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今なら君にできること  作者: マスターオブあんかけうどん


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生家に戻るとエルシャが待ち構えていた。

特にアルマに会いにいくことは伝えていなかったのだが、恐らく父か母が教えたのだろう。


「おかえりなさい」

「ただいま」

「帰る前には連絡してって言ったわ」

「ごめん。電話も何もない田舎だったんだ」


エルシャはむっつりとした顔で、クッションを抱えてソファに沈み込んでいる。

きっとなんと言葉をかけたものか迷っているのだろう。


「アルマに謝ってきた」

「うん」

「ただ謝ることしかできなかった。でも、初めてアルマと話した気がする」

「そう」


どう反応したものか困っているのだろう。

眉間に皺を寄せ、黙り込んでいる。

そんないつも以上に小さな身体の横に並んで座り、足を投げ出す。

いつもならだらしない、と叩いてくるのに、エルシャはじっと床を見ている。


「お前がおとなしいと俺も反応に困るよ」

「だって。こんなとき、なんて言ったらいいのか分からないのよ。私はアルマ様じゃないもの」

「やめろよ」


ルディガーは体を起こし、エルシャに向き直った。

そしてその顎に手を添えて自分の方を向かせる。

不安気に揺れた瞳に、あの日の少女を見た。


大丈夫。

もう、大丈夫だ。


「お前とアルマは違う。もう二度と、彼女と比べて自分を貶めるようなことを言うな」

「だって」

「だってじゃない。俺が嫌だと言ったんだ。それ以外の理由が必要か?」


エルシャは涙を堪えるように顎と喉に力を入れ、心底不愉快だという顔をして頬を膨らませた。


「やり返したわね」

「やられっぱなしは性に合わないんだ」


エルシャはルディガーにのしかかり、ぽかぽかとその胸を叩いた。

ルディガーは体を揺らすように笑いながら、痛くもない暴力をおとなしく受け入れた。

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