第4話 冒険者登録をいたします!!
少し、長くなってしまいました……。
周りにアビーのことがバレないようにとビクビクしながら冒険者協会に向かった。
「ここが…冒険者協会?」
「あぁそうだぞ。てか、来たことなかったのか?」
「……うん。」
言い出しっぺは僕だが、ここには初めてきた。存在だけは僅かに知ってるという具合い。
見た目は木造建築物で3階建て……ぐらいの高い建物で横にも大分広い。上には大きく『冒険者協会』と名が綴られている。
──ちょっとワクワクしてきた…!!
胸の高揚感を抑えつつ中に入ると、木の香りがふんわり漂い、とても活気の溢れる声が聞こえてきた。
ある人は重症をおって、ある人は酒を飲んでいたり、ある人は受付をしている。
笑顔の人もいるし、困った顔と起こった顔。皆、表情が豊かだ。
「ねぇアビー。」
「何だ?」
「すごいねぇ!!」
思わずへにゃぁと笑ってアビーに問いかけた。するとアビーもそうだなと言って頬を綻びせた。
「ねぇ、そこの人たち。」
唐突に後ろから鋭い声で聞かれ、怯えながら恐る恐る後ろを見ると、もふもふの尻尾ともふもふの耳を備えた女の子がいた。
長い髪で覆いかぶさっているが、その奥から見えるラピスラズリ色の瞳が厳しくこちらを見ていた。
「は、何でしょうか?」
ビクビクしながらも尋ねる。
横でアビーもその女の子に警戒をしているようだった。
「ねぇ…あなた達、新人さんにゃ?」
「ふぇ…?」
思わず、考えてもいなかった返答に情けない声を出してしまった。
「新人ならまず最初に登録してね。あと……──」
元から意味がよくわかっていない頭に更に早口で色んなことを言われ、意味がまるで理解できなかった。
「ほら、ミア!!」
お次は何事か…!?と思い、声のした方向を見てみるとそのミアと呼ばれた女の子と同じ格好をしている女の人だった。
──おんなじ格好……?
周りをよくよく見ると、他にもこの二人と同じ格好をしている人が受付のところに並んでいた。
そこまで、気づいてようやく理解する。
この二人はここで働いている人ということに。
「ごめんなさいね。あなた達。この子ったら周りが見えなくって。」
「そ、そんなこと無いにゃ。丁寧に教えてあげただけだにゃ!!」
「だからといって、人を困らせちゃだめ!!わかった?」
「はいにゃぁ……。」
ミアちゃんは拗ねたように口をとがらせて返事をした。その姿が少し可愛らしくて、おもわず口角があがる。
「可愛らしいね。あの子。」
「そうだな。まるで生意気だった頃のラビィみたいだ。」
「なっ…!!悪巧みしてたのはそっちも一緒でしょ!!年齢だって2歳差だし……。」
心外だったアビーの発言にさっきまでとは逆向きに口を変えた。
──全く、アビーは兄貴ヅラしてぇ。
「それでは、あなた達は登録をされてますでしょうか?」
「いえ、まだです。」
「では、今から登録を行いましょう。こちらへお座りください。」
すぐ近くの空いている席へとすわった。進めてくれる人は先程ミアちゃんを怒っていた女の人サザリーさん。
「では、こちらの契約書にサインをお願いします。内容は各自でお読みください。」
内容。色々な決まりが書いてあった。
『
その1、万が一お亡くなりとなった場合でも冒険者協会に一切の責任も取りません。
その2、自分の力量に合わない依頼は行うことができません。ランクを上げたうえで、再度受けてください。
その3、期限までに依頼を達成することができなかった場合、報酬の70%を請求いたします。尚、期限は依頼によって異なります。
その4、依頼報酬や買い取りなどは冒険者協会の名において、正当に支払います。
以上の事を踏まえた上で、ご登録をお願い致します。
』
という内容だ。結構しっかりしていた。
そこの下に、署名欄があったためそこに自分の名前を記入する。
アビーの方を見ると、ちゃんと偽名を使っているようだ。
そうして、2人共書いてサザリーさんに紙を渡した。
「はい。そしたら、お次は登録票に記入をお願いします。」
そこには、氏名・生年月日・職業・スキル等の欄があり、順々に記入していく。
──名前…どうしようかなぁ。
こう悩んだのは別の理由があるのだが、それはまた今度。
名前:ラビィ。
年齢:17歳。
職業:魔剣士。
スキル: 。
この内容で提出をした。
結局、名前はラビィだけにし、職業は悩んだ末に魔剣士にした。聞こえはいいけど、僕にとっては魔法も剣もどっちつかずみたいな意味。
そして、スキルは書かなかった。これは、アビーが勇者と書かないのと同様、隠すためだ。
「これで、冒険者登録ができたわ。あなた達はまずはストーン級ね。
上から順番に言っていくと、
プラチナ級 P
ゴールド級 G
シルバー級 S
ブロンズ級 C
ロック級 R
ストーン級 T
となっているわ。これは依頼の数をこなしていけば徐々に上がっていく。だから頑張って。」
「受けれる依頼はその級とその下の級だけにゃ。」
ということは、まだ僕たちは一番下だからストーン級のものだけってわけか。
「これで以上よ。さぁ行ってらっしゃい。」
「「ありがとうございました。」」
よし…これから、頑張るぞぉ!!




