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週末の精霊使い  作者: DP
5.えくすとら
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日常に戻れ……た?

「前に一緒にお風呂入った時も思ったんだけど、ユージンちゃんの体ってえっちよね」

「ブフォ!?」


異世界(いやアキツも俺からすれば一応異世界なんだが)から帰還して、すぐに解析局に直行して。一通り検査を終えてからお言葉に甘えて風呂に入らせてもらって、その後検査結果待ちでのんびりしている所に突如エリーさんがぶっこまれたセリフに、俺は飲んでいたジュースを思いっきり噴き出した。


「けほっ」

「ユージン、大丈夫か?」

「ほら、顔上げて」


せき込む俺にミズホとサヤカが寄ってきて、ミズホは口元をハンカチで拭い、サヤカが背中をさすってくれる。


「……大丈夫?」

「けほっ……いや、いきなり何言いだすんですか?」


原因にも関わらず心配そうに声を掛けてくるエリーさんに咽るのが収まった俺がそう言い返すと、彼女は「だってねぇ」と頬に指を当ててから


「ユージンちゃんお肌すべすべだしぷるっぷるでもちもちしてて滅茶苦茶若い感じなのに、肉付きは成人女性のそれじゃない?」


なんか風呂の中で人の二の腕とか触ってくると思ったら、そんな事考えてたのか……

確かに俺は体小さいし顔も童顔だから子供っぽく見えるわりに、体つきは子供みたいに薄いものではなくて成熟した女性のそれではあるけど……てっきり胸の事を言われるかと思ったけど。


「でもそれでなんでエロいって評価になるんですかね……」

「なんかそのアンバランスギリギリの調和を保った体がなんとも言えない色気を醸し出しているというか……あとおっぱい大きいし」


結 局 乳 か。


というか俺の場合は体が小さいからデカく見えるだけでサイズだけ見れば巨乳の部類ではない。あくまで平均よりちょっと大きいレベル、のハズ。


「結論をいれば、ユージンちゃんって滅茶苦茶抱き心地よさそうなのよね。今度お姉さんと一緒に寝ない?」

「俺の方が年上ですからね?」

「ウチのユージンはあげません」

「本当に仲いいわよねぇ……貴女達」


まぁ一応、そういった関係ではあるし……別に公開はしてないけど。あとミズホとサヤカはガードしたいのかわからんけどくっつくのやめてほしい。風呂上がりなのにまた汗掻いちゃう。


「いや、俺がいないところでそういう事するのやめて欲しいんスけど」


俺達の待機していたレストルームの扉を開いて、レオが姿を現す。

というかお前はもう他所の人の前でも最早性癖隠すつもりがないな、レオ!?


「……って入って来いよ、レオ」


その開幕性癖晒しをしたレオ君だけど、扉を開いたまま中に入ってこなかったのでそう声を掛けるとはっとした顔をして口を開いた。


「いやそうじゃなくってッスね。検査結果が出たらしいんで集まって欲しいらしいっすよ。喫煙者組もすでに向かってるっス」

「いやそれが主題じゃねーかわすれんな」


一瞬で意識がくっついている俺達にとられすぎだろう。


◆◇


そうして俺達はユキノさんから直接検査結果の説明をしてもらって。いつも通りの日常に──戻れなかった。少なくとも俺は。


といってもさすがにまた別の異世界に吹き飛ばされたとかそこまでクリティカルな話ではないけど。

日常に戻れたと言い切れなくなった理由は大きく分けて三つある。


一つは仕事だ。アキツ側はまぁ事情が事情なので撮影とかの仕事はリスケされてたけど、日本側の方の仕事はそうはいかない。なにせ二週間くらい向こうの世界にいってしまっていたので、当然その間に処理すべきだった仕事は溜まっている。救いは今はもう仕事を大分絞っているのと今やっている作業は一人でやっている奴なので同僚に迷惑かけないで済んだのと、納期は大分先なのでリカバリーはしやすいことかな。


そして二つ目は……アキツ側のネットで俺の事が「聖女ちゃん」とか「神の愛し子」とか呼ばれてまーた話題になりまくっている事だ。ようするに向こうの件の情報が漏れた。


漏らしたのは誰かというと──俺である。


いや、ちゃうねん。不慮の事故やねん。


一応今回の件に関する事は解析局から公式発表があって。アキツは異世界の影響を受け捲っている特殊な地ではあるけれど、別の異世界に飛ばされるって事自体はめったにないらしく(ゼロではないらしい)当然俺達もインタビューを受けたんだけどさ。そのインタビューの中でインタビュアーが(多分)冗談半分で「なんかチート能力を手に入れちゃったりしますか?」と言われた時に、思わず「()()もうないです」と口を滑らしちゃって……聞いた相手も目をぱちぱちさせてたから多分これ「そんなことある訳ないじゃないですか~」という返しを予測してたんだと思うんだよな……


で、更に。その返答にインタビュアーがとっさに返して来た「やっぱり異世界定番の聖女的な力ですか?」という振りに、今度は完全に言葉に詰まってしまって。後その時の表情が完全に「図星を指された時のアレ」(ミズホ談)だったらしく……その結果が今の有様である。


完全に自分のやらかしなので誰にも文句が言えない。ミズホ達には「ポンコツ」言われるし……あとエリーさんから『私今後偽聖女扱いして貰った方がいい?』ってメッセージがきたけどしなくていいですやめてください。


まぁ、言うてこれは概ねネットの話だから目を逸らす事ができるし、身内からもちょっと冗談半分で言われるくらいでそこまで大きな問題ではない。


一番問題あるのは最後の一個だ。


帰還直後に行われた検査だけど、基本的に問題は見られなかった。俺に付与されていた神の力も残っておらずあの世界との繋がりはこれで完全に消えたことになる。


だが、ただ一件だけ、俺の体に問題が出ていた。


神の力消えていた、消えていたんだけど……一時的に異世界の力を宿してしまっていたことから、俺の体の体質が変わってしまってたらしい。


具体的にいうと、異世界の影響を受けやすい体になってしまっている。その結果何が起こるかというと……異世界転移をしてしまう可能性が高いらしい。


ま た か よ。


一度の人生で、異世界転移をそう何回も経験とか普通しないんだよ。というか普通の人間は一度もしない。


一応無条件にそういう状況なのではなく、ある一定の条件に該当する世界がアキツの近隣(物理的な話ではないらしいけど)に存在しなければ大丈夫だそうで、今はそういった世界は確認できていないから大丈夫だそうだ。それにこの体質は未来永劫続くわけではなく、徐々に解消されて行く時限的なものらしい。


とはいえその自然解消を待っていては安心して生活できませんよね、とユキノさんの方で現在対策を考案中とのこと。マジでお願いします、ユキノさん。


「ふう……ちょっと休憩しよ」


そんなふざけた体質が一つ増えてしまった俺だが、今は日本の方へ帰ってきている。そもそもこっちの仕事が溜まってるしね……俺の部屋はすでに解約しているので、今はルームシェアしているサヤカの部屋だけど。ちなみにそのサヤカは仕事の関係で今はアキツにいるので、部屋には俺一人である。


「よっと」


デスクの方から離れ、ベッドの上に体を放り投げる。在宅勤務って仕事中断したらすぐに横になれるのがいいよね。格好も今はサヤカもいないから下着の上にダボTだけのくっそラフな格好だけど何も問題ないし(誤ってそのままカメラありのオンライン会議とかに出たら大惨事だけど)。ちなみに身を投げだしたことでシャツが捲れあがってさらにだらしない事になったが誰もいないし気にしない気にしない。


時計を見れば、時間はすでに20時を指していた。思ったより時間が経過してたな……とりあえず少し休憩したら夕食の支度をするかー。


ベッドの上でぐでーっとしながら、ふと右手を自分の顔の前に翳してみる。──そこには指輪が二つ、嵌っていた。これはユキノさんから貸し出されているもので、片方はアキツのユキノさんの自宅?に転移するもの、もう一つは結界のようなものを作り出すものらしい。前者は以前も借りていた奴だね、また身に着けることになるとは思ってなかったよ……ただこれのおかげで、万が一の異世界転移に恐れずに生活できてはいるわけだけど。


でも早くこの状況解消して欲しいねぇー。ユキノさん本当によろしくお願いします。目が覚めたら異世界とかマジで勘弁なんで。


そのまま10分ほどぐでーっとして、このままだと寝るな? と感じたので体を起こす。気づいたら空腹も感じて来たし、夕食の支度しないと。


「……あれ?」


その途中でスマホに目をやったらメッセージが届いていたことに気付いた。仕事に集中しすぎて通知に気付かなかったらしい。ええっと……


「二宮さんからか」


メッセージを送って来たのは、会社の後輩の女の子からだった。こんな時間になんだろ?











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― 新着の感想 ―
>異世界の影響を受けやすい体になってしまっている。その結果何が起こるかというと……異世界転移をしてしまう可能性が高いらしい。  そうか……トびやすい体質になっちゃったかぁ(ゲス顔)
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