーに任せたぞって言っていただろう。」


「オスカーが至極真っ当に責務をこなしていたとは驚いた。だが、非の打ちどころもないのが悔しい。」


「・・・。めんどくさいぞ。」


「魔王に向かって何を言うか!」


「声が大きい!絶対下にいるオスカーは気づいているだろ。」


「失敗した。我が初めに出て行くべきだった。」


「それをやったら、交渉でなく脅しになってしまうだろうな。」


「なぜだ。」


「急に王が変わりました。その正体は魔王だったのです。さぁ・・・仲良くしましょう。できねぇよ、普通。」


「貴殿にそれを言われると刃向かえない。」


「ちゃんと登場シーンの練習はしたんだろ?なら我慢しろ。」


オスカーたちは打ち合わせを終え実践訓練を見ようと訓練場に向かうようだった。


「さぁ、もうすぐ出番だぞ。はやくスタンバイを。」


「ゲンキには悪いがかっこよく登場させてもらおう。」


ヒルマは意気込みながら屋根らを出て城の屋上へと向かって行った。ヒルマを見送ったアルヴァンはやれやれと呆れながら軟禁部屋へ戻って行った。


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