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おっとりの秘訣は夫を窓から落とすシミュレーションをしているから〜一人旅で出奔、のはずがずっと夫がついてくるので〜  作者: リーシャ


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64平穏を脅かすノック音と妖精の専門家

エレラの場合は異世界の知識があるからこそ、共存しているという強い思い込みもある。


それでも、ご飯くらいはあげるべきだ。


魔力を得ているのかもわからない。


「妖精の専門家とかいないのかな」


「ギルドで聞いてみる」


「私も行く」


「それは……わかった」


ギルドに来て欲しくなさそうな嫌な顔をしている。


顔バレが相当嫌みたい。


エレラとてコレスの妻と知られるのは困る。


「やっぱりやめといた方がいいかなぁ、でも知りたいんだよね」


「聞き取りしたものをメモしておく」


「あ、それでお願い」


顔出しはしない方向になった。


やはり、Sランクの身内となると注目度は段違い。


変な人たち、利権とか権力とかに利用したい人たちが横槍を入れるのは住んでいた町では散々あった。


それらを起こさないためにも、あまり知られたくない。


「今は妖精に買ったものを持ち帰る。さっきから周りを飛んでいて、叩き落としそうになる」


「はたき落としたことある?」


「最初の頃に。愛し子のところに行こうとしたから外に出ようとしてぶつかっていくから、気絶させようとして」


「怒った?」


「いや、外に出ようとまた繰り返す」


「愛し子って何なんだろうね。妖精の好みの子って感じなのかな?」


まるでなにか焦っているように感じてしまう。


別に離れていてもこの世に存在しているから焦る意味はあまりないように感じられる。


「やはり、体質か……一度気にいると愛着が湧いてくるのか」


その割に鞍替えは早かったけど。


苦笑する。


思い出せば出すほど、大切に扱えばそちらに行くという。


人間と生態は、変わらないのかもしれない。


「どちらにせよ、思いとどまってくれてよかった」


二人で会話をポツポツとしていると、通り過ぎる時に見覚えのあるマークの服を着た女性とすれ違う。


「なっ!!?」


少し大きめの声で叫ぶような声。


「あの人、もしかして妖精見える系?なら、今の反応って普通かも」


「あの服にあるマークは、愛し子協会のロゴのはずだ」


「ヒモかな?」


見えて驚くといえばヒモだった。


「それもあるかもしれないが……妖精の数だな」


「え?ふうん」


驚くような数なのだろうか?


「お前は見えないから言わなかったが、妖精が日々増えている。噂が噂を呼んで集まってるらしい」


「ん?外に出られないのに」


「散歩する時に、外にいるやつらがそのままくっついてきてた」


エレラからは見えないのでわからないが、日々増えているらしい。


「ミルクとご飯の量、増やしておかないとね」


「それだけか?さすがはおれの妻だな。惚れ直す」


突然褒めてきて、変な人だと首を傾げた。


エレラの攻撃力が増えても使わないので、妖精が増えたところで気にすることもないのだ。


仕方なかろうともよ。


薄目で彼女をみると、こちらをぽかんとした顔を見せて呆けていた。


とっても驚いている。


彼女はきっと愛し子教会に伝えるのだろう。


伝わったとしてエレラ達に動く理由はないので、無意味になるのだけど。


報告されてどう動くかはわからないけれど、コレスという存在がある限り手を出してこないだろう。


出して、こない、よね?


普通はあり得ないことなんだけど、どうなるのだろうか。


愛し子と王族は、どれほど距離が近いのかも気になる。


王家が出てこなければいいんだけど。


王家が出てこようとも、Sランクとトラブルを起こしていいことなんてないしなあ。


家に帰ると閑散としている。


家具などはまだ移動させてないからまだあるけれど、あちらの家に移すために整理している。


物が少ないのはそのせい。


コレスはそんなに急いでもまだできないぞと笑みを浮かべたが、待ち遠しくて早過ぎる整理整頓をしてしまう。


流行る気持ちというものだ。


楽しみすぎてプレゼントを待ち焦がれる幼い時の時代が、よみがえってきた。


あまりにこちらがそんな風なのでコレスはずっと近くにいる。


いつも隣にいるのだが、いつもならばギルドに行ったりする時間も家にいてこちらをじっくり観察していた。


彼は好きなものをずっと見ていたい性格らしく、前は逆にいなかったのだと思い出す。


こんなにい続けて、戦闘はしなくていいのかと聞いた。


「エレラの顔を今は見続けたい」


「そうなんだ」


「嫌か」


「どっちでもいいよ。のんびり暮らせるのは大歓迎」


「なら、見る」


「お好きにどうぞ」


見られても、いつものことなので流石に慣れた。


そうして過ごしていると、ドアがノックされ平穏は一つの山場に入る。

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