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異世界でカボチャプリン 人物設定一覧

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異世界でカボチャプリン 人物設定一覧


 一部ネタバレがあります。ご注意下さいませ。

 なお、基本的には初登場時のデータを元にしております。

 WZエディタとかVZエディタ(笑)で見ると見やすいかもっ。




.《主人公と周囲の人たち》


..【主人公】

 何故かあまり本名で呼ばれない。

 ドワーフの、幼女と少女の中間くらいの見た目。

『元の世界』から『この世界』に召喚された。召喚時の影響か制限か、過去の自分自身については記憶を持たない。その代わり謎な知識を持つ。

 対象のスキルをコピーできる能力がある。ただしユニークスキルについては対象を目視したまま死亡を確認しないとコピーが不可能。

 普段は道具屋の店員、魔道具などを作っているが、『使徒』からの指令で『世界の理を乱す者』を処理して回っている。本人が名乗ったわけではないが、暗殺者のときは『ラーヴァ』の通称がある。『ラーヴァ』の時は金髪のカツラと認識阻害の付け耳を装着、そのため『ラーヴァ』はエルフだと思われている。

 採取が好き。野趣溢れる料理が好き。

 ドワーフなのに、何故か寒さに弱い。


ユニークスキル:人物解析 遺伝子操作 地脈探査(第一話時点)

その後に習得したユニークスキル:限界突破(第二話)、死者蘇生(第百三十六話)、不死者生成(第百三十六話)、不死LV1(第百三十八話)



..【フェイ・クィン】

 冒険者ギルドポートマット支部長。見た目は寡黙なダークエルフで渋い。

 過去に召喚されて百年近く経過。子供がいる。

 主人公の暗殺サポートを行うチームの一人。



..【トーマス・テルミー】

 中年のドワーフ。ひげ面のビヤ樽。商業ギルドポートマット支部、副支部長(第三話時点)。のち支部長。

 主人公を『神託』に従って保護。主人公がこの世界に定住する基礎を作った。町の体力回復ポーション市場を独占販売する『トーマス商店』店主。

 ドワーフ村出身、本人はまるで戦闘能力がないが、やたらにタフで耐毒性が高い。

 利に聡い商売人。

 主人公の暗殺サポートを行うチームの一人。



..【ユリアン・パウロ・ラングリー】

 聖教会ポートマット支部長の司教。ヒューマンで四十代後半。

 慈しみの微笑みと、トーマスに劣らない金への執着を見せる腹黒い神父。

 孤児院も経営、町中の精神的指導者といえる。

 主人公の暗殺サポートを行うチームの一人で、チーム中唯一、『神託』を受けることができる。『神託』の意志を違えて伝えたり、嘘の『神託』を告げると途端に粛正対象になってしまうため、『神託』や『使徒』には従順に振る舞っている。



..【ドロシー】

 名字なし。トーマス商店の従業員で孤児院出身。孤児院始まって以来の麒麟児と呼ばれていたが、後から入ってきたエミーの方が優秀だったのを自覚しており、密かにコンプレックスになっている。

 ちゃんとしたツンデレ。ごった煮風スープが得意料理(第四話時)。

 トーマスは養父ではないけれども、保護者に相当する。



..【エミー・クラプトン(エマ・ヴィヴィアン・ミカエル・ワイアット)】

 聖教会のシスター見習い。多少百合気質?

 思い込んだら一途、聖なるオーラが凄いが別にユニークスキルというわけではない。

 孤児ということになっているけれども、名前がいくつもある場合はきっと訳あり。ドロシーの一歳年下。

 ちなみにミドルネーム持ちは聖職者、貴族のどちらか。平民には家名もない場合がある。


..【マリア・ターナー】

 聖教会のシスター見習い。歌に魔力を乗せることができるスキルを持つ。吟遊詩人の実姉が一人いる。ぽややんとしているが、鋭く物事の本質を掴む時もある。

 歌やカリヨンに出色したセンスを持ち、ポートマット名物の一つになっている。

 実は意外に料理上手。


..【フレデリカ・フォレスト】

 過去に勇者として召喚されたが、主人公の説得により翻意、手先となる。スレンダーなエルフ美女。

 エルフは美男美女でヒューマンからは判別しにくいため、出自に関してはバレておらず、大陸からやってきたことになっている。身元確定と定職確保を目的に、ポートマット騎士団に潜り込む。主人公、フェイと同じく、『元の世界』では自分が何者だったのか、という記憶はない。ただしそれ以外は割と残っている記憶が多い模様。

 騎士団員を演じているうちに副団長にまで昇進。主人公に対しては語尾が安定しない。騎士団の内外を問わずにファンが多い。

 なお、彼女にユニークスキルは発現していない。召喚時に指定できる項目でもあるため、何故そのように召喚したのかは不明。



..【サリー・オギルビー】

 孤児院から引き取った従業員。引き取った時には九歳。異常に聡く、他人の顔色を窺ってから発言する。光系魔法こそ使えないものの、魔法の才能がある。ユリアンはそれを理解していて、若輩ながらトーマス、主人公の元へ送り出す。

 痩せているけれど不健康な感じではない。徐々に表情が豊かになり、魔法の才能も花開くことになる。

 クォーターエルフ。両親死去のために孤児院に預けられた。


..【レックス】

 名字なし。サリーと同時にトーマス商店に引き取られてきた孤児。周囲の空気を読む能力に長けた、生来の調整役。引き取られた当初は痩せていたものの、最近はポッチャリしつつある。優しく芯の強い子供。

 主人公には色々なトラウマの芽を指摘され、今後の性癖が歪んでしまわないか危惧されている。



..【ウェンディ=エポナ=ルーシー・テルミー】

 トーマスとベッキーの娘。ハーフドワーフ。

 名付け親が複数いたため、妥協の産物で長い名前になった。元々、風の最上級精霊であるシルフに寄生されて産まれたものの、主人公にシルフを排除されたため、主人公の魔力で魂を補完された。

 初回の『鑑定』時に名前を持っていなかったため、転生者である可能性は低い。




.《冒険者ギルドポートマット支部》


..【ベッキー・ミドルトン(レベッカ・ミドルトン)】

『慈母』とも言われる癒し系中年女性の受付。ポートマットの冒険者ギルド名物。

 トーマスとはいい仲になって……。後日結婚に至ることになる。後に支部長に昇進。

 冒険者ギルド所属の息子が二人いる。母アーサと同居中。結婚後は新居に引っ越す。


..【ジェイソン・ニコラウス】

 ものすごい怖い顔をしている、真面目なギルド職員。主に解体作業と力仕事をこなしている。


..【ジャック・ニコラウス】

 ジェイソンの息子。チーム『シーホース』所属。日光草に絡んで怪しい行動をしている。錬金術師ギルドのモンロー氏と接点があったのを確認後は消息が不明。



..【エドワード・ウィーダー(エドワード・アレクサンダー・ウィザー)】

 初級冒険者から脱しようとしている冒険者。

 主人公に気のある素振りを見せていたが、あまりにも冷たくされたので、ドロシーに乗り換えつつある。

 貴公子然とした柔和な顔立ちと振る舞いは冒険者に見えない。反面、不器用で冒険者として苦労している部分が多々ある。何となく声をかけたくなる、という天然のカリスマを持つ男でもある。



..【セドリック・マシュー】

 冒険者ギルドポートマット支部所属の上級冒険者。エースの一人。二十八歳。

 人懐っこい風体と口調でズンズン人の輪に入っていく。出自は明らかではないがどこかの道場の息子だったという噂があったりなかったり。バランス重視のスピードを生かした戦法を得意とする。

 後にポートマット西迷宮出張所所長。その後、ポートマット支部長。


..【クリストファー・フィルビー】

 冒険者ギルドポートマット支部所属の上級冒険者。エースの一人。二十七歳。

 セドリックとは冒険者になってからの腐れ縁。寡黙で必要なこと以外はあまりしゃべらない。突撃から敵が混乱したところを殲滅、という戦法を得意とするパワー重視タイプ。


..【ピーター】

 名字不明。受付の若い男。特筆すべきものはないが、他人の顔色を窺うような目が、主人公の加虐願望を刺激する。



..【マーガレット】

 冒険者ギルドの福利厚生施設の一つである鍛冶施設に勤める中年女ドワーフ。ひげは生えていない。町の鍛冶屋レベルの腕の持ち主ながら、丁寧に教えてくれるため弟子からは敬愛されている。引退した冒険者の最後の砦ともいえる。



..【ボリス・ジェームス】

 冒険者ギルドポートマット支部の副支部長。影が薄く、いつまでたっても覚えてもらえない。四十歳過ぎの丸顔で童顔。

 王都騎士団に情報を流していたことが発覚、後に更迭される。


..【ルイス】

 中級冒険者。普段はエドワード、シドと組んでいる。

 軽い口調ではやし立て、間延びした語尾で喋る。

 攻撃系魔術師。冒険者ギルドの中ではレア中のレア職。



..【シド】

 中級冒険者。普段はエドワード、ルイスと組んでいる。

 あまり句点をつけずに喋る。せっかち。

 治癒術師兼細剣使い。ルイスと同じく、ヒーラーはレア中のレア。



..【スタイン】

『輪切り』の二つ名で呼ばれる上級冒険者。チーム『シーホース』のリーダー。このチームはナンバー2が変わり者なので、トップが苦労しているという構図になっている。『シーホース』はノーマン伯爵に専属で飼われている、ポートマット支部で一番大きなチーム。騎士団には向かないような、裏の汚れ仕事を担当していた。

 スタイン本人は義理を欠かさないタイプ。利よりは義を取る。ガッチリした体躯と細く鋭い目が印象的。

 四十手前、ザンとも面識がある。アイザイアの後見人になる。



..【トルーマン】

『活け作り』の二つ名で呼ばれる怜悧で頭の切れる男。物語中トップクラスの事務処理能力を持ち、読書家。システムを作るのが抜群に上手い。

 相当な変人で体言止めを多用する独特の口調。ヒョロッとして目がパッチリ。

 お昼前は眠そうにしていて能力の半分くらいしか発揮できないが、お昼を過ぎて眠気が覚めると超人のように働き出す。スタインを補佐する形でアイザイアの後見人となる。



..【ラルフ】

 近隣の農村からやってきたツンデレ少年。語彙も感情表現も稚拙ながらまっすぐな瞳は周囲が放っておかない。危なっかしすぎて。冒険者としての資質には恵まれていないものの、主人公と出会ってからは何故か実力急上昇中。ポートマット防衛戦で重要な役回りを演じ、その後にチーム『第四班』を設立、ラナたんをチームリーダーに据え、そのフォローに回る。

 彼が店の前で倒れたことで、偶然ながら縮小魔法陣の発見に繋がる。ある意味で技術的ブレークスルーをもたらした功労者。本人に自覚はないが。

 明らかに主人公より年上だが、主人公の脳内ではラルフ少年と呼ばれている。

 後にマッコーキンデール家の養子になり、政府の重職を担うことになる。


..【ラナ・ランス】

 くすんだ金髪、そばかすの女の子。ポートマット防衛戦時に余り者集団の中にいた。

 器用貧乏、生真面目で冷静。恋愛方面は結構肉食でガンガン行く方なので、そのうちモノにすると思われる。

 ラルフと共にチームを設立、リーダーとして立ち回る。

 本人の能力は低くないのに、余り者集団にいた理由については不明。主人公が無意識に保全した可能性もある。

 なお、別に顔がカエルっぽいというわけではないが、主人公の脳内ではラナたんと呼ばれている。


..【ダン】

 新加入の第四班メンバー。条件のいい募集に惹かれてチームに参加。ラルフ、ラナより遙かに年上で、二十代前半。中級。堅実なサバイバル技術、リーダーシップを持つ両手剣使い。惚れっぽい。美男子ではなく、間が悪いので振られ続けている。元々王都冒険者ギルドに所属していたのだけども、ロンデニオン西迷宮でパーティーが全滅、生き残ったスマートと一緒に加入。早くもラルフ少年と副リーダーの座を奪い、激突しつつある。


..【スマート】

 新加入の第四班メンバー。別に痩せていない。短剣使いで、王都ではダンと同じパーティーにいた。全滅の際の生き残り。ダンより年下で、ラルフ少年よりは年上。なのでちょっと舐めている。


..【カーリー】

 新加入の第四班メンバー。美女ではないけれど愛嬌のあるふくよかな女性。非常に僻みっぽく、トラブルメーカー。治癒術師。


..【ザジ】

 新加入の第四班メンバー。ずんぐりしたドワーフで盾持ち。髭が生えておっさんに見えるけれどスマートと同い年。


..【キャス】

 新加入の第四班メンバー。痩せぎすの男で弓と短剣使い。主に支援攻撃に長ずる。







.《その他ポートマット住民》


..【アイザイア・ガブリエル・ノーマン】

 ポートマット領主の一人息子、のちに伯爵、ポートマット領主に就任。

 ポートマットを発展させるだけではなく、若者らしい野望を持っている。が主人公たちに潰されて自虐の毎日。

 二十代前半、それなりに色男。スチュワートの娘ヴェロニカにコナをかけているところで、その恋の行方には注目が集まっている。ただし、本当にそれが恋なのかどうかは判然としない。


..【ウォールト・サミュエル・ノーマン】

 前ポートマット領主。遺体で登場したのが初出。フェイから提案された小麦の栽培法を全面的に取り入れ、ポートマット周辺を一大穀倉地帯に作り上げた人物。人心掌握に長け、内政、外交にも多大な成果を持つ。麻薬に溺れて領主館の屋上から転落死というのが広く知られている死因だが、そこに至る経緯も含めて、事実かどうかは確認できていない。

 領主時代の成果は、主人公に『先見性はあれど計画性がない』と評された。貴族らしい貴族で平民を物凄く見下す差別主義者である一方、その責務については重く受け止めて、より良い方向を模索しようとしていた。全体としては『良い領主』だったと言える。

(※人間じゃないの項目も参照のこと)


..【ジョージ】

 ノーマン伯爵家に三代に渡って仕える執事。

 演技派でなかなか真意を見せない。彼の中では一定のルールがある模様。



..【ビッグス】

 ノーマン伯爵家に仕える農業管理係。日焼けした、無口な四十過ぎの男。どこから見ても農夫。寡黙だが、農業絡みの話になると途端に饒舌になる。農業については知識が豊富で、主人公やトーマスも時々相談するようになる。

 彼の祖父がフェイからノーフォーク農法を伝えられた。



..【アーサ・ミドルトン】

 ベッキーの母親。住居は西地区。付近一帯の大家さんでもある。

 元紡績ギルド関係者、現在は隠居中。家事スキルのデパートのような人物で料理にかける情熱は主人公を唸らせる。主人公にとっては料理を初めとした家事の師匠。

 若かりし頃に夫と死別、その後に世話になったフェイに密かな恋心を抱いていた。

 トーマスとベッキーが結婚することになり、借家を追い出された主人公と同居することになる。一緒に暮らすうちに、かけがえのない日常として主人公からは過保護にされているが、逆にアーサの方も主人公には過保護である。

 何でも一先ずは相手を尊重し、認める懐の大きさは、加齢だけではない、彼女の性格によるものと思われる。



..【スティーヴン・ミドルトン】

 スティーヴ・マーローを自称していた。

 ベッキーの次男。本部冒険者ギルド所属、中級冒険者。そこそこに才も運もあり、売り出し中の新鋭だった。ベッキーが冒険者になることを反対していたため、偽名で登録、活動していた。



..【セロン・ミドルトン】

 ベッキーの長男。存命中。冒険者ギルド本部所属、中級冒険者。王都~ドワーフ村の隊商の護衛を長年務めている。



..【マイケル】

 謎の肉屋。普段は煙に包まれていて、主人公にさえ正体がわからない。

 陽気な受け答えと質の良い食肉を提供することで知られるポートマット名物。

 時々串焼き屋台をしている。



..【ハミルトン】

 果物屋の息子。主人公と同年代で、ちょっとイジワルしたい年頃。

 商売熱心で研究熱心。

 主人公から伝えられたカボチャプディングのレシピを実際に作り、間違って買って大量に在庫があったカボチャの販促に利用した。

 実質のカボチャプディングの考案者。


..【ハミルトンの父】

 ポートマットに一軒しかない果物専門店の主人。

 農産物関係の情報に詳しい。

 この親子はとても似ている。



..【カーラ・ハマダ】

 シモダ屋の看板娘。青い髪の元気少女。主人公と同年代だが、発育がいいのか、どんどん女らしくなっていく。ミーハー気質。



..【チャーリー・ハマダ】

 カーラの父。主人公曰く『ポートマット一番の魚料理店』のシモダ屋の料理長兼主人。

 新メニューの開発に余念がなく、多忙なのに元気。

 シモダ屋はギンザ通りにあり、この店で肉料理を頼むのは素人か、超玄人かのどちらか。

 名字が一応あって、チャーリーの祖父が当時召喚されていた勇者に教えを請い、免許皆伝の意味で賜った家名なのだという。



..【ドノヴァン】

 ポートマットに数件ある酒屋さんのご主人。ヒューマンで下戸。


..【サトウ商会の店員さん】

 根菜糖、砂糖などの甘い物の原料を量り売りしているお店の店員さん。イントネーションが某国関西風になるように代々の主人が教育を施している。


..【エステラ】

『銀の暴れ牛亭』の看板娘。黒髪でおとなしい風貌だけど力持ち。主人公にワサビの存在を教えてくれる。





..【ルーサー・パターソン】

 グリテンでトップクラスの鍛冶、研磨、金属加工スキルの持ち主。ドワーフ。偏屈な性格でほとんど喋らず、鼻を鳴らすだけ。何故か主人公は意思の疎通が可能。主人公の鍛冶の師匠となる。



..【ロック】

 ロック製鉄所の主人。魔力炉の『点火』を継続させるため、いつも魔力かつかつで暮らしている。ドワーフ村産の鉱物をインゴットにまで加工している。トーマスが懇意にしている。主人公も常連客。


..【ロール】

 鋳造をメインにしている、ロール工房の主人。ロックの弟で、工房はロック製鉄所の隣にある。いい加減な注文にも文句をいいつつ誠実に応えてくれる、腕の良い職人。皮肉が酷い。ある意味でポートマット名物。


..【ネスビット】

 魚網を編む、ネスビット商店の主人で職人。たどたどしいヒューマン語を操る。笑うと相手が脱力する。編み物の腕はかなり良い。ヒューマンで、元の世界の、不戦を主張した偉人にちょっと似ている。


..【リトルフ夫人】

『ファッションのリトルフ』を経営する女主人。古着屋さんで、いつも店内で服を修繕している。非常に無愛想ながら、組み合わせのセンスは悪くない。服を扱う店が少ないこともあり、人気店の一つになっている。かなりボロ儲けしているという噂。

 主人公は彼女にアイロンをプレゼントしたいのだけど、なかなか渡せずにいる。

 彼女の旦那さんが布問屋をやっていて経営に失敗後に始めたお店。


..【強盗三人組】

 王都街道の水飲み場で主人公を襲撃しようとして諭された。その後は不明。

 魔力感知スキルの影響で、敵対意識を持つ者のサンプルとして登場。


..【コンドリフ】

 コンドリフ雑穀店の主人。中肉中背の中年、非常に平凡な、印象に残りにくい平坦な顔をしたヒューマン。少し東洋の血が混じっている感じ。

 商売っ気が強いが、目の前の利益しか見えずに後々損をする。

 お米入荷時、プロセア軍襲撃時に大きく名声を下げる。


..【マホニー】

 『マホニースパイスショップ』の主人。高級スパイスを仕入れ販売している。ポートマットでは一番質がいい(マシ)。


..【リン】

 主人公お気に入りの建材屋の主人。白髪の黄色人種と白人のハーフ。白髪で仙人風。


..【モーゼズ】

 ポートマット漁協の副会長を務める。二十代中盤、浅黒く健康的に日焼けした肌と芸能人並の白い歯、男前で男臭い。臭いフェチを惹き付けるフェロモン放出中。

 実際、港女子にモテモテのナイスガイ。普段は半裸で過ごしている。


..【エイハブ】

 ポートマットの漁協の会長。六十代の老人。白髪で恰幅がいいけれど別に片目でも片足でもない。ただ、猛烈に寡黙。殆ど身振り手振りだけで会話する。魚の知識は物凄く、実は絵が上手かったりする。つまり、寡黙なさかなくん。



..【その他商店】

ハリス商店(乳製品)

ベロ―雑穀店(小麦、大麦など雑穀。防衛戦時に小麦を提供)

コールマン商店(八百屋)

ダルトン製パン(主人公の周囲で人気の男前なパン屋。防衛戦時にパンを作り続けた)

コウノトリ亭(宿屋、食堂。ロリンとティムの密会場所)

乾物屋の主人(市場にある乾物屋。話を聞かない)



..【ゴードン】

 ゴードン商店の店主。三十代。ゴードン商店は道具屋で商売敵。先代から代替わりが不調で衰退、ついに店をたたむところにまで追い込まれた。偽善的にもトーマスが雇う形で救済、現在はお店は休業中、本人はトーマス商店の迷宮工場で働いている。なお、先代は体調不良で寝込み中。



..【樽職人】

 主にオーク製樽を製造販売している。誰が買ってもブツブツ文句を言っているが腕はいい。


..【テート】

 家具専門の木工職人。あるときに主人公の注文に、どこかのバーテンダーのようにサラッと応えたことから懇意にされる。以降は大量注文に笑い泣き状態。ぶっきらぼう。未婚。三十代後半の年齢と思われる。

 折りたたみ椅子も順調に売れている。基本的に一人で作業をしているので手が足らない。


..【アイカ】

 テートの妹。幼少の頃は職人街の幼なじみのマドンナだった。王都騎士団に旦那がいたが殉職。三人の子供を率いて実家に出戻り状態。実家には兄しかおらず、今では家具工房の手伝いに追われる日々。兄から言われて渋々ルーサー工房に出入りするようになるが、ルーサーを放っておけず、世話を焼くことに違和感を持たなくなってきている。世話焼きで神経質なところがある。

 余談だが、旦那が殉職した職場はウィザー城で、時期的には『ラーヴァ』襲撃と重なっている。


..【アイカの子供たち】

 三人いる。真ん中の子が女の子。見たモノ全てに感動できる素直な子供に育っている。ルーサー工房に出入りするようになり、上の子は木工か鍛冶か、職人を目指そうか、漫然と考え始めている。

 この子供たちの存在が、主人公に学校設立を思いつかせる。

 上の息子はカーター、真ん中の女の子はファム、下の男の子はロジャーくん。




..【トビー】

 ポートマット南東地区の外れ、海に近い場所で石材店を営んでいる。魔力量が大きいのか、石のストックはかなりのもの。石材置き場は小山が複数、不安定な形で立っている。あんまり商売っ気がなく、トーマスには良いように買い叩かれている。


..【ジェイク】

 港湾事務所所長。白髪混じりのお爺さん。目つきが鋭い。主人公はポーションの納品に何度も行ってるので面識がある。


..【マルタ】

 割と有名な吟遊詩人。盲目、歌う声は高いけど地声は低い。マリアの姉で孤児院出身。大陸やグリテンを旅している。


..【ハロルド】

 南地区にある娼館の一つのオーナー。小男で醜い男。心がねじ曲がる前は心優しい男だった。

 梅毒患者。


..【アガサ】

 ハロルドの奴隷で娼婦。実質、ハロルドの内縁の妻。梅毒にかかっていた。


..【ノブ・ギネス】

 ギネス醸造所のオーナー。新酒の開発に失敗、トーマス商店の軍門に下る。ドワーフで、非情に頑固。未婚。


..【ペグ・ギネス】

 ノブの姉。押しの弱いドワーフ中年女性。醸造所を手伝っている。未婚で、髭面。





.《商業ギルド》


..【ワシントン】

 商業ギルドポートマット支部長。のち王都本部長。

 金儲けに執着する守銭奴。アイデアマンで猪突猛進、部下を苦労させる上司。

 加えて陰謀家。フェイ曰く、『策に溺れる』タイプ。




.《建設ギルド関係者》


..【ギルバート】

 大工ギルド所属、ギルバート組の親方。ドワーフで、奇跡のような木工スキルの持ち主。石造りが増えてきた現況には苦々しい思いをしている。江戸っ子のような気っ風の良い語り口。『ひ』は普通に『ひ』と発音するので、当たり前だが純粋な江戸っ子ではない。


..【トロロープ】

 ギルバート組のナンバー2。ギルバート組の所属メンバーは皆で気っ風が良いので、テンションの高い集団だということには気づけないでいる。



..【マテオ・シャブリエ】

 トーマスの命によって、商業ギルドから建設ギルドに出向中の若手ホープ。商業ギルドは本来店主のみの集まりだけれども、大陸出身で自分の店を持っていないため、割と雑用で駆り出される。



..【ストレート・スクエア】

 石工ギルド所属、チーム『スクエア組』のトップ。親方と呼ばれている。

 登場時には某国某地方某職業のような強面だったが、一つ一つ主人公に牙を抜かれて、今では熱心な信奉者に変貌。スクエア組に跡取り息子がいる。チーム自体は世襲するものではない。トーマスと同年代のドワーフ。


..【カーヴ・スクエア】

 石工ギルド所属、チーム『スクエア組』のナンバー2。若頭と呼ばれている。

 すっかり牙を抜かれてしまったストレートの姿勢に懐疑的。ひげ面ではなく、細目のドワーフ。二十代前半の若い男。


..【ワイド・コンパス】

 石工ギルド中最大手のチーム『コンパス組』の親方。コンパス組は分業が進んでいて、効率主義的なところがある。損得、メリットデメリットを常に把握していないと動けないタイプ。



..【ガッド】

 三十路過ぎのベテラン初級冒険者。力持ちなだけで戦闘は不得手、採取も得意というわけではない。特に手に職もなく、冒険者の他に生き方を知らない。ある時、主人公の掲示した土木工事に応募、レギュラーになる。面倒見は良かったため、新設されたチーム『ビルダーズ』のトップを代行することになる。

 建設ギルド組織前後では建築作業は素人だったのに、何故かぐんぐん土木作業の腕を上げている。


..【タイニー】

 名前は小さいが大柄でムキムキ、細面の色男。『計算』スキル持ち、頭の回転も早い、副官向きの人物。某格闘マンガの、地上最強のお医者さんに似てる。

 設計に興味があるらしく、『シー』さん候補。


..【サディアス】

『ビルダーズ』所属、建設ギルド所属。御者の経験があった。『浮遊台枠』を老馬グラーヴェとラルゴと共に扱う。



..【アルバート・アダムス】

 エーさん。



..【アルバート・バラット】

 ビーさん。










.《トーマス商店関係者》



..【ペネロペ】

 トーマス商店の新しい従業員。教会の孤児院出身。サリーの一つ年上。就業時十一歳。

 ダフネは双子の妹。一卵性なので似てる。おとなしい。。周囲に流される性格。


..【ダフネ】

 トーマス商店の新しい従業員。教会の孤児院出身。サリーの一つ年上。就業時十一歳。

 ペネロペは一卵性双生児の姉。とりあえず文句を言うタイプ。


..【ジゼル】

 トーマス商店の新しい従業員。教会の孤児院出身。サリーの一つ年上。就業時十一歳。

 骨格が細くてスッとしている。腰が高く、顔が小さい。将来美人確定。でも普段はぼーっとしている。あまり他人に感心がない。


..【フローレンス】

 トーマス商店の新しい従業員。教会の孤児院出身。サリーより二つ年上。少女になりつつある。就業時十一歳。すぐに十二歳。彫りが深く、今の時点で美人と言える。金髪のウェーブ髪をまとめている。自分中心を強要するタイプ。



..【ダリル・ダリオ・アンブロズ】

『跳ねイルカ亭』の元主人。長男に店を譲って悠々自適の老後を送るはずが、トーマスに三男と一緒に請われてホテルトーマスの初代支配人に就任。初老だけど髪は黒々、髭もキチンと剃っているジェントルマン。渋い声で主人公を魅了(笑)。


..【ロナルド・ダリル・アンブロズ】

 ダリルの息子。三男ではあるものの、長男よりよっぽど宿屋経営に向いた資質を持つ。柔和な物腰とは裏腹の計算高い性格。それが表に出ないだけで十分才能ではある。ちょっとポッチャリさん。



..【ギネス・モー】

 ホテルトーマスの主任料理人シェフとして採用された(引き抜かれてきた)人物。仕事は丁寧で早く、料理の腕もいいけれども、創造性に欠ける。


..【リュミ・ニコルズ】

 ホテルトーマスの料理人として雇われた。ドワーフで二十歳過ぎ。創造性があり、料理の腕もそこそこ。だけども周囲を顧みないで突き進む嫌いがあり、諍いが絶えず、職場を転々としている。



..【スペンサー】

 トーマス商店素材部所属。引退していた煉瓦焼き職人。トーマスに請われて煉瓦工場の指導に当たる。一般的な腕前の職人さんだが話し好きでリーダーシップがある。基本を忠実に守るため、後進の育成にはこれ以上ない適任。おじいちゃんなので、子供を見ると甘やかす。



..【ガザ・クレーン】

 王宮庭園のお庭番、クレーン卿の次男坊。貴族籍を外れて野に下った。ご夫婦でグラスハウス脇に住んでいる。



..【アチャンタ】

 ポートマット西迷宮都市の無発酵パン専門店『ナマステ』の共同経営者。元冒険者で、主人公が強制的にパン焼きをさせた四人組の一人。大柄の色黒、東方の国からやってきた。なお、四人組のうち、一人は女性である。




.《ポートマット騎士団》


..【アーロン・アレクサンダー・ダグラス】

 ポートマット騎士団団長。ダグラス家の三男。ダグラス家は現在の宰相を歴任する名門貴族。愚直な性格。

 ポートマット産の『オピウム』を父親に融通していた。

 父親や兄たちと確執がある反面で便宜を図り、それが原因でポートマットに災いを呼んでしまう。その図式を看破していた主人公に脅される。

 以降は従順になっているが、果たして。

 生来の環境故か、魔法的な物理バリア『障壁』のレベルが高かった。

 既婚、非常に大人しい奥さんと、特筆することもない息子が一人いる。



..【ジェシカ・ロス】

 クソが付くほど生真面目なアーロンの副官。苦労が髪質に出ている。二十七歳。アーロンとの疑似夫婦の関係に慣れてしまって完全に嫁き遅れた。かといって平民の出なのでアーロンとの婚姻は望めない。アーロン自身が色恋沙汰には鈍感なこともあって諦めモード。



..【グスタフ・リード】

 フレデリカの副官。ファンクラブナンバー001。良くあるように、一番最初にフレデリカと模擬戦をやって苦杯を喫し、惚れてしまう。フレデリカは色恋の方面は騎士団で考慮しておらず、騎士としての彼女を補助する決意を固める。固めたのはいいが婚期を逃しつつある。というか逃すのは確定的。

 のちに副官の任を解かれて、収容所所長になる。



..【エルマ・メンデス】

 平の騎士団員。薄い色の金髪のショートカットで、見た目の印象と変わらないサバサバした口調の、背の高い女性騎士。後に中隊長になる。


..【ラリー】

 平の騎士団員。中年から壮年の域のベテラン。住民思いで仲間思いで部下思いの人格者。勤務態度がよろしくなくて上司受けも悪い。



..【コイル・ポール】

 フレデリカに頼んで主人公に教えを受けた騎士団の魔術師。元は弱い力しか持たなかったが、主人公に教わった後に大化けした。今ではグリテンでも指折りの魔術師となっている。それでも未だに主人公からは凡庸だと思われている。

 大汗かきで、身体は常に生乾きで汗臭い。このことが主人公の物作り魂に火を点けることになる(かもしれない)。


..【ミラ・プラナー】

 コイルと同じく主人公に教えを受けた魔術師。何故かいつも暗く、青白い顔をしている。元は弱い力しか持たなかったが、コイルと同様に飛躍的に能力を伸ばした。伸びた直後は嫌がらせなどを受けていたようだが、実力が圧倒的についたため、自信を持って他人と接することができるようになった。


..【クリスティンセン・ヤング】

 自称クリス。コイル、ミラと同時期に主人公に教えを受けた。常に慌てている。割と頭の回転がいい反面、口べた。

 主人公の脳内では、三人そろって『スーパースリー』と呼ばれている。


..【モクソン】

 グスタフの後任、フレデリカの副官。ファンクラブナンバー004。ファンクラブ内部で下克上が起こりそうな人事にほくそ笑む。二十代前半。副官に任命される人間にありがちな真面目さん。


..【ロリン・マーリン・セクストン】

 男爵の三男。主人公に魔法を教えてもらうように頼み込んでいるが……。全然実現しない。実現した際には意外な事が判明する。



.《聖教会関係者》


..【カミラ】

 ムダに怜悧な印象の堅い口調のシスター。三十路過ぎ。教会では経理を担当していたが、主人公の提案による紙作りの担当者に抜擢される。紙作りを苦労して軌道に乗せる。

 眼鏡は掛けていない(まだ一般的ではない)のにお局様オーラが迸る。


..【ラッセル】

 孤児院の院生。年長者で、すでに奉公に出されてもいい年齢だが、ものすごく口べた。心配されていたが、紙漉きに適性があるらしいことがわかり、周囲がホッとしている。



..【ジャクソン】

 ウィンター村に赴任していた神父。自動織機の開発に成功したため、『使徒』の粛正対象になる。母親思いで真面目な性格。手先が器用で発想も行動力もあった。当時のウィンター村領主の息子たちに襲撃されて死亡。



..【マザー・フッツ】

 故人。王都の教会本部付けの大神官。光の精霊の加護を受けまくった聖女、死亡時百二歳。エミーの最初の師匠。某牧場とは全く関係がない。



..【シスター・リンダ】

 割と古参のシスター。カミラが無駄に優秀だったために出世的なことからは置いて行かれたけれども、優秀な看護師さんであり、経験豊富な産婆さん。口調が厳しい。



..【マザー・ウィロメラ】

 三十代半ば。マザー・フッツの後任。聖教本部は現在、大司教席が空席になっている。三人いる名義司教の一人、とされている。聖教では女性でも司教になれる。マザー・フッツほどの魔力や魔法の実力はないが、未来を見通す力がある、と噂されている。



..【ネイハム・キリアキ・ビアラス】

 四十代半ば、聖教本部に三人いる名義司教の一人。白人っぽく、金髪、碧眼、細身、毛深くない……。



..【ローソン】

 五十代後半、聖教本部に三人いる名義司教の一人。今のところ名前だけしか出てこない。






.《ウィンター村関係者》


..【エリファレット・イアサク・ブリットン】

 ウィンター村の代官として王宮から赴任してきた。元第一騎士団所属、教導隊にいた。生真面目な性格で、自分にも他人にも妥協を許さない。ところが家族、特に息子の教育には失敗していて、長男、三男は低脳な愚息である。次男が王都第一騎士団にいて、迷宮事件の際に戻ってくる。

 ウーゴとは懇意。元々ウーゴの上官だった時期があり、それもあって、ブリットンの中ではウーゴを見下している部分がある。未だに教育しているつもりだったりする。


..【ベン・イオアン・ブリットン】

 エリファレットの息子、次男。王都第一騎士団特務隊所属。

 王都騎士団内部の特務隊は、一定の任務に必要な場合に適宜編成される。ウィンター村迷宮事件では、魔物の噴出を契機に、ウィンター村の商業ギルドの徴税回避に圧力をかけ、実質の占領をするための部隊である。

 隊長はウーゴ・ミルワード、ベンは副官として赴任する。

 厳格な父に育てられて、コンプレックスの塊になってしまったベンは、自分の中で他人と優劣を常につけるようになってしまった。

 悲しいかな本人はそれほど武力が高いわけではない。ので、余計にコンプレックスが増長されている。特務隊の平隊員でさえ、副官に任ぜられたベンを疎ましく思っている。

 正確な名前はベンジャミン。


..【ブリットン準男爵の息子】

 ウィンター村の代官として王宮から赴任してきたブリットン準男爵家の長男。ウィンター村は商業ギルドが作ったようなものなので、後から徴税の強制力を持たせるために赴任してきたのがブリットン家である。

 息子は雇った冒険者たちと共に主人公によって殺害された。殺人を過去にしており、その死体を『道具箱』に入れていたため、死亡後に露呈。

 一応名前が……ベネット……ブリットン準男爵の子供は、みんなBから始まる名前だったりする。


..【ブリットン準男爵の息子に雇われた者たち】

 雇われた男たちは三人。王都の冒険者ギルド所属の冒険者、ドワーフ村鉱山の逃亡奴隷、無所属。いずれも主人公に尻を短剣で突かれて内臓まで破壊されて死亡。死亡時にはやはり『道具箱』に入っていた死体がゴロゴロでてきた。


..【バッブ・バーシャク】

 バーシャク家当主。元王都騎士団で、元ブリットンの部下。一代貴族である騎士階級ではあるが、息子たちが独り立ちできずに引退できないでいる。五十代の総髪。

 ブリットン準男爵家に仕えている従士家はバーシャク家とビクスピー家。総じてバーシャク家の方が発言力がある。


..【マール・メトカーフ】

 商業ギルドウィンター支部長。実質の村長であり、二十人ほどの冒険者を常駐させているため、武力的にもブリットンと拮抗していた。ウーゴたち特務隊が駐留したことでバランス崩壊を懸念し、ワシントン本部長を通じて冒険者ギルドに増員を依頼。どちらにも与しないという姿勢を示すために、冒険者ギルドは主人公を送り込むことになる。

 中年のイケメン、顔がとても小さい。ただ体力はなく、体も鍛えていないので優男である。常にウィンター村を客観視しているので、エリファレットと比べると、この男の方がずっと領主の才覚があったりする。

 マテオとは旧知でライバル関係だった。

 ワシントンが救援に駆けつけるまではバランスを取ることに苦慮していたのだが……。


..【オーウェン】

 前任のジャクソン神父の代わりに就任した。過疎村であり、商業ギルドが我が物顔で闊歩し、不信心者ばかりで、前任者が非業の死を遂げたウィンター村に送る神父なので、いわゆるエース級やエリートではなく、出世コースから外れた、ついでに頭のネジも外れた人物が送られてくるのは自明の理である。

 痩せぎすでオドオドしている姿は底の浅い演技ではあるものの、一般信者からはともかく、周囲からは胡散臭い人物という評価を得ている。

 素のオーウェン神父はサディストだが、誰もオーウェンに虐められる位置なんかに立たないので、その欲求が満たされたことはない。

 性格に難はあるが、支部の運営能力そのものは高い。



.《冒険者ギルドウィンター支部関係者》


..【ティボールド・ヤング】

 冒険者ギルドウィンター村支部支部長。主人公が着任したことで副支部長に降格。五十過ぎのヒューマン。

 元々足を怪我していることで引退した冒険者。義足を付けている。


..【ボリス・ジェームス】

 元冒険者ギルドポートマット支部の副支部長。

 現、ウィンター村支部の平職員。要するに雑用。

 影が薄く、いつまでたっても覚えてもらえないのは相変わらず。四十歳過ぎの丸顔で童顔。


..【ラーラ・ヤング】

 冒険者ギルドウィンター支部の受付嬢。十五歳のバラン。別にブリジットと血縁関係があるわけではない。

 母親の再婚相手がティボールド。母親も冒険者だった。実の両親は二人とも死亡。肉親の死から立ち直りつつあるが、それはティボールドが無償の愛情を注いでくれているから。それが理解できていても受け入れられず、反抗期真っ盛り。最初に主人公が看破したように、視力が悪い。切れ長で眼を細めているので、不機嫌そうに見られている。


..【サイラス】

 ウィンター村支部拡充期に本部から異動してきた。中年になりかけ、奥さんと一男一女の子供がいる。一緒に連れてきた。この奥さんも冒険者。中堅の受付業務担当者で、セロン・ミドルトンと懇意。


..【メーガン】

 ウィンター村支部拡充期に本部から異動してきた。ジネブラとほぼ同期、業務に慣れかけだけど慌てん坊のドジっ子。視力が悪い。けど、多分目の病気。


..【ジネブラ】

 ウィンター村支部拡充期に本部から異動してきた。黒髪でほっそりしていて病弱。冒険者に憧れて冒険者になったものの、研修の初日に倒れて適性がない、と判断されて、受付業務に回された。


..【ギネオス】

 現地雇用者。受付専門。髭面の二十代。名前だけ。




.《グリテン王国王宮関係者》


..【スチュワート・フィリップ・ヨハネ・ウィザー】

 グリテン国王。五十三歳。ロンデニオン公爵。一般的には愚王と思われているが、少なくとも賢王ではない。ウィザー家家長。色白で痩せている。



..【オーガスタ・ロザリンド・マリア・ウィザー】

 スチュワートの実子、第二王女。婚約者が次々に死んでいく不遇の王女。

 母は第二后ロザリンド。

 肉食系の血筋を持ちながらも発散の場を与えられないでいる。オピウム中毒にさせられ、ゴヴァンの良いように言うことを聞いていた。意志は弱い。


..【ヴェロニカ・ロザリンド・ミカエル・ウィザー】

 スチュワートの実子、第三王女。

 母親は第三后ヴィヴィアンだけれども、政変でヴィヴィアンが失脚したため、保身のためにロザリンドの娘を名乗り恭順を示している。元々食が細く生気に乏しい。

 オーガスタと同じくオピウム中毒になっていた。後日アイザイアから正式に求婚をされる。それを愛のない結婚だと思っているのはヴェロニカだけだったりする。




..【ゴヴァン・アレクサンダー・ダグラス】

 プロセア軍のポートマット侵攻まで宰相に在職。

 父、祖父も宰相を歴任した名門中の名門貴族。

 勇者を召喚し、戦力向上を図ろうとするものの、毎回潰されて苦い思いをしている。

 起死回生の手段として、王女二人を薬漬けにし、プロセアと内通し、第四騎士団を動かしてポートマットを落とそうとしていた。

 なお、本人は本文中には一度も顔を出さないまま死亡。

 国を憂いていたというのは事実のようで、多くの信奉者がいる。その信奉者はプロセア軍撃退後にほぼ粛正されてしまう。アーロン、マシューの実父。



..【エイハブ・アレクサンダー・ダグラス】

 子爵。ゴヴァンの長男。次期宰相と目されていたものの失脚。更迭前に勇者を召喚させ、連れだそうとしたが拿捕されてしまう。父親とともに極秘のうちに処刑される。風貌や体格がゴヴァンにそっくり。

 なお、ダグラス家のミドルネームは男子は同じ名前をつけることが慣習になっている。決して面倒臭かったからではない。



..【リッケンバッカー】

 王宮の料理人。王城厨房のシェフ。普通、こういう名誉職は舌のぼやけた貴族がなるが、彼は大陸の出身で、貴族ではない。その分真面目に味の追求をしている真面目な料理人。主人公とは共感できる部分が多々あったようだ。



..【エイブラハム・パウロ・クレーン】

 男爵。代々王家の庭園管理を任されている、割と名家の当主。だけど本人の普段の姿は日焼けした農夫にしか見えない。ワイン大好きで中年太り、上半身がガッシリしている。


..【デイヴィット・スチュワート・ガブリエル・ウィザー】

 スチュワートの実子、第一王子で母親は正妃テレサ(故人)。大人しく自己主張しない性格。スチュワートが後を継がせようとしているが暗愚間違いなしなので、周囲が即位を阻止しようと動いてしまう。能力的には問題はないが、俗世間に関心がなく、覇気もなく、他に趣味と言えるものといえば乗馬くらい。

 曰く、無欲の王子。


..【アベル・スチュワート・ベカ・ウィザー】

 スチュワートの実子、第二王子で母親は第二夫人ロザリンド。すぐに癇癪を起こし、堪え性が泣くワガママ。デイヴィットとは違う意味で他人に関心がもてない、君主にしてはいけない人材の一人。食べ物も好き嫌いが激しく、痩せている。

 曰く、未成熟の王子。


..【シャロン・スチュワート・ヨハネ・ウィザー】

 スチュワートの実子、第五王子で母親は第三夫人ヴィヴィアン。母が出奔していて、弱い立場に追いやられていた。本人も自覚しているのか、偉い人の前ではオドオドしている。ただし、威張れる相手ならとことん傲慢になる。他者が嫌いなので、実は一番暴君になる可能性のある王子。

 曰く、虐待の王子。


 三王子とも、客観的には君主の資質に著しく欠ける。凡夫と評判だったエドワードが一番マシだったという。そのエドは王宮が嫌で嫌で仕方がなかったからしょうがない。



..【ザカライアス・グレゴリウス・ブッシュ】

 スチュワートによって任命された、ロンデニオン市市長。

 ご本人はとっても厳格な人で、正面から見ると偉人に見える。自分にも他人にも厳しい。市長は法務官と裁判官も兼ねる。ロンデニオンのバガボンド斬り捨て政策は、市民の義務を果たさない連中などいらん、と言い放ったことから始まった。

 ブッシュ家、ホドキンソン家、ダグラス家、三家持ち回りで、宰相、ロンデニオン市長、副市長を務めている。ダグラス家が断絶したが、宰相はブッシュ、ホドキンソン両家から補充されることをスチュワートが拒否。

 年齢は登場時三十六歳。アーロンと幼なじみで、かなり影響を与えている。



..【オージアス・エレミヤ・ホドキンソン】

 ロンデニオン市副市長、財務担当。

 ロンデニオン市はウィザー家の領地。グリテン王国は中央集権国家とはいえない半端な状態で、実質、グリテン王国の財務省のトップということになる。税収ということで領内の農政も担当し、しっかり私腹も肥やしていて、グリテン王国、影の支配者ともいえる存在。

 本人は如才なく賄賂を配りまくって地位の安泰を図っている。ホドキンソン家に従っているのが主流派で、元々スチュワートを立てていた。マッコーの画策でアベルを支持することになっていたので、アベル逃亡の際に立場を悪くしてしまう。

 マッコーキンデール家、ダグラス家、ブッシュ家、ホドキンソン家は全て伯爵家。ホドキンソン家は新興で家格が低く、それが拝金主義に走らせていた。

 登場時の年齢は四十二歳。十八歳の時に家長を継いでいるため、この地位に就いてから長いのも腐敗の要因である。



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国王スチュワート(ロンデニオン公爵) 四十三歳


第一王子デイヴィット 二十七歳 母:正妃テレサ

第二王子アベル    二十三歳 母:第二妃ロザリンド

第三王子ダニエル   二十三歳 母:第二妃ロザリンド

第四王子エドワード  二十一歳 母:正妃テレサ

第五王子シャロン   十六歳 母:第三妃ヴィヴィアン


第一王女マティルダ  二十四歳 母:第二妃ロザリンド

第二王女オーガスタ  十八歳 母:第二妃ロザリンド

第三王女ヴェロニカ  十三歳 母:第三妃ヴィヴィアン


第一妃テレサ     故人

第二妃ロザリンド   三十八歳

第三妃ヴィヴィアン  二十九歳


リタ         二十歳 デイヴィットの正妻

アニス        十八歳 デイヴィットの側室


ヨランダ        九歳 アベルの正妻

マチルダ       十一歳 ダニエルの正妻


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ノクスフォド公爵 四十歳


長男 ファリス    二十三歳

次男 オースティン  二十一歳

長女 コーネリア   十九歳

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.《冒険者ギルド本部関係者》


..【ザン・スプリングフィールド】

 冒険者ギルド本部、本部長。グリテンの冒険者ギルドで一番偉い!

 三人しかいない特級冒険者のうちの一人。盾の高レベルスキルを持つ。ガチで主人公とやったら、魔法抜きなら互角と思われる。ただし主人公は進化しつづけているので、いつまでも互角とはいえない。

 豪放で剛胆な性格、部下を率いるカリスマ、先読みの感性、大組織の長に相応しい男。反面、事務処理能力は皆無と言っていい。

 フェイとは古い知り合いだが圧倒的に年下でもある。頼る部分はフェイに頼ってもいる。

 足を悪くしており、現役冒険者としては開店休業状態である。

『豪腕』の二つ名を持つ。地声がめちゃめちゃ大きい。



..【ブリジット・オルブライト】

 冒険者ギルド本部、本部長付け秘書。本部長より偉そうな時がある。

 事務処理能力に長けていて、ザンは彼女がいないと虫以下、と揶揄されるほど。

 特級冒険者であり、暗殺向けスキル構成。

 魔族バランであり、耳こそ尖っていないが、日焼けした肌。ウェーブのかかった金髪に肉感的でしなやかな体躯。

 幼い彼女をフェイが引き取って育成した過去があり、フェイの望むお嫁さんになるのが目標であり夢。ゲテモノ食好きで、ゲテ食界では知られた存在。お肌が気になる三十路だが、虫食のおかげか、今もツルツルである。

 暗殺者、短剣使いとしては、『自分よりも上』と主人公は評価している。ただし現時点ではわからない。

 通称ブリ姉さん、ゲテ姉貴、ゲテ師匠。密かに料理LV5持ち。

『陰影』の二つ名を持つ。



..【キャロル】

『全知』の二つ名で呼ばれる。副本部長で感知、鑑定系のプロ。視線が粘っこい中年男性。その視線にはなにやら深い意味があるらしいが、普通にキモイ。事務能力、指揮能力、調査能力、ともに高い。特級冒険者。


..【イオン】

『神速』の二つ名で呼ばれる冒険者ギルド最速の男。上級冒険者。『加速』スキルLV3持ち、ギルド内部警察である特務課の課長。足も速いが喋りも速い。三十代半ばだが落ち着きがないように見えてしまい、いまだ独身。


..【シェミー】

『海』と呼ばれる。『遠泳』『速泳』持ちの魔族女性。上級冒険者。必要に応じて泳ぎに特化した体型に変化できる、マーフォークという種族。アラサーで独身。下半身が立派。

 種族的に陸上では真価を発揮しないため、弱点である陸上戦闘能力を高めるための努力をしている。斜に構えたところがある。冒険者ギルド本部からの指名により、ポートマットで要人警護の任に就く。

 百合っぽくショタっぽい。


..【ジーン】

 シェミーの実妹。同じくマーフォークでスキルなどはほぼ同等。下半身は人よりは大きいが姉ほど立派ではない。『川』の二つ名で呼ばれるが、別に淡水しか泳げないわけではない。上級冒険者。


..【ハーモニー】

『美声』の二つ名を持つ上級冒険者。吟遊詩人のスキル構成。で、本人単体よりも、誰かと組ませる方が真価を発揮する。強化魔法の付与に優れた人物。男性ながら高音の歌声が素晴らしい。アラフォーで太めの体型。


..【カレン・サンダース】

 大柄でがっちりした体型のガテン系姉御。『陸亀』の二つ名で呼ばれる盾使いの名手。全グリテン盾だけ選手権があればトップ3には入る実力。主武装は短槍。豪放な性格のアラサー女性、結婚はしていないが、実はかなりモテる。冒険者ギルド本部からの指名により、ポートマットで要人警護の任に就く。上級冒険者。


..【リチャード・ラル】

『針鼠』と呼ばれる細剣使い。四十歳を超えて少し速度が衰えたものの、手数の多さは健在。事務処理能力も高い。上級冒険者。

 後にロンデニオン西迷宮支部の支部長になる。


..【エイダ・ウィルソン】

 水系魔法の名手。『水姫』と呼ばれ、同名のスキルは上級を遙かに超える威力を持つ単体魔法(水姫、水竜はユニークスキルではない)。上級範囲魔法の威力も高く、広域殲滅戦で真価を発揮する。実は割とお年を召した、肉感的で金髪縦ロールのエルフ(たぶんベッキーと同年代)。王都のアパートで妹レダと二人暮らし。姉妹でウィートクロフトの弟子。上級冒険者。熊さんぽいワイルドな異性が好み。


..【レダ・ウィルソン】

 姉のエイダと同じく水系魔法の得意なエルフ。上級範囲魔法の威力は姉に劣るものの、二つ名の由来になっている『水竜』のスキルは単体攻撃魔法で『水姫』とほぼ同じもの。形が違うだけ。エイダよりも痩せており、スレンダースキーにとても人気があるが、実は割とお年を召していらっしゃる。ウェーブが掛かった金髪で肩までのセミロング。上級冒険者。


..【クロイ・オード】

 別に黒人ではない。付与強化した石を投げる名手で『水晶』の二つ名を持つ。普段はあまり喋らないで、ニコニコと石を磨いている。水晶ばかり投げているわけではない。支援、中距離攻撃に長けた上級冒険者。


..【ダミアン】

『慈母』と呼ばれる男性の治癒術師。水系の治癒魔法に長ける。体格は良く、毛深いが、情愛も深い。三十路過ぎ。色んな意味で希少性の高い上級冒険者。


..【フラン】

『冷血』と呼ばれる治癒術師。光系の治癒魔法に長ける。神官で教会と身分が重複している。三十路中盤の女性で既婚。シスターではあるが、別に結婚は規制されていない。上級冒険者。


..【カルステン・ウィートクロフト】

 範囲攻撃魔法が得意な上級冒険者。いつの頃からか行方不明になっており、噂では大陸に渡ったとも死んだとも言われている。少なくない数の弟子が存在し、彼の感覚的なコーチングについて来られた者は、それなりに大成している。ほとんどの者はついてこられないが。

 御年六十歳は超えているものと思われる。主人公修行時に、彼のスキルはコピーされた。腰痛持ち。酒と女にだらしない。二つ名が一応あって『無差別』だった。


..【エリック・バーン】

 本編未登場。冒険者ギルド本部の清掃係として採用されていた元冒険者。家族を人質に取られ……えーと誰だっけ、ポートマット支部の副支部長の人……と連絡を取り、王都第四期師団に内通していた。殺されたかどうかは不明。


..【カー】

 特務課所属。中級冒険者でイオンの部下。足が速い。


..【オルトン】

 特務課所属。中級冒険者でイオンの部下。足が速い。



..【セロン・ミドルトン】

 ベッキーの実子。長男。普段は王都とドワーフ村の定期隊商の護衛を生業としている中級冒険者。本部所属。人数不足の護衛団のため、殆ど休みなく働いている。ブラック護衛団なのだけど本人は充実しているっぽい。


..【スティーヴン・ミドルトン】

 ベッキーの実子、次男。スティーヴ・マーローの偽名で王都冒険者ギルドに所属していた。中級になりかけ、のところでポーターとして雇われていたパーティーが半壊、死亡する。実際にはポーターどころか戦力として扱われていたようで、ロンデニオン西迷宮の第八階層でレイド狩りをしていたところをスライムに襲われた。

 遺品が戻り、死亡したと推定されている。




.《王都騎士団》


..【ファリス・ニコライ・ブノア】

 王都第一騎士団団長。くすんだ金髪のイケメン。アラサーでロリコンの気がある。父親はノックス公爵。ノックス公爵は現国王スチュワートの弟。なので国王は伯父に当たる。

 真っ当な正義感を持ち、国を憂う気持ちも持っているが、職務と理想の狭間で苦しむ。前宰相ダグラスが更迭されたため、一時的に宰相代理として活動する。主人公に興味を持ち、軍事的にも政治的にも自分の趣味的にも利用しようとしているのが見え見えなのに嫌みがないという奇特な人物。家督は継いでいないものの、すでに伯爵様。

 ちなみに『第一大隊』隊長、と名乗っているものの、第一騎士団に大隊は一つしかないので実質団長であり、実際団長も兼ねている。

 元冒険者で、ザン、ブリジットらと以前から親交があった。



..【パスカル・サミュエル・メイスフィールド】

 王都第二騎士団団長。肩幅の広い、緑色の髪が逆立った、大柄な人物。声も野太い。三十路手前。

 報われない恋をしていた時期があり、その反動で異性が苦手になっている。本来はもう結婚していないといけない年齢で、婚約者も一応いるのに、多忙を理由に全然話を進めていない。

 現実の女性に幻滅していた彼は、某港町のロータリーに飾ってあった少女騎士像を見て天啓を受け、以降人形収集に熱心になる。

 第二騎士団半壊後は、勇者オダを鍛えつつ、再建に尽力する。第二騎士団半壊は不幸な巡り合わせが原因だと分析している。団長としては優秀な部類。

 ファリスよりも融通が利かない武人だが、ガラス少女との出会いが、彼の運命を少しずつ変えていく。ガラス少女ラヴ。



..【パラマ・クリト・ランド】

 第四騎士団団長。子爵。

 多くの後輩を育てた愚直で融通の利かない老紳士。教え子ももれなく硬直した人材を量産することになった。軍隊の兵隊の育成としては大正解。周囲や爵位、家の問題もあり、ゴヴァンに利用されることを甘んじて受け入れなければならなくなる。


..【マシュー・アレクサンダー・ダグラス】

 男爵。爵位上は弟のアーロンに抜かれている。第四騎士団第四隊隊長。ゴヴァン・ダグラスの次男。奥さんと、自分の稼ぎで賄えないのにお妾さんが四人。自分で親に嫌われるような行動ばかりしていた。構ってちゃん。ゴヴァンからは疎んじられていたが、利用のしどころが見つかり、捨て駒にされた。

 言いたいことを言った後に主人公に殺され、野盗として死体は処理された。


..【マクダネル】

 マシューの部下。王都第四騎士団第四隊隊員。主人公に暴行されそうになる。暴行は実行されなかったが、その後に登場した第一騎士団団員に、野盗として処分された。


..【ニール・マッキロイ】

 男爵。王都第二騎士団第五隊所属。温泉発見の報告を聞いて王都から飛んできた。夜勤だった。

 普通に白人っぽい。黄色くはない。


..【ウーゴ・コロンバ・ミルワード】

 第一騎士団の副団長。ファリスに似て生真面目かつ、いいところのお坊ちゃん。次男坊。知己が多く策謀の中心になることが多い。それでいて真面目な表情のまま生きていけるという希有な人。


..【リアム・アンデレ・フッカー】

 第一騎士団第一隊隊長。エリートオブエリート。両手剣使い。第一隊は精鋭が揃い、六人しか所属していないけれども上級冒険者のパーティーに匹敵する実力と言われている。

 後の近衛騎士団騎士団長。望まぬ栄転に戸惑いながらも職務を果たそうとする。なお、第一隊は全員男性。


..【ミッチ・デーン】

 第一騎士団第一隊所属。後に近衛騎士団。醜い小男で魔物使い。


..【ゴリアテ・ネムツォフ】

 第一騎士団第一隊所属。後に近衛騎士団。両手盾の防御特化の大男。


..【アダム・ネヴィル】

 第一騎士団第一隊所属。後に近衛騎士団。詠唱の早い治癒術師。統合的な治癒能力は冒険者ギルド本部のダミアンには遙かに劣る。


..【カッドマス・アディソン】

 第一騎士団第一隊所属。後に近衛騎士団。小剣と短剣の二刀流。牽制に特化している。


..【イーノック・アルパイ】

 第一騎士団第一隊所属。後に近衛騎士団。支援特化の魔術師。攻撃魔法は中級だが、強化魔法は上級まで使える。主人公を除き、おそらくグリテンで一番腕の立つ付与術師でもある。


..【バルバラ・クネヒト】

 近衛騎士団になってから正式に配属された女魔術師。攻撃力はさほどではないが、防御魔法が得意。良くあるように、強いと噂の黒魔女に敵意を持ち、実際に対峙してやられた後は逆に心酔してしまう。大陸からの移住者で、一般人として入国したものの、騎士団を受験して入団を果たす。実はウィートクロフトの弟子の一人。



..【ダニエル・スチュワート・パウェル・ウィザー】

 スチュワートの実子、第三王子。母は第二后ロザリンド。兄のアベルは同い年だけど双子じゃなくて年子。

 第三騎士団団長。やや太り気味、背は高く、恰幅はいい。貴公子然とはしていない。金髪ストレートの短髪。

 兄アベルが王権簒奪を明確にして動いている中、異母兄デイヴィットと父スチュワート王を立てて動いている。騎士団の一つを掌握していることでバランサーとなる存在だけれども、勝てるところに日和ろうとも算段している。

 自分が王様になるよりも、その下で好き勝手やる方が好き。


..【ハイデン・イアサク・マントル】

 第三騎士団副団長でダニエルの副官。ダニエルより年長でいわゆる従士。本人は男爵、当主でロンデニオンの北西に小さな領地がある。真面目で融通が利かず、王家に尽くす忠臣。勉強はできるものの発想力に欠ける。



..【ジェラルド・ギース】

 第三騎士団第三隊所属、平の騎士。第三騎士団には貴族の師弟が多く、珍しく平民の出。『塔』襲撃時にC群を率いて後退の指揮を執った。



..【リック・バイゴット】

 脱走した、元第四騎士団所属、現第三騎士団所属だった騎士。ポートマット攻めに参加したことで不遇な扱いを受け、それを不満に思った連中を扇動して脱走を企図した首謀者。ランド卿が幽閉されていた塔の地下に何があるのか、知っていたフシがある。




..【ファリスの副官】

 ウーゴとは別に存在。



..【パスカルの副官】

 名前なし。別に人形好きというわけではない。パスカルの趣味が他人とちょっと違うことは理解して先回り行動をする性格。



..【二層の門番】

 門番1:体格がいい。噂好き。連絡の不備もあって、勇者オダと主人公の仲を歪曲して吹聴しようとした。男色。

 門番2:体格がいい。えっちいのは嫌い。常識的な男。ノーマル。



..【ウィザー城駐留の騎士】

 強盗予備軍三人の逮捕にやってきた。特筆すべき人物ではない。芸能人じゃないのに歯が白い。



..【ベン・イオアン・ブリットン】

 ウィンター村関係者の項を参照。



..【第二騎士団、白の隊】

 パスカルと趣味が合うというだけで選抜された面々。三十人ほど。別に武力は高くないけども、色んな変態性を持つ人たち。木像にしか欲情しない、ブロンズ像好き、樹木じゃないとダメ、獣愛など。一番多いのは人形性愛者だったりする。彼らが後の人形文化を広めたとか広めなかったとか。





.《その他ロンデニオンの人たち》



..【ドミニク】

 ダミアンの弟。妹か? 性別は一応男性。冒険者ギルド本部の建物近くで『雌牛の角亭』を経営している。多彩なメニューを誇る繁盛店で、本人も研究熱心。ちなみにドミニクは源氏名で、本名は違う。元中級冒険者。『雌牛の角亭』は朝昼晩と営業しており、いつ休息しているのか不明。店は宿がなく、飲食専門。



..【サイモン】

 ロンデニオン~ポートマット間を運行している特急馬車の御者。ゲテモノ食好き。主人公と関わったために少しだけ人生が変わる。


..【サイモンの部下】

 若い御者。台詞はあるものの名前なし。芋虫ポタージュは飲めるようになったが、他のゲテ食はまだ苦手。


..【靴屋主人】

 黙々と靴を作り続ける熟練の職人。四十代後半。ガラス少女を見ても過剰に驚かず、オーダーを受けた剛胆な一面も見せる。


..【靴屋の奥さん】

 靴屋の奥さん。ちゃんと商売っ気がある。足型を取る作業も担当。接客中もベラベラ喋る。


..【筆専門店の店員】

 暗い。何だかダンマリ。今のところ物語にはあまり絡まない。ロボットみたいな反応をされるけど、別にゴーレムだとかではない。


..【使用人グッズ専門店の店員さん】

 たぶん店主。必要なことをちゃんと教えてくれる。五十代後半の元気なおばさま。

 既製服を中心に扱っており、中でも使用人向けの品揃えが豊富。靴や小物も扱う。


..【小物専門店の店主】

 貴族たちを相手にしている高級店の店主。見栄えが良く美しい商品を揃えている。異性関係に疎いパスカルが何故、こうした小物ショップの常連なのか、と言えば、パスカルの人形好きを知っているから。ガラス少女がただの人形ではないとすぐに見抜き、対応した。それなりの順応性はある。


..【グリーン】

 王都西地区にある中級宿『黄金虫亭』の従業員。名前はグリーンだけど赤い髪をしている。虫料理にこだわりを持つ店主とは懇意、恋仲かどうかは不明。本人はプライドを持って虫料理を啓蒙し続けている。

 ブリジットのゲテ食仲間でもある。魔族バラン



..【アグネス・ブリッジ】

 王都にある魔法道場、ブリッジ道場の主。魔術師としては三流、教え方も上手いとは言えない。道場は斜陽ではあるものの、何故か魔術師ギルドに重用されている。スキルを忘却させるスキルの持ち主。のちの『フリーセル』。



..【ティム・カーン】

 王都にある魔法道場の一つ、『ブリッジ魔法道場』の師範代。のちの『オリバー』。



..【カルロス・マントル】

 中肉中背の中年。王都にある高級宿『ホテル・ロイヤル・ロンデニオン』の総支配人。紅茶を淹れるのが趣味みたいな人。総支配人を任されるには若輩の部類だけども、経営感覚に優れ、斜陽の宿を建て直しつつある。



..【アクラム】

 通称シュクラン(ありがとう)さん。ロンデニオン西迷宮の迷宮都市在住。当地におけるアスリムの顔役。浅黒い肌、ターバン、髭の四十代中年。中肉中背で、いつもニコニコ、ありがとう、と言いながらカバブを提供し続ける偉人。




.《魔術師ギルド》


..【ハーキュリーズ・ルカ・マッコーキンデール】

 ダグラス家と同じく名門貴族、伯爵。魔術師ギルドのギルド長。

 魔術師ギルドは王宮直属、と言われているけれど、かなり勝手な行動も目立つ。物語中、謎な出来事があったら『魔術師ギルドの仕業だ!』と叫んでみても、多分間違いではない。残忍で自己中心的と言われている。



..【クレイトン】

 故人。大魔術師として一世を風靡した。魔術師ギルドの創設者。いつからか後進にギルド長の座を渡して行方不明だという。ヒューマンだったので常識的には生きていない。

『クレイトンの試験』が実話だということはあまり知られていない。



..【ミネルヴァ・キリアム(ミネルヴァ・クィン)】

 フェイとアマンダの娘。エルフとダークエルフのハーフで、この二つの種族のハーフは呪い(という名の弱化パッシブスキル)がかかる。

 魔力総量低下の呪いがあるため、血の滲むような努力をして魔法の才を磨いたが、結局強力な魔法は使えずに腐っていた。

 そこに知り合いの魔術師ウィートクロフトから助言があり、魔術師ギルドへ入ることになる。

 努力家だけれども不器用、素直だけれども愚直の域に達している。

 薄いピンク色の髪、ほっそりしたシルエットは美しいが、いつも僻んだ表情をしているので異性からは人気がない。アラサー。


..【ケリー・ナッシュビル】

 ポートマット西迷宮の奪取に動いていた部隊の一人。四人中三人が迷宮の中を探索、主人公たちと対峙、腹を貫かれて死亡。死亡時三十四歳、精霊魔法使いとしてはかなり高位。死亡直後に不死者生成されて蘇り、主人公の傀儡となる。生前から極めて真面目な性格がそのまま残った。内罰的ではあるがプライドも高い、かなり面倒な人。


..【ハンス・ヨハンソン】

 ポートマット西迷宮の奪取に動いていた部隊の一人。大陸出身。カレンにより頭部を破壊されて、セドリックにより脇腹を刺され、出血死。死亡直後に不死者生成されて蘇り、主人公に精神を支配される。ケリーの部下だった。死亡時二十七才。頭部を破壊されたため、生前の記憶がかなりあやふや。


..【ブレット・キャニング】

 ポートマット西迷宮の奪取に動いていた部隊の一人。首をセドリックに切られて出血死。死亡直後に不死者生成されて蘇り、主人公に精神を支配される。童顔で小太り。生前、魔術師ギルドでは研究部門にも所属していて、複数の魔核を持つ魔物への支配実験を重ねていた。図らずして自身で自分の理論を証明することになる。


..【ウィスパー・アンデレ・コナーズ】

 ポートマット西迷宮の奪取に動いていた部隊の一人。『ボル』を操縦していた。タロスによってボルが破壊されると脱出、その後、主人公によって殺される。準男爵、ポートマット迷宮の奪取に来た部隊の中では総魔力量が多いが精霊魔法が使えなかった。



..【アクロイド】

 初出が死体。ロンデニオン西迷宮の『ボル』を操縦していた。ミノ、オーク軍に箱を開けられ、タコ殴りされて死亡。死体はロンデニオン西迷宮に冷凍保存中だが、死亡から時間が経過しているため、知能のある不死者での復活は絶望的。


..【リトリ】

 初出が死体。ロンデニオン西迷宮の『ボル』を操縦していた。ミノ、オーク軍に箱を開けられ、タコ殴りされて死亡。死体はロンデニオン西迷宮に冷凍保存中だが、死亡から時間が経過しているため、知能のある不死者での復活は絶望的。


..【ジュリアス・ジュリア・オードノギュー】

 精霊魔法の使い手。魔術師ギルド期待の若手で、ナンバー5くらいの地位。子爵で、あまり周囲の意見を聞かずに強行してしまう性格。


..【死んじゃった三人】

 疑似魔法をそれなりに使える武力担当のギルド員。名前は知りません。ちなみに三名とも男性。ノームの土槍で腹を貫かれて死亡。


..【ジュリアスの従士(二人)】

 オードノギュー家の家臣。魔術師的にはイマイチだが、冒険者でいえば中級程度の実力者だった。本来はジュリアスの盾になるように言われていたのに、ジュリアスに人望がなさ過ぎて守ってもらえず、主人死亡。従士たちは普通に巻き込まれて死亡。






.《プロセア軍関係者》


..【冒険者パーティーの面々】

盾の男

長剣の男

短剣のジョーらしい


 上級に匹敵するパーティーだと思われる。カレンによって封殺されていた。盾の男は実力的にはカレンに匹敵するが、風神の盾がチート装備すぎた。

 三人とも主人公に殺されるが、盾の男と長剣の男は勇者ヤマグチによって不死者になり復活。これも排除される。ジョーは細切れになった。


..【アンヌ】

 冒険者パーティーの治癒術師。政略結婚を嫌って出奔。今では籍を外されている、元第四王女。ポートマット防衛戦にて主人公に四つに切られて死亡。美しい魔法杖と小盾を所持していた。



..【エルヴィーネ】

 ヒーラー勇者の補助ヒーラーとして戦場に随伴。第三王女、勇者ヤマグチに一目惚れしてついてきた。事実、彼女がいなければ勇者ヤマグチは凶悪な範囲ヒールを連発はできなかった。かなり高位のヒーラーだけれども、戦場に出たのはもちろん初めて。圧倒的に有利な状況だと判断されたこともあって、プロセア王に戦場行きを許可された。

 時間経過を促進する魔法を誤射で被弾してしまい、溶け落ちてしまう。




..【ヴィンフリート・アントニウス・フォン・プロセア】

 第三王子。グリテン侵攻船団の総指揮官。細剣使いで、侵攻軍全軍中、最強の単体火力だった。単体では強いが、指揮は上手いとはいえない。立案能力も高くなく、指揮官としては凡庸である。それでも僻地討伐では連戦連勝、王子にして『英雄』と呼ばれる。



..【ヘンドリク・アネル・フォン・ブルッフ】

 グリテン侵攻軍船団の実質のとりまとめ役。ヴィンフリートの補佐役であり、想定外の指示を出すヴィンフリートと現場の調整役。




..【オルトヴィーン・アントニウス・フォン・プロセア】

 プロセアの第二王子。グリテン侵攻船団からの音沙汰がないため、様子見に偵察船団の編成を主張、渋った連中を説き伏せるために自らも乗り込む。

 プライドと位は高いが、その他は凡人。



..【アンジェリン】

 ヴィンフィリートの婚約者。侵攻軍本隊出発後の偵察船団に同行。しっかり囚われの身になる。ぽっちゃりさん。くすんだ緑色の髪の毛から、主人公の脳内で『クロレラ粉末をまぶした女』と揶揄される。



..【フリードリヒ・グレゴリウス・フォン・プロセア】

 プロセアの第一王子。貴族の突き上げがあり、賛同してグリテン遠征を企図。遠征失敗後、第二王子オルトヴィーン、第三王子ヴィンフリートに説得されたが、グリテン征服はフリードリヒにとって悲願でもあった。遠征失敗による国内経済の停滞、貴族たちからの信用の低下は深刻で、皇帝は早期に再侵攻を計画しなければならなかった。皇帝が再侵攻を唱える一方で、第二、第三王子は異を唱える中、第一継承者であるフリードリヒは選択を迫られる。当然ながら内心は賛成だったので、第二、第三王子が疎ましい。逆賊として指名手配をしたところで『反戦派』が立ち上がるが、内戦とまでは至らず。第二王子、第三王子の所領はカーンの港街近くだったため、ここからグリテンに難民が送られることになる。第二王子は処刑され、第三王子は生き延びるもリーゼロッテを匿った後は行方不明。

 皇帝はフリードリヒが二人の弟を排した手際を見て恐れ、暗殺しようとするもやり返され、皇帝は崩御。



..【リーゼロッテ・マーガレーテ・フォン・プロセア】

 プロセアの第五王女。ポッチャリさん。「カボチャパンツ」に登場。



..【ララ・アニカ・アッヘンバッハ】

 プロセア近衛騎士団所属。リーゼロッテ付き。最近では専属の護衛として心を許していた一人。



.《召喚勇者》


..【タクヤ・サトウ】

 第一話にて召喚された勇者。ハーレム設立を望んでいたが抹殺される。

 オーガスタ王女に籠絡されて、利用されずに済んだという意味では幸福だったのかもしれない。


ユニークスキル:限界突破



..【シンイチ・ヤマグチ】

 大陸にて召喚された勇者。見た目二十代前半の男性。プロセア軍によって召喚されたものと推測される。

 大陸の暗殺チーム『ハーケン』の魔の手から逃れた強運の持ち主でもあり、この事がグリテン攻めの遠因になった。

 攻撃魔法だけではなく、強力な治癒能力を併せ持つ。水系治癒魔法では比肩する者はいない。解毒能力も高い。

 水系範囲治癒魔法は多大な魔力を必要として、自身の魔力量を超えて発動していた。そのため体力を削っての発動であり、それを補助する治癒術師が別途必要になっていた。

 特筆すべきはユニークスキルで、不死者は実際に主人公の目の前で生成された。完全蘇生は発動に時間がかかり、リキャストも長いが、アンデッド生成は非常にリキャストが短いため、連発が可能。

 外面は良いが、かなり自分勝手で、自分が中心にいないと気が済まない性格。ある意味でとても勇者っぽいが、ヒーラーのスキル構成になっているのは、召喚時の調整によって、すぐに死なない勇者、というリクエストがあったため。


ユニークスキル:死者蘇生(死後一時間以内の完全再生) 不死者生成(死後二四時間以内の不死者再生)



..【レイジ・オダ】

 ゴヴァンの最後っ屁で召喚された勇者。とにかく死なない勇者、という調整で召喚をされたため、ユニークスキルにそれが現れた。

 召喚直後に逃亡することになるが、主人公に首を真っ二つにされる。ところが首をつないだところにユニークスキルが発動、生き返る。

 ジャンクフード好き、異世界に来てからはフィッシュ&チップスにハマっている。平々凡々な顔立ち、見るからにお人好し、他人に騙されやすい。今のところは良いように利用されていることに気づいていないが、オーガスタ王女との仲がどうなるかで、今後の彼の運命は大きく動くことになる。

 現在は第二騎士団で修行中。現時点では『ラーヴァ』襲撃から生き残った唯一の勇者。


ユニークスキル:不死(現在LV7)



..【キヨシ・ホシナ】


 物語の約二百年前に召喚されていた勇者。俗に醤油勇者といえばこの男。ユニークスキルは記録に残っていないが、どうやら精霊魔法の系統だった模様。



..【名も無き勇者1】

 一応名前はあったものの、本編上では死体すら鑑定されておらず名前も知られていない。精霊魔法(光)LV10を持つように指定されて召喚された。召喚直後にナイフで刺されて出血多量で死亡。スキルを盗られるため、それだけのために召喚された。


..【名も無き勇者2】

 一応名前はあったものの、本編上では死体すら鑑定されておらず名前も知られていない。精霊魔法(闇)LV10を持つように指定されて召喚された。召喚直後にナイフで刺されて出血多量で死亡。スキルを盗られるため、それだけのために召喚された。






.《『使徒』関係者》


..【アマンダ・ナッシュ】

 主人公の前任者。暗殺に優れたスキル構成で、主人公の暗殺の師匠。

 故人といえるが『使徒』に昇進したのでパーソナリティとしては存在していると思われる。奔放で自己中心的な性格、それでいて周囲を黙らせるほどの実力者だった。

 フェイとの間に一人娘がいる。



..【カナビラ・ハーケン】

 大陸で活動中の勇者殺しチームの一人。主人公と同等の戦力を持っていると推測される。主人公より数年早く活動を始めており、その分寿命が早く訪れた。中身男で、ドワーフ娘の肉体と乖離した精神に苦悩していた。ちなみに主人公とは違う世界に住んでいたらしい。アクロバット的な動きで翻弄、手に持つハーケンで頭を叩き割る。『超貫通』のユニークスキルを持つ。直径一ミリの穴を最大二メトル(四メートル)の長さまで開けられる。空間系スキルと言われる。


..【デジタル・カメラ】

 大陸で活動中の勇者殺しチームの一人。ハーケンとは別チームだが、親交もあり、時折共同作戦も実施していた。主人公と同等の戦力を持っていると推測される。『紛れ』のユニークスキルを持つ。その場にいることに誰も違和感を持たないようになる。隠密性に優れ、本気で隠れた時には使徒の監視からも逃れた。中身は男で、盗撮マニアだった。


..【ロリポップ・キャンディ】

 ユリアン司教初恋の人。寿命で死亡。


..【ショパン・スコア・ピアノ】

 キャロルと恋仲だった。二十年以上生存。寿命で死亡。子孫は作らず。


..【ハンマー・ポンチ】

 寿命で死亡。ハーキュリーズ・マッコーキンデールの母体。


..【スマート・フォン】

 現状認識ができず自害。



..【ジェネシス】

 サーバ管理用の汎用プログラム。ジェネシスは個体名ではなく製品名。愛称もなく延々と管理を続けていた。






.《トーマス商店所有の奴隷》

 ドロシーが選んだので優男が多い印象。

 初期購入四十名。のちに二十名追加


..【フェルテン・ポルツ】

 元プロセア準男爵の四男。最後にドロシーが指名した一人。

 リーダーシップをそれなりに持っている。


..【ウルリヒ・ボルツ】

 元プロセア準男爵の五男。最後にドロシーが指名した一人。




..【リンケ】

 トーマス所有奴隷の料理番。


..【メグレ】

 トーマス所有奴隷の料理番。





.《主人公所有の奴隷》

 主人公が筋肉ダルマや男臭いのを中心に選んだ。

 初期購入十名、のちに十名追加。


..【クレメンス】

 元プロセア軍人で元貴族。多少ではあるが魔法の素養がある。後に主人公奴隷の奴隷頭に任命される。


..【コルン】

 主人公所有奴隷の料理番。

 料理屋の下働きをしていたが、店が潰れて軍に料理番で入った。何も伝えてないのに料理番を任命されて驚くとともに、天職だと割り切る覚悟を見せる。

 二十代前半で鼻は低くソバカスがあり赤毛で、指が太いけど器用。


..【カール】

 主人公所有奴隷。元準男爵家の五男。頭は悪くない。新しい物好き。後に二号店を任されることになる。




.《精霊》


..【精霊について】

 この世界での「精霊」は一定の法則に従って魔力を伴って意思の通りに行動する存在である。「意思のある魔力」と言い換えても過言ではない。精霊魔法を行使できるのは、精霊に好かれなければならない。元々「疑似魔法」は純魔力によって精霊魔法を模した物であり、精霊はその使い手を蔑視する傾向がある。よって両者を行使できる術者は非情に稀。

 理屈の上では火、水、風、土、光、闇の他に空間の精霊、というものもいるはずだが、その存在を確認した者はいない。

 なお、「格」が存在し、周囲の同種精霊に対する影響の強弱に関係するため、同種の精霊使いが対決した場合には圧倒的な差が出てしまう。



..【ノーム・ジ・アース】

 土の最上位精霊。お爺さんを模している。土、鉱物、植物に詳しい。土精霊単体だと防御力はあれど攻撃力はあまりない。魔術師ギルド所属、ジュリアスと契約していたが、主人公に倒され、面白そうだと嬉々として契約。LV10の最上級精霊はユニークスキルに相当するため、疑似魔法を覚えていても習得が可能。

 土精霊は物質、物事の結びつきを強めたり弱めたりする。

 一人称は「儂」。


..【ダークネス・ザ・ダーク】

 単にザ・ダークとも言われる、長きにわたって存在する最上級闇精霊。寡黙だが皮肉屋で、見るもの全てを達観したように評する。

 闇精霊はエネルギー(波)を吸収してどこかに送っていると思われているけども、実態は「変換」して均衡を保つ役割を持つ。何とどう「変換」しているのかは、未だ謎。


..【ダーク・ウォールト】

 闇の精霊に食われた前領主のレイスが個体意識を持った存在。登場時LV5精霊、後にLV7精霊。騙されない、を連呼しつつも騙されて主人公と契約。実体化した場合、名探偵コ○ンに出てくる黒い人形みたいになる。


..【ウォールト・ザ・ダーク】

 ダークネス・ザ・ダークが消滅の危機に際して、主人公内部にいたダーク・ウォールトに呼びかけ、呼応して合体、融合した姿。格は最上級精霊だが、ダークネス一体よりも使役できる闇精霊の数が多い。精霊同士が戦うことは(性質が発揮されるフィールドがそもそも違うので)不毛な争いになるが、仮に戦ったとしたら最強の精霊集合体である。


..【ライト・ザ・ブライト】

 光の最上級精霊。

 一人称は妾。自己の利益のためなら容易に趣旨替えをする。「波」そのものを操るため、視覚情報、聴覚情報、嗅覚情報など、あらゆる情報を遮断できる。

 世界のどこかに存在してはいたが、勇者召還によってユニークスキルとして添付されるために召喚された。


..【シルフ・ジ・ウィンド】

 風の最上級精霊。

 一人称は私、オカマっぽい。

 風精霊は物事の方向を決める役割を担う。


..【ウンディーネ・ジ・ウォーター】

 水の最上級精霊。

 一人称はあたし。水でできた少女の格好をしている。

 水精霊は特定の範囲に特定の物事を集約させたり薄くしたりする。

 主人公に敗退後、テーテュースに最上級の地位を譲り、自身はLV9精霊としてハーキュリーズ・マッコーキンデールと添い遂げる覚悟を見せる。


..【テーテュース・ジ・ウォーター】

 ウンディーネが主人公との契約を拒否したため、周囲の水精霊から募った。壮大な名称を戴くものの、最上級精霊としてはまだ未熟。意思は伝わるものの、言語化が困難な状況。ただし内在するポテンシャルはウンディーネを上回る。千年後くらいには追い抜くとされる。


..【光の精霊たち】

 エミーの周囲に集っていた、『聖女オーラ』の正体。後に集合体となり、ユニコーン形態を取る。


..【ブライト・ユニコーン】

 ユニコーン形態を取った、エミーを守護する光の精霊たちの集合体。精霊視スキルを持たないものには見えない。ただし魔力感知に優れた者であれば、存在を知覚することは可能(光ったモノとして見える)。



.《魔物、及び半魔物》


..【エスモンド・ヘッド】

 正式にはまだ名付けられていない。一度死亡(死にかけ)したものの、迷宮の土と血肉が混ざり合い、アルパカ銀製の外殻を持って強引に蘇った。



..【ランドスライム】

 元ランド卿。魔物化の影響を強く受けて粘菌に冒されてスライム化。軍事的なアドバイザーではあるけど硬直していて知識も古いので、役立たず扱いされている。

 一人称は「私」。


..【オネシマス・ゴーア(オネガイシマス・メイズ)】

 ブリスト迷宮にて半魔物化の洗礼を受け、人間とも魔物ともつかない存在になってしまった第三騎士団出身十八人のうち、精神的なリーダーになっている男。『魔物使役』により、迷宮に縛られているため、あまり迷宮から遠くへはいけない。これは主人公が後日、技術的に解決することで、近隣の街程度なら行動できるようになる。

 リアリストで実務家の素質がある。

 なお、ブリスト領地との交渉以降は、オネガイシマス・メイズと名乗っている。迷宮ハート騎士団、十八人組は全員家名は偽名で『メイズ』を名乗っている。



..【ホフマン】

 ブリスト迷宮で半魔物化の影響を受けた騎士団出身十八人のうちの一人。初期に脱皮を繰り返す。通称脱皮マン。研究対象になることで、更なる発展が見られることになる。



..【スペクトル・フォア】

 ヴァンサンとカサンドラの子。実父は前ボンマット出張所所長のカレル・リンド。カサンドラが妊娠中に魔物化ウィルスに母子感染。そのため、誕生時には25%が魔物の状態だった。見た目はハーフエルフながら、隠密性に長けた性質を持ち、後年活躍することになる。



..【ノーブルオークとノーブルミノタウロスについて】

 迷宮の普遍的な魔物であるオーク、ミノタウロスをベースに遺伝子改良を施した新種の魔物。主に知力が上がるように調整し、言語野が発達。高等教育を受けさせているので、ヒューマンと比較しても能力の高い個体が多い。主に迷宮関連の土木、建造作業に従事。当初は百体ずつ培養槽で生産、その後千体ずつ、微妙に遺伝子を変えながら生産。通常の生殖活動での繁殖に切り替えた。物語終了時点では、すでに少数民族と呼べるほどの人数になっている。


..【イチ】

 ノーブルオーク開発最初期に誕生したスーパー個体。言語理解に才を示し、流暢なヒューマン語を操る。土木、造船方面で主人公の薫陶を強く受け、迷宮絡みの工事や建造に重用される。


..【ニー】

 ノーブルオーク開発最初期に誕生した個体の一つ。イチをベースにしたクローン体で、知力が上がるように調整している。そのためにかなり理屈っぽい。


..【シー】

 ノーブルオーク開発最初期に誕生した個体の一つ。イチをベースにしたクローン体で、魔力が上がるように調整している。魔力特化個体ではあるが、指導者としてのカリスマに溢れる。


..【トオ】

 ノーブルオーク。ドレッドノート艦長。



..【サティン】

 ノーブルミノタウロス。通称十三(ジュウゾウ)。仮称ヤマト艦長。


..【イソロク】

 ノーブルオーク。ロンデニオン西迷宮出身、ブリスト中央迷宮新設のため異動。凄く理屈っぽい。


..【ツクモ】

 ノーブルミノタウロス。ロンデニオン西迷宮出身、ブリスト中央迷宮新設のため異動。別に武術が得意というわけではない。


..【シロー】

 何だかとっても頭の切れるノーブルオーク。ロンデニオン西迷宮出身。ノーチラスで研修後、ホワイト・セプテンバー艦長に異動。


..【トシゾー】

 ノーブルオーク。一〇四三番目に生まれたことになっているが、定かではない。『アンドロメダ―』初代艦長。性質は豪胆で目的のためなら艦の損傷も気にしない。割と長くサティンの補助をしていた。



.《錬金術師ギルド》


..【ラシーン・セルウェン】

 女性、四十代半ば。作中の二十年ほど前までは王宮管理の書庫で働いていた。下級貴族の令嬢だったが、家が没落してクビになり、その際に一冊の本を盗み出し、それを元に錬金術師ギルドを設立して、発展させた人物。ここのところはギルド運営が上手くいっておらず、周囲にヒステリックに当たり散らすようになった。即物的で自分以外にはあまり関心がないと主人公に看破されている。

 ウィンター迷宮戦で唯一生存していたが、モンローに憑依され体調が悪化。その後、分離した魂をアバターに封入され、『黒』と呼ばれることになる。後年『黒い錬金術師』と呼ばれることになるが、その姿はハカイダ○そのものである。


..【エスモンド・ヘッド】

 三十代半ばの男性。平凡な顔立ち、凡庸な能力と至って普通の中年。錬金術師ギルドに所属をしているものの、本人は錬成スキルなどは一切使えない。ギルドぐるみで主人公を襲撃しようとしたが、見つかって逃亡、逃げ切れずに捕縛される。仕込まれていた魔道具で口封じをされ、死亡したものの、丸くなって復活。


..【ローズマリー・マクドネル】

 女・二十代半ば。主人公を襲撃しようと待機していたものの、エスモンドが見つかったことでさっさと切り捨てて逃亡に成功。セルウェンに近い立場で、実質の幹部扱い。錬成LV2持ち。気が強く自己中心的。

 ウィンター迷宮戦で死亡、その後、分離した魂をアバターに封入され、『赤』と呼ばれることになる。


..【ジェフ・オーデッツ】

 男・二十代後半。エスモンドと同じく荷物持ち要員。力持ち、力自慢。自分ではモテていると思っているけども、いいように使われているだけ。エスモンドの事も見下していたが、客観的に見るとエスモンドと同列かそれ以下の扱い。

 ウィンター迷宮戦で死亡、不死者になっていたところを主人公に『浄化』された。


..【シーラ・ソレク】

 女・二十代前半。錬成LV1持ち、質の悪いポーション程度なら作れる。大人しいのを良いことに、いいように使われている下っ端。

 ウィンター迷宮戦で死亡、その後、分離した魂をアバターに封入され、『青』と呼ばれることになる。


..【サビィ・モンロー】

 ポートマットに存在したモンロー研究所所長。錬成LV3持ち。モンロー研究所は実質のポートマット支部で、オピウムの精製はここでやっていた。左手が不自由な障害を抱えている。死亡後に幽霊になり、ラシーンに憑依、魂が融合する。

 その後、分離した魂をアバターに封入され、『銀』と呼ばれることになる。



.《ボンマット関係者》


..【トバイア・キリル・ペティンガー】

 ボンマット子爵。ボンマットは小さな領地の殆どが切り立った崖など、およそ耕作に向いていない不毛の土地。僅かな耕作可能地を塩田に使っていて、他領に塩を売ってかなり儲けている。

 けど、領民は死にそうになっている。

 複数の冒険者チームを雇用し、常設の騎士団は持たない。


..【ヴァンサン・フォア】

 ペティンガーに雇われた冒険者チーム『リベルテ』のリーダー。上級、所属は大陸の港町、カーンの冒険者ギルド支部。

 元々大陸で募っていたので、グリテンの冒険者ギルドは『リベルテ』の情報をそれほど持っているわけではなく未知数。雇われて三年ほど。

 ヴァンサンはフランスっぽい地域の出身、筋肉質の大男ながら、癖のあるチームメンバーをまとめる。『リベルテ』は武力よりも情報戦、民衆の扇動や情報操作、スパイ活動などに強いチーム。槍使い。水系治癒、後方支援に長けている。広範囲の『気配探知』持ち。

 プロセアに占領されて領地を失った貴族の息子。

 なお、大陸の冒険者ギルドは「本部」を名乗る組織が幾つもある。


..【カサンドラ】

 ギリシャっぽいところ出身。白い肌、黒い縮れ毛のショートカット、大きな目と高い鼻。背は高くもなく低くもない。少女―――ではないけれど、若い。仕事はできるけど蓮っ葉。『隠蔽』持ち。短剣使い。


..【マルセリノ】

 スペイン辺り出身。

 怖いネ、が口癖の盾使い。髪の赤い、いわゆる赤エルフ。耳がちょっと長いだけで能力的にはあんまりヒューマンと変わらない。


..【ヴィーコ】

 イタリア辺り出身。すぐにニヤニヤ笑う。『隠蔽』持ち。弓と剣使い。魔力感知、罠探知に優れる。

 顔が濃く、髪が薄い。殺人狂の気がある。


..【ジョンヒ】

 東方の出身。多分朝鮮半島辺り。寡黙。『隠蔽』持ち。短剣使い。ククリナイフみたいなのを愛用。



..【カレル・リンド】

 冒険者ギルドボンマット出張所の所長。正式な所属はブリスト。出向中の身。

 カアルの兄。能力はあるけど、島流しに遭っていると思っているので真面目に仕事をしていない。……ように見える。

 酒場に同居している形なので、いつも店の商品をチビチビ飲んでいる。

 エルフ男で双子、上級冒険者。


..【ヨーゼフ・スールゾン】

 ボンマット領主に飼われている大陸冒険者のチーム『アオフ・ブルッフ』のチームリーダー。隠蔽持ち。ボンマットに来てから出会った『リベルテ』とは仲良くはなく、彼がチーズ野郎と呼ばれているのは出身地が青カビチーズで有名な産地だから。

 後のチェダー・スティルトン。


..【カステロ】

 『アオフ・ブルッフ』所属の『隠蔽』持ち。サブリーダー的存在の男だった。登場時にすでに死体、もれなく主人公に不死者にされる。



..【ロッサーナ】

『シュバルツバーレン』所属。副リーダーで女性。お姫様的ポジションにいた。不死者化していたところを発見、主人公に浄化された。








.《ノックス関係者》


 ノクスフォド、が正式な領地名。ノックスとも言う。領都が港町ブリスト。

 領主はノクスフォド公を名乗る。



..【ラディスラス・グレゴリウス・ブノア・ノクスフォド】

 ノクスフォド公爵。ファリスの父で、スチュワートの弟に当たる。五十歳ほど。

 かなり頭の回転が速く、それゆえに周囲がついてこないので常にイライラしている。若い時には王都騎士団にいて、ランド卿と轡を並べた時期があった。

 


..【イヴォンヌ】

 ノクスフォド公爵夫人。故人。コーネリアを産んだ予後が不良で死亡。ウェルズ王国出身、ヴィヴィアンの妹。



..【オースティン・アポロニア・ブノア】


 ファリスの弟、ノックス公の次男。若干二十四歳にしてブリスト騎士団の三つの騎士団をまとめる総長に就任。第一騎士団団長を兼任してるけれど、「総長」と言われるのを好む。

 ファリスがクソ真面目なのに対して、奔放で直情的な性格。金髪で碧眼の荒っぽい人。あまり交渉事は得意ではなく、迷宮事件では失態を犯す。

 ファリスとは年が近いけれど、兄がしっかりしていて野望もあって弟に優しかったからか、兄弟仲は悪くない。


..【ジェイブズ・マクドナルド】

 ノックス第二騎士団団長。両手剣の人。騎士団ナンバー2の人。ブリスト迷宮事件で交渉役に選ばれる。



..【シモン・オードネル】

 小柄シスター。治癒魔法と短剣に優れる。元上級冒険者、聖教会とも関係があり、ブリスト騎士団では重要人物。『暴癒』の二つ名がある。実は継戦能力、一撃の大きさ、素早さ、暗殺能力も含めてブリスト騎士団で一番強かったりする。『隠蔽』持ちで、『ラーヴァ』と『エミー』を足して三で割ったくらいの実力者。小柄なのに胸が大きい、お肌が曲がりそうな白人二十五歳。聖女扱いするには真面目過ぎて融通が利かない。



..【クラーク】

 大柄僧侶。


..【エコー・ワイズベル】

 細面僧侶。この時代には珍しい眼鏡を着用。ノックス領地の実質の宰相で、普段はあまり遠征とかにはでかけない。


..【イーストン・ウェンライト】

 騎士団員だけれど二つ名持ち、『ブリストの魔女』と呼ばれる。最近では『魔女』といえば主人公を指すため、快く思っていなかった。三十歳で、お肌が曲がり始めた。主人公はしらずとも、割と有名人。プライドが高く、ブリスト迷宮事件ではその鼻がへし折られて禍根を残す。

 彼女がブリスト騎士団の魔法隊である第三騎士団の団長だけど、人をまとめるのが不得意で、弟子のゲドが実質の運営を代行しているかんじ。

 ちなみに第三騎士団は単体で運用されることはあまりなく、第一、第二のどちらかと混ぜて運用される。人数も一番少なく五十人規模。


..【ゲド】

 魔法隊の一人。イーストンの弟子。


..【レネ・モネ】

 魔法隊の一人。イーストンの弟子。丁寧な物腰の気弱な青年。主人公たちが調印にきたところに迎えとして遣わされる。大興奮している印象が強いけれど、本来は物静かな人。




..【ビューレル】

 ブリスト西区にあるビューレル商店の店主。オートクチュールの職人さん。大陸出身。本人はパタンナーが本職。デザインは無難なものしか作れない。多数のお針子さんを抱えている。絹製品の流通にも関わり、養蚕業者、織物職人と関わりが深い。

 かなり腕の良いオートクチュール屋さん。王都に比較したら何倍も取られそうなので、これ幸いと大量オーダーを持ち込まれる


..家具屋さん

 正当な価格でベッド製作の契約をさせられる。


..雑穀屋さん

 正当な価格で麦や大豆の継続納入契約をさせられる。


..布地屋さん

 綿布を大量に買われる。毎回うれし涙(?)を流す。



..【コーネリア・アンナ・ブノア】

 ノクスフォド公爵の長女。いつも怒った顔をしているけども、実は緊張しているだけ。背が高く、バインバインのボインボインなので、殿方を圧迫してしまい、縁談は破談が続き、すっかり意気消沈、引きこもりのコミュ症になりつつある。苛烈な性格、と言われているが、単に自暴自棄になっていただけで、本人は物凄く消極的な人物。

 ラルフの嫁候補に名前が挙がり、ノクスフォド公爵を含めて、本気の婚活をする決意をする。

 色々とバランスの悪い人物である。



..【ナサニエル】

 バス=スパ地域の調査のために入った学者チーム調査団の団長。五十二歳の髭モジャ、浅黒い肌のアスリムの人。その昔、大陸遠征の時に連れて帰られた人の子孫。






.《ブリスト冒険者ギルド》


..【カアル・リンド】

 冒険者ギルドブリスト支部長。カレルの兄でエルフ。貴公子然とした佇まい、別名、『白いフェイ』とも呼ばれる上級冒険者。いつもは『白い恋人』と呼ばれていて、ユニークスキル『魅了LV10』を持つ。

 ユニークスキルは現地人にも発現することはあるが、カアルはそうではなく、過去に魂だけ召喚された勇者である。

 ちなみに持っていたケミカルライトは、アイ○スの声優コンサートに行った帰りに事故に遭ったから。クーデレが大好きである。



..【アビゲイル・フリエル】

 冒険者ギルドブリスト支部の副支部長さん。本気の鉄面皮、まるで表情を動かさない、パスカルなら放っておかないだろうハーフエルフの女性。

 未婚。行方不明の妹が一人いる。風の噂では妹は女児を出産したと聞いていたけれど………。ということで、その辺りは想像を外さない。サリーが家名を名乗ったので、アビゲイル、カアルは気付いている。

 大陸出身で、上級冒険者。魔力総量が多い。火と土に特化しているスキル構成。魔力制御は高く、独自技ユニークではないの、通称『金糸』を使う。

 この『金糸』は二つ名でもある。



..【ルーベルト】

 チーム『大地の風』チームリーダー。ブリスト支部、実質のナンバー3。

 精悍な剣士だが、エルフの耳に目がない(?)。真面目な顔をして、いつも目ではエルフの耳を追っている。彼に言わせるとハーフエルフ、クォーターエルフの耳の方がバリエーション展開があって味わい深いのだという。



..【イノセント】

 チーム『大地の風』所属、サブリーダー。

 元奴隷、これは通名。顔から体から傷だらけで、見るからに怖い。猫を飼っていて、そのためにあまり最近は遠征したがらない。



..【ミント】

 受付嬢のヒューマン。過去、カレルと愛人関係にあった。実は愛人関係は切れておらず、秘密裏にカレルと連絡をとっているつもり。彼女が送っている鳩便の行く先は王都の鳩舎で、カレルのフリをしたブリジットが代筆している。なお、カレル自身はミントを利用しているだけであり、恋愛感情は最初から一切無い。今も騙されていることに気付いていないという、スパイ失格の人。遠からず処分される運命にある。彼女が生きながらえている要因の一つは、カレル処分の名目が立っていないからということが挙げられる。ところが主人公がもたらした情報で情勢が変わっていく。

 いつも無理をして明るいフリをしているけれど、本人はとても思い込みが激しく、ネガティブ思考。



..【シュテファン】





..【ティモ】


..【ナット】


..【ヘンリエッテ】


..【スー】

 ネイティブアメリカン。最近は体力が衰えてきたのか、病気ばかりしているが能力は一流。薄幸そうに見えないけどかなり幸薄い人生を歩んできている。




..【アドルフィーネ】

 天然癒し系のお姉さん。チーム『ナチュラルボーン』のチームリーダー兼マスコット(いじられ役)。

 迷宮事件の時には、他の二名のチーム員と一緒に参加していた。このチームは全員がこんな感じの天然お姉さん。

 三十歳が近づいてきたのに、嫁に行く気配もなければ焦る気配もない。

 非常に珍しい、水精霊魔法使い。通常の魔法は殆ど使えない。



..【ゾーラ】

 カアルから見ると兄嫁。現受付嬢、元冒険者、ナチュラルボーン出身、一児の母、カレルの嫁だけど、もうすっかり忘れられてる。本人も忘れている。

 迷宮出張所に出向。


..【サロメ】

 受付嬢。好奇心に溢れていて明るい。落ち着きがない。迷宮出張所に出向。






.《ブリスト南迷宮関係者》


 ブリスト南迷宮に居住する純粋ヒューマンたち。元は王都第三騎士団所属の騎士と、その家族たち。


..【アニ】

 アニおばさん。四十代っぽい。


..【ラモナ】

 ギースの奥さん。ちょっと気弱。


..【ニコル】

 チッパイの敵。ガキ大将的なポジションにいる少年。


..【パトリシア・エルウッド】

 若妻。教養が高く、教師の役割を任命される。元ブリットン順男爵家のご令嬢。実家はお取り潰しになり、殆ど身売り同然にしがない騎士に嫁いだら夫が騎士籍を剥奪されたという、結構な不幸の星の下に生まれている。本人は前向きで理知的。ただ、数奇な人生の影響で無政府主義者。



..【スペクトル・フォア】

 カレル・リンドとカサンドラの子。妊娠時に魔物化ウィルス、主人公ウィルスの影響を受けている。ヴァンサンが養育を申し出ているため、スペクトルにとっての父親はヴァンサンである。

 元来は怜悧で冷酷な性格ながら、ヴァンサンが懸命に育てたため、人の情を知って、カリスマを発揮する。将来的にはブリスト南迷宮の魔物を統べる存在となる。




.《ウェルズ関係者》


..【ヴィクター・アンソニー・マタイ・バーシャク・ウェルズ】

 ウェルズ王国国王。金髪でふくよかな体型。柔和な印象を持つが、内実は短気な人物。三十代後半。

 前国王ウェルヴァーの弟の息子。ウェルズ王家は近親婚が続いている。エミーの義理の伯父。


..【ヴァージニア・トリシア・マティア・ワイアット・バーシャク・ウェルズ】

 メチャメチャ長い名前の、ヴィクターの第一妃。ヴィクターはいとこ。

 エミーの母親とされているヴィヴィアンの姉。つまりエミーの伯母。四十代前半。

 前国王ウェルヴァーの娘。嫡男が全て死亡したため、長女である彼女の旦那であるヴィクターが継いだ。

 血筋上は、ヴァージニアが王権を継ぐべきだが、政治に関わった経験がなく、指示を出すにしても的外れで致命的に危険。そのため、ヴィクターを王配にせず、婿入りという形にせざるを得なかった。宰相ヴェンデルの悩みの種でもある。


 前国王ウェルヴァーの子供は、

長男 幼少時に病死

次男 馬から落ちて死亡

三男 死産


長女 ヴァージニア(ウェルズ国王第一夫人)

次女 ヴァーナ(グリテン・メイスフィールド家傍流の夫人。パスカルの叔母)

三女 ヴィヴィアン(グリテン王第三夫人・消息不明)

四女 ヴィニー(レーン伯爵夫人)

五女 イヴォンヌ(ノクスフォド公爵夫人・死亡)


 男子はともかく、女子については有望な家に嫁いでいる。

 ちなみに長男、次男、長女が第一夫人、三男、次女、三女、四女、五女が第二夫人。第二夫人は第一夫人と次期が重なる。第一夫人は故人、第二夫人はウェルヴァー没後は隠居、特に政治に口出しをすることもなかった。

 次女ヴァーナの嫁ぎ先は、当時嫡男のいなかったグリテンのメイスフィールド家の次男坊に嫁いだ。この家の長男には子供がおらず、ヴァーナも子供を産めなかったため、養子を貰うことになる。それがレーン家のパスカルである。


..【ヴェンデル・ヴァシリー・マハル・ワイアット】

 ヴァージニアの母、トリシアの弟。四十代後半。ウェルズ王国の宰相の地位にある。ウェルズ王国は親戚一同で重職を回している。血縁しか頼るものがなく、あまり良い政治をしているとは言えない。

 ワイアット家の現当主。中肉中背、金髪。なお、『ワイアット』の家は前王ウェルヴァーの家名。


..【トリスタン・ブレンダン・フィリップ・レーン】

 ファンタジーっぽい、黄緑色の髪を持つ青年。ブレンダンの息子。正義感と愛国心が強い。そこそこ強い。ので実力で成り上がりつつあるが、母親の意向が働いていることも否めない。

 パープル迷宮の警備に異動、そこでは無難にこなしていたが、主人公が管理者になると途端に不幸になっていく。男爵。十八歳。


..【ブレンダン・ジーク・パウロ・レーン】

 ファンタジーっぽい、緑色の髪を持つ武官。騎士団の要職、実質のトップにある。結婚時に子爵から伯爵になった。先代ウェルヴァー、今代ヴィクターと仕える。現実主義者。パスカルの、年の離れた兄。


..【ヴィニー・トリシア・マリア・ワイアット・レーン】

 プレンダンの妻、トリスタンの母。かつヴァージニア妃、ヴィヴィアン妃の妹。この人もわがままなまま育ってしまい、口に出したことが叶うはず、という妄想を持っている。良く言えばポジティブ、悪く言えば世間知らず。


..【ジョージ・ミカエル・ディラン】

 男爵。マブット家の従士。パープル騎士団の団長。国から派遣されてきたトリスタンの部下として動く。トリスタン赴任後は一悶着あったが、噴出する魔物に対応しているうちに絆が産まれた模様。しかし主人公に囚われてトリスタンへの罠にされてしまう。噂好きの壮年男性。


..【ズリエル・テリー・ヨハネ・マブット】

 マブット領の領主。伯爵。ここは代々、領地の名前が家名になっている。領都がパープルの街。五十代、やっと貧乏領主から脱することができる、と喜んだのも束の間、迷宮との戦争に巻き込まれる。


..【ジーク・メサイア・サール】

 サール領地の領主。領都がミンガム。代替わりしたばかりの三十代。材木によってミンガム経済は潤っている。無難に経営を行っている如才ない人。ミンガムには森の精霊が住民の林業を教えたという伝説が残っている。森に敬意を払わない現況にマズいと思いつつも対処できないでいる。上に篤く下に厳しい人。


..【ライオン・ウッズ】

 ミンガムにある樵夫ギルドのギルドマスター。本当の意味での互助組織で、緩い規則で緩く集まっている緩い団体。本人は二の腕が発達した、いかにも樵夫風の人。とてもいい人で騙されやすい。それだから緩い団体のトップなんて言ってられるほどにお目出度い性格。ただ、あまりにいい人過ぎて周囲が放っておけないという迷惑な人でもある。


..【ルビー・ヴィニー・マリア・レーン】

 ブレンダン、ヴィニーの娘、トリスタンの妹。生まれつき呼吸器が弱く病弱で、兄に心配をかけている。本人も大人しく、本ばかり読んでいるので世事に疎い割には耳年増。初登場時十六歳。




.《ウェルズ王国冒険者ギルド》


..【アンセルム・アチソン】

 カディフにあるウェルズ王国冒険者ギルド本部の本部長。グリテンの冒険者ギルドと同様に特級冒険者だが、実力は一段低いとされる。つまり上級冒険者相当。実務は引退して十年以上経っているので相当に腕が鈍っているが、ウェルズでは伝説的な冒険者。四十五歳。荒っぽい性格、体格がいい、白髪交じり。ハルバート使い。奥さんが一人いるけども、副本部長であるオリアーナに言い寄られていて、悪い気はしていない。


..【マンフレッド】

 特級冒険者。極めて真面目な男。若手ホープがそのまま育った。二十八歳で脂の乗った時期。小楯に小剣のオーソドックスな戦型。兄貴肌。四人組チーム『ウィングス』のリーダー。


..【エゴン】

 マンフレッドを兄貴と慕うお調子者。上級冒険者。二十三歳。大盾と槍使い。大柄ではないが力持ち。凡庸な顔立ちを気にしている。


..【ルエラ】

 特級冒険者。付与、攻撃、治癒と魔法のオールラウンダー。それぞれの精度も悪くない、パーティーの要。二十九歳、肌が曲がってる。マンフレッドとはなかなかくっつかない。キツイ性格の中肉中背、ちょっと太ってきたのが気になる黒髪の女性。


..【ペティ】

 上級冒険者。フィールドでは弓、閉所では短剣を使う。二十五歳。ハーフエルフだけど出るところが出ている、モデル体型。薄い金髪、性格は穏やかで普段から静か。


..【オリアーナ・イーデン】

 豪放なアンセルムにいつも苦労させられている副本部長。

 副本部長は二人いて、そのうちの一人。

 臆病、アンセルムに心酔していて、秘書的な立場。


..【ロビン・アイオミ】

 斥候や情報収集を得意とする。副本部長の一人。かなり慎重な性格。カディフ東迷宮攻略時、アンセルムの補助をしていた斥候隊のリーダー。迷宮内で主人公に捕まり、インプラントを施されてしまう。



.《イアラランド関係者》


..【オリヴィア・ジュリア・パトリック・イアラ一世】

 初登場時二歳。まだバブ―しか言えない。イアラランド統一国家の女王に即位することになっている。『中イアラ』最後の王族。『南イアラ』の謀略によって中イアラの王族はオリヴィア以外絶滅。どういう理屈かエマ王女が殺したことになっているので、反グリテンの御輿として据えられた、意思も主体性もない形骸の女王。

 良くも悪くもイアラランド統一の旗印として生まれてきた。


..【ケント・ユアン・フィギス】

 南イアラの王。四十八歳。この王様なりには国やイアラランドの行く末に憂慮している。謀略好きの『小さいマッコー』。小男で戦略上の手腕は鋭い。中イアラ王族を謀略によって屠り、オリヴィアを擁立。自らはその後見人となる。


..【ヒル・ギャラガー】

 北イアラの王。三十四歳。戦上手ではあるが大局観に欠ける。南イアラに出し抜かれて中イアラを実質奪われてしまい、南イアラに従わざるをえなくなる。統一国家が必要だ、という点では一致していたため、面従腹背で南イアラに協力。


..【トロイ・モア】

 二十代後半の実直な騎士。中イアラ王国ガブリン騎士団の副団長の一人。若きエリートながら実直過ぎて融通が利かない。妻帯者、子宝に恵まれなかったが、主人公を見てどうしても娘が欲しくなりハッスルする。主人公との邂逅、一年後に生まれる娘がいる(予定)。『鑑定』持ち。



..【フィリップ・ロン】

 ロリコン。二十代前半のうだつの上がらないヒラ騎士だったが、主人公を性的に襲おうとして血肉を埋め込まれ、以降イアラに潜入したスパイとして酷使される。別名ケダモノ騎士。その血肉によって、割とどうでもいい資質がどうでもよく開花し、騎士団副団長クラスにまで昇進する(予定)。



..【中央騎士団騎士団長】

 元々南イアラの複数ある騎士団の団長だった。出向の形で中央騎士団の団長に就任。南イアラの意見を重んじているため、北、中イアラ出身者からは良く思われていない。


..【副騎士団長】

 北イアラ出身。声が大きく若本調。三つの国の騎士団をまとめるにあたり、北イアラの意見をねじ込むために強引で交渉上手な人物が選ばれた。




.《魔族領関係者》


 相対的にヒューマン以外の種族が多いというだけで辺境扱いされた、十数個の都市国家群。グリテン島北部を一つの国家としてみると、民衆の規模はウェルズと同程度。軍事的にはまとまりを欠き、各個撃破できるために国単位としては脅威ではない。が、時折南下してグリテン王国北部を攻めるため、備えを欠かせない。負担を強いるという意味では脅威である。125年後半、グリテンとウェルズが実質一つの国家となったことから、対抗する意味で魔族領は統一の方向へ向かう。

 現代においては純血の魔族は少なく、ヒューマンとの混交も進んでいるため、寿命はヒューマンとそう変わらない(大体倍の百年程度)。



..【ウォーレン・シャーウッド・エンジン】

 四十二歳。エンジン公。魔族領の中でも内政に優れる才人。武力よりは交渉によって物事を進めるのを好む。

 末娘であるメアリをセス・ヴァッセルに嫁がせることでラスゴ領と糾合、そこから周辺の小部族を併合していき、アバ領、カール領とも早い時期から連絡を取っていた。

 シャーウッドは元々、バラン族の族長。純血のバランで、辿っていけばブリジットの遠い親戚ではある。


..【メアリ・シャーウッド】

 エンジン公の娘、十二歳。末娘だが母親が謎、とされている。この母親はヒューマンなので、バランとヒューマンのハーフということになる。

 非常に聡明な女性で、文学、芸術、音楽、軍学、政治学に才能を見せたのに加えて、運動能力もある。薬学や物作り以外は完璧超人。

 現在はエンジン領とラスゴ領を行ったり来たりしながら、両領地の風通しを良くする活動をしている。ピンポイントでラスゴ領に嫁ぐ、と決めたのも自身であったりする。



..【セス・ヴァッセル・ラスゴ】

 二十二歳、バランとヒューマンのハーフ。ラスゴ公。メアリ・シャーウッドと婚約したことで将来エンジン領地も継ぐことになる、野望に満ちた男。武力に優れ、カリスマ性もある。若くして領地を継いで苦労もしている。ここの家臣団は優秀で、エンジン領との実質の合併も総意で決まった。

 メアリとの婚約を機に、魔族領統一への気概を隠さなくなった。二領の武力を背景に、アバ地域、カール地域にグリテンの脅威を説き、仮の統合に成功しつつある。

 アバ公、カール公に対する示しとして自らがドワーフ村迷宮に挑む。


..【ガル・マッキャン】

 三十五歳。セス臣下の従士。ラスゴ領では軍事面のトップで、セスの副官。




..【ニエマイア・ティロトソン・アバ】

 アバ公。四十一歳。如才ない駆け引きと融和政策で多種族の街を治める。

 アバの街には一定の比率でマーフォーク(人魚)がいるため、水産で潤う。カールの街とはあまり仲がよろしくはないが、セスに説得、というか屈する形で同盟を受け入れる。



..【ウェス・ゾンプラー・カール】

 カール公。

 自ら部族を率いてカールの街を大きくした偉人。五十五歳。グリテン戦争では啓示(つまり信託)を受けてセスに従うも、それならば成果を見せよ、ということでセスにドワーフ村攻略を任せた。自らも兵隊を率いて大規模陽動であるパープルの街攻めを主導する。



..【アン・ヴァッセル】

 セスとメアリの娘。第一子。




..魔族領にいる主な魔族の種族


ヒューマン

あろうことか最大種族。特に迫害もされておらず、普通に暮らしている。


バラン

運動能力が高く、知恵も回る。耳の短いダークエルフみたいなもの。ダークエルフとは違う進化の結果と言われる。


ダークエルフ

魔族領においては少数民族。


エルフ

魔族領においては少数民族。


ドワーフ

魔族領においては少数民族。


マーフォーク

水棲の魔族。シェミーなどが有名。少数民族。


バーディ

鳥とのキメラが発祥とされる。体のどこかに羽毛がある。敏捷性が高いが骨が脆い。


ウルフィ

いわゆる人狼。鼻が利き、戦闘モードに移行すると体躯が大きくなる。基本的に裸族。最大種族ではないが割と普遍的に見る。変身しても、それほど狼っぽくならない。



.《主人公の子供達》


 総じておっとりさんだったりする。

 男子三人は徹底して教育、躾をされ、女王を見つめ続けたため、グリテンの体制維持と発展を至上命題として疑わない。全員、名前の後に『ウィザー』または『グリタニア』がつく。


..【ジョージ・メサイヤ】

 125年産まれ。通称ジョージ。主人公とエミーの子。遺伝上はハーフドワーフ。エミーのお腹で育った。

 他者の機微を読み取るのが上手く、交渉事に長けている。己の立場を理解し振る舞う聡明さを持ち、王に相応しい人物に育つ。目がパッチリしていて超絶イケメン。厳しい母に育てられたので少々マザコン。


..【ウィリアム・ミカエル】

 125年産まれ。通称ビル。主人公とエミーの子。遺伝上はハーフドワーフ。主人公のお腹で育った。あまり身なりに気を使わないが、ちゃんとするとそれなりに格好良い。

 学者肌で興味を持ったモノには集中してしまう。目的達成のために、あらゆる手段を試みる。マッドサイエンティストの気がある。

 魔法と錬金術に才を示し、サリーに師事。それで多少は大人しくなった。


..【ケネス・サミュエル】

 125年産まれ。通称ケニー。主人公とフレデリカの子。遺伝上はドルフ(50%ドワーフ、50%エルフ)。フレデリカのお腹で育った。

 兄弟の中で一番耳が長く、武威に優れる。柔軟な発想力を持ち、一見破天荒に見えて目的に至る最短距離を見渡せる人物。



..【娘たち】

 210年頃産まれ。間が空いたため、母体として健全だったのがフレデリカのみ。そこで人工子宮を使っての試験管ベビーとして誕生。

 恐らく本編には出てこない。最終的に七人。




.《ドワーフ村関係者》


..【ドグル】

 ドワーフ村を仕切る『賢人会』の一番偉い人。古参で長老、二百二十四歳。くすんだ髭と深く刻まれた皺が印象的。



.《カステラ王国》


..【カルロス・マルコス】

 名門マルコス家の三男で男爵。実家は伯爵家。海事に精通し、船団を率いて南方カステラ王国からグリテンを侵略しに来る。が虜囚の身となる。



.《シアン帝国》


 シアン帝国には軍組織はなく、貴族が農民を使役する形で軍勢として形を整える。周辺部では未だ領土拡大戦争が続いているが、帝都に近い地域では平和そのもので治世も安定している。幾つかの国の連邦国家でもある。

 帝都は聖ビーテルで、この十年で遷都したばかり。



..【オットー・アレクサンドロフ】

 北東海域を攻めてきた船団の実質の総司令。下級貴族。熊のような体躯、髭モジャ、寡黙、如何にも苦労をしてきた感じ。彼の領地は海に面しており、漁で生計を立てていたものの、海賊対策に追われて海戦の経験を積んだ。それが皇帝の目に止まり、立派な軍船を貸与された。というか帝都の隣の領地だった。


..【ピョートル・イヴァノヴィチ】

 シアン帝国皇帝。北方ヴァイキングとの戦争で名を上げ、皇帝になった。しかし内政はからきしで、国内貴族をまとめることができなかった。

 マティルダとの間に二名の皇子、ディーナとの間に王女が一人いる。


..【マティルダ・イヴァノヴィチ】

 元グリテン王国第一王女。結婚時十九歳、主人公のサンクトピーテル襲撃時三十歳。弟アベルがマティルダを頼ったため、救国の志を持ってグリテン侵攻をピョートルに進言する。しかし、それがイヴァノヴィチ朝崩壊の引き金となる。


..【ドミトリー・イヴァノヴィチ】

 ピョートルとマティルダの子。襲撃時九歳。グリテン王国に拉致されて、出自を隠されて違う名前を与えられて暮らす。グリテン王国への王権は放棄させられた。


..【グレゴリー・イヴァノヴィチ】

 ピョートルとマティルダの子。襲撃時七歳。グリテン王国に拉致されて、出自を隠されて違う名前を与えられて暮らす。グリテン王国への王権は放棄させられた。





..【キリル】

 正教会の神父さん。『神託』の受け手。



..【ディーナ・イヴァノヴィチ】

 ピョートルの第二夫人。国内有力貴族の娘で、マティルダと反目している。この人主導でクーデターさえ画策されている。


..【カテリーナ・イヴァノヴィチ】

 作中には出てこない(はず)。ディーナとピョートルの娘で、後年、皇帝の妻となるも、その皇帝を排して、自ら女帝となる。主人公襲撃時六歳。




.《カーンの街関係者》


..【エラン・ギャザリング】


 プロセア帝国天領だったカーンの街の代官。子爵ではあるものの、あまり貴族らしくない。ギャザリング家は代々皇帝からこの地の代官を任されている。天領である手前、慎ましい生活を送ってきた。独自政策も施せず、鬱屈していたところ、グリテンによってインプラントを施されてしまう。その意に従って、オルトヴィーンとヴィンフリートを受け入れ、カーンの街はグリテンに帰属を宣言するまでになる。

 モノグルを掛けた壮年で、痩せぎす。貴族というより役人っぽい。



..【オルトヴィーン】

 元プロセア帝国第二王子。主人公を恐れ、敵対しないように説いていたが受け入れられずに王室から放逐、信奉者を集めてカーンの街に籠城する。その流れでインプラントもされており、内政能力の高さも相まって、グリテンにとっても重要な人物になる。

 なお、元々の家名は放逐された際に失っており、今は何の家名もない、ただのオルトヴィーンである。


..【ヴィンフリート】

 元プロセア帝国第三王子。英雄ヴィンフリートを信奉する者は多く、プロセア軍からも相当数の離反者を生んだ。帝都からカーンまでの撤退戦、カーンの街籠城戦など、新たに武勇伝を作る。軍政、軍隊運用に長けており、カリスマも相まっていつでもクーデターの火種になり得る危険人物。ではあるが、主人公に手ひどくやられた過去があり、その際の約束を守ったが故の窮地でもあるので、グリテンから援助され、大陸方面軍の任を受けることになる。


..【ヴェンナー・ポーザー】

 プロセア帝国帝都に本店を構えるポーザー商会の会頭。今まではフリードリヒにパトロンとして取り入って莫大な利益を出していた。ところが負けが込み始め、利益が上がらなくなると、フリードリヒを見限って、分裂しつつあるプロセアの各領主、全部にいい顔をしている。

 ポーザー商会はカーンの街にも支店があり、拠点になり得る規模でもある。数年前まで、デジタル・カメラを(正体は知らずに)店員として雇っていた。



.《その他の人》


..【ビアンカ・オギルビー】

 サリーの母親。アビゲイルの妹。身重で教会に保護され、出産後に他界。ハーフエルフ。


..【クレイトン・スピアリット】

 正式には故人。『クレイトンの試験』で有名な人。ロンデニオン東迷宮内部で、今も不死者として存在する。マッコーキンデール二代の師匠。



.《艦船》


..【キング・スチュワート】級

 設置型魔法陣による安定した魔法攻撃を可能にする、大型で高速な帆船。一艦で数隻を相手に出来る装甲と火力、機動力を持つ。


キング・スチュワート

グレート・ロンデニオン

グランド・ブリスト

ウィンド・オブ・ウェルズ

シー・オブ・ポートマット

インテリジェント・オブ・ノックス


..【ドレッドノート】級

 自ら「前ド級」を造り上げた革新的な迷宮艦。対空、対地戦闘が可能で空戦能力も一定のレベルで保持している。空中移動しながらの砲撃照準に難があり、絶対的な戦力というわけではない。普段は偽木パネルで船体を覆っているため、本来の性能を出していない。


ドレッドノート



..【グレート・キングダム・オブ・グリテン】級


グレート・キングダム・オブ・グリテン(やまと)125年9月就役


..【アンドロメダ―】級


アンドロメダ― 127年4月就役


..【クイーン・エマ】級


クイーン・エマ


アンドロメダー改級、三門の魔導砲を装備




..【ノーチラス】級潜水艦

 迷宮艦の小型化実験のために作られた。廃艦予定だったが海底調査に有用だということがわかり、世界中を調査している。本当に20000マイルまで潜れる。作業用アームを装備しているため、グリテン統一戦争時、初期にはパープルで海中工作を担当。


ノーチラス 125年1月就役



..【ホエールシャーク】級潜水艦

 戦略級ミサイル『タイフーン』を運用するために適正なサイズで建造した潜水艦。一番艦は故障続きで小さな敵を倒すのには向かない(オーバーキル過ぎる)ため、魚雷を搭載した改級に改装される。二番艦は最初から改級で建造された。充魔力式小型潜水艇を二隻内蔵。装填されているミサイルだけでも大陸の大都市の半分は灰にできる。


ホワイト・セプテンバー(125年9月就役、126年12月改装)

グリーン・ノーベンバー(建造時より改級、127年11月就役)


..【ブルードラゴン】級潜水艦

 再度潜水艦の小型化を狙い、スクリューシステムの実験を兼ねて建造。実験そのものは成功ながら他の者では加工精度を再現できない(作れない)ため、後に大改装、ウォータージェットに換装。

 二番艦は当初から量産が可能なように設計を簡便化。主人公の死後に量産が許可された唯一の艦種となる。


ブルードラゴン(128年4月就役、128年6月改装)

ブラックドラゴン(128年8月就役)





.設定メモ


..インプラント

 体内埋め込み式魔道具の総称。思考誘導のために主人公が従来品を改良、普及させていく。体内のどこに埋め込んでもいいが、欠損が死亡を意味する頭部に挿入するのがいいとされる。大きなものはこめかみに、小さなものは耳裏に入れるのが一般的。


..魔力波形

 個人で固有の波形を見せる。一つの波形には明確に分けられる前中後期があり、一般的に前期と中期が目立ち、感知しやすい。後期は目立たないが本来の意味で変質しづらく固有と言える。

 魔力感知の精度が向上すると、波形も細かく捉えることができる。また、魔道具で捉えると、不感知領域にも波形が存在することが確認されている。

 実は一つのパターン以外に、複数のパターンを持つ場合がほとんど。これも固有の周期で切り替わって発信されている。

 セキュリティの『鍵』として使う場合は特定の、一つのパターンに絞っても実用となるが、より精度を高めるためには複数パターンを登録しておく方が良い、とされる。








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[気になる点] ユニークスキル:人物解析 遺伝子操作 脈探査(第一話時点) その後に習得したユニークスキル:限界突破(第二話)、死者蘇生(第百三十六話)、不死者生成(第百三十六話)、不死LV1(第百三…
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