6.告白
あてもなく、今日もまた終電に乗ってしまった。
狂おしい気持ちを抱えて。
「また、一人旅に出るかも…」と言ったときの母親の顔を思い出した。
「留年のことはもういいよ。でもね…」
“やめなさい”と言われたら、僕は黙って心を閉ざす。
母親もそれが分かっている。
「最近、闇バイトとか問題になってるでしょ?変なことに巻き込まれないかな、とか。慎ちゃん男子校だったから、正直、女の人に免疫ないし、若くてキレイな女の人に騙されてないかなー、とか。親だから、心配しちゃうのよ。反対しないから、行き先と連絡先はちゃんと教えてほしいの」
アンジェは、僕を拉致して血戦兵器に変えた。
それだけじゃない。
僕にお母さんを抱かせて、ヒトの男の子を産ませようとしている。
僕は僕で、血に飢えた変態だ。
刀に変身して敵を蹂躙したい。
骨をぶった斬り、肉や内臓を掻っ捌く快感の中毒だ。
そんなこと、自分の母親に言える訳がない。
「あー!」と叫んで頭を抱えた。どうせ誰もいない。
誰も聞いていない。
僕は一人だ。
その時、連結部のドアが開き、ゴツゴツという足音が聞こえた。
僕の頭の上に小さな生き物がパタパタと舞い降りた。
「ねえねえ、こいつ…」と言いかけて、ぽこチンが口をつぐんだ。
「…アンジェに言いたいことがあるみたい…」
“そうだ、聞いてくれ。君のためにイキたいんだ”
僕は立ち上がった。




