ランティス・ハーカーズ
地獄に3人だけ存在する運命干渉系能力者の1人。
時という運命に干渉する者。
時とは通常不可逆的な要素である。
誰にだって変えられはしない。
が、闇の本質として、闇はどこの闇とも繋がるという恒常的性質を持っている。
彼女はそれに直接干渉して、未来や過去に干渉したり、闇の沈静化を拡大解釈したものである、時間停止をも可能にする。
過去や未来に直接的行けもするが、それは莫大なエネルギーを消費する為、彼女自身の命を脅かしかねないものとなっている。
現世における太陽であるところの地獄の月が移動せず、昼や夜に変わっていたのも時間停止の影響であり、月自体は地獄の周辺に存在する衛星の存在で一定時間経過後に輝いたり暗くなったりした。
それが地獄における昼と夜になっていたって訳だ。
そんなことをしていた理由は、邪悪種を深淵に留めておく為であり、サタンが彼女を軟禁し、大魔石のエネルギーを使わせていたことで世界のバランスを保っていた。
だが、サタンが狂ったことで時は動き出し、深淵の戦いは始まった。
彼女は俺に希望を託していた。
それはいつか来る3つの意思の争いを止めることであり、種の……命という穢れを存続させることだった。
が、同時に闇の願望である滅びに賛同的でもあり、自殺願望を少なからず持っていた。
遠い未来を見た彼女は、俺の作った世界を覗けたのだろうか?
だからこそ、俺を導いたのだろうか?
自分の能力を俺に託したのだろうか?
何にせよ、絶望の未来は書き換えられた。
新しい命の可能性を残して。




