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41、二月九日、午前八時三十二分。
都内に拠点を持つ電力会社三社では、いずれも相次ぐ停電の報せに大わらわであった。最初の通報が入ってのち、社内の電話とメールが苦情のためにパンク状態となり、しかもすぐに、どちらも極めて通じにくい状態となった。どこでなぜ停電が起きたのかも把握できないありさまだった。
停電は地下ケーブル坑内での銃乱射のためだったのだが、そんなことを電力会社では知るよしもなく、しかも調査に向かうすんでのところで警察庁公安第七課より非常回線へ連絡が入り、詳しくは言えないが、復旧作業はこちらから再度連絡するまで待ってほしいとの要望があった。事実上それは、命令に等しかった。
その連絡が入った直後、今度は電力会社自体の本社ビルが停電となり、社内は一層、混乱した。
誰も何が起きているのか、わからなかった。




