その1-1 「ちわ~、ミカワ急便っす~!」
ちょ―――お久しぶりです……。
今回は、とある平凡な一日……?
「う~~~ん、やあっと終わった~!」
アタシはこの船の見習い乗組員。―――本職はトレジャーハンターなんだけどさ。
まぁ、色々あってココでご厄介になる事になったのよね。でも、役割らしい役割もなくって、取り敢えず掃除しよって思ったの。
つっても、個人の部屋とか鍵掛かってるトコとかは出来ないから、共用スペースだけなんだけど。
「あ、お疲れ様~! ありがと~、助かっちゃった」
シェーラが買い置きのドリンクを持って……ぶら下げて? ふわふわ飛んでくる。
「この船、乗組員少ないのに、無駄に広いよね……。使ってない部屋とか物置とか多過ぎ!」
「まぁ、昔も三英雄とライトが居ただけだから、部屋は余ってたんだろうけど……。
なんでこんな大きな船にしたのかな?」
「……お客さん多かったとか?」
とはいえ、三英雄は単独でも仕事を受ける事はあったけど、大体三人まとまって仕事を受けるのが殆どだった記憶がある。
だけど、あの時は―――。
「……シャ、アイシャ? どうしたの、怖い顔して?」
「え、あぁ、んーん? 何でもなーい。
あー、汗かいちゃったなぁ~。シャワーでも浴びてこよっかな」
汗だくになって張り付いていたシャツを摘まんで持ち上げる。
「そうね、まだ晩ご飯まで時間もあるし……」
なんて呑気な話をしていた時に、それは大音響で鳴り響いたのよ!
ビ―――ッ! ビ―――ッ! って。明らかに、警報?!
「シェ、シェーラ?! 何コレッ?!」
ちょっと、こんなの、アタシ初めて聞くんだけどッ!!!
「ああ、コレは認識信号を登録していない船が近付いた時に鳴る警報音ね。
ついでに説明するから、アイシャも来て」
そこはかとなく、"先輩風"なんて物を吹き付けられている気もしないでもないけど。
ま、そこは正真正銘ぺーぺーなんだから仕方ないか。
「は~い、ヨロシクで~す」
*** ***
で、一番手近にあった通信ターミナル? ってとこへ行くと、既に例の見た目恐ろしい三つ首ワンコ様が待っていらっしゃいました。
『遅いぞ、シェーラ……』
「ごめーん; で、何なの?」
モニターを覗き込むと、どことなく見慣れたカラーリングの特徴有る機体が、少し離れた所で止まっている。
「ん? あれって確か……」
『通信つなぐぞ?』
「うん、お願い」
そして、モニターに映し出されたのは……。
『ちわ~、ミカワ急便っす~!』
そう、宇宙を股に掛けて運送業を展開する超有名宅配業者の制服を、微ッ妙~に着崩したにこやか~なお兄さんが……。
「へ?! みか……何?!」
どうやら知らないらしく、シェーラが首を傾げている。ふ、さすがに森の生活が長い妖精ちゃんには分かんないか~。
「ミカワ急便。有名な宅配業者さんよ。誰か何か通販ででも買ったのかな?」
てか、待てよ? こんな宇宙のド真ん中で宅配??? そんなんアリ???
「ねぇ、ワンコさん。誰かの荷物が届くとか、聞いてる?」
『ワン?! ……い、いや、聞いておらんな』
「―――なんか怪しくない?」
『えええ、そんなぁ……。怪しくなんか無いっスよ~。だって確かにこの宙域と時間で指定して貰ってんですから~』
そこへ今度はピーピーとまた何か鳴りだした。
「もー、何なのよ、次から次へッ! シェーラ、分かる?」
「あ、うん……これは、えっと……そう、外部からの通信!」
と、それまで固まってたシェーラが全力で赤い点滅しているボタンを押した。
『……ああ、繋がったか』
どことなく、ホッとしたような声色。
「「さ、去月~~~?!」」
地獄に仏ってこの事?! 思わずハモっちゃった。
『そろそろ私が頼んだコンテナが届く筈なのだが……』
「え、じゃあ、今来てるミカワ急便って……」
『そちらの方が早かったか……。済まない、怪しい荷ではないので搬入して貰ってくれ。
―――そうだな、場所は第二ハッチの方が後が楽か……誘導はケルベロスに頼む』
『第二ハッチか、了解した。直ちに掛かろう』
「じゃあ、えっと、ミカワ急便さん、第二ハッチへ誘導しますんで運び込んで貰えますか?」
『あざ~ッス!! 搬入後、受け取りの確認の為にサインを頂きたいんですが~』
「じゃ、じゃあアタシが行くね……って、アレ? 第二ハッチって何処だっけ???」
『『「―――えッ?!」』』
『―――あの~、別に、急ぎませんので……搬入もありますし、うん』
やめて―――、みんなしてそんな”残念な子”を見るような目しないでよーッ!!!
*** ***
結局、シェーラと一緒に第二ハッチへ向かうと、もう既に大きなコンテナが運び込まれていました。
「おっき―――い!! 去月ったら一体何買ったんだろ?」
「まいどー! こちらにサインお願いしま~す!」
配達伝票とペンを差し出してくる、にこやか~なお兄さんには何だか既視感が……。
ああ、そっか。雰囲気がライトと似てるのか。
体格や肌の色、後は目の色とか。髪は赤いからそこは違うけど、それ以外は結構共通点あるな~。なーんて思いつつ、サラサラーっとサインして返す。
『あざーっした! またのご利用お待ちしてまッす!!』
と、お兄さんは仕事を終えると、爽やか~に帰って行きました。
「それにしても……何かしらね、この荷物?」
「さぁ……何なんだろうね?」




