異世界人 【6】
「ぶんぶん……ぶんぶん……」
あれ、何か、ぼーっとする視界に、左右に高速で動いてる何かがあるぞ?
「ぶんぶん……ぶんぶん……」
あ、しかも効果音つきだ。
凄い棒読みだけど……
「おーい、かーなーめー」
「へっ……うわぁあ!?」
え!?
ああ! 左右に高速で動いてる何かは、アイリの手だったみたいだ!
効果音は、アイリの声だったらしい!
……はっ
「目覚めた?」
「えっと、どっちの?」
アッチ系のに?
それとも、普通にぼーっとしてたのから?
「ぼーっとしてたのから」
「うん、目覚めたよ大丈夫」
「そっか、それならよかった。要、最近変な方向に走り始めてる気がするからさっ」
にこっと笑うアイリ。
その笑顔が何だか怖い気がするのは俺の視力が悪くなってきちゃったからかな?
あはは。
「じ、じゃあアイリ、門の前まで送るよ」
「うんっ、有り難う」
今度は怖くない笑顔で笑って、手を繋いでくる。
可愛いなあ。さっきのがなかったらなあ。
……さっきのがあっても可愛いけど~。あはー。
「じゃあ俺はここで」
「要、有り難う!」
見習い魔導士の寮に戻っていくアイリを見送った俺は、これから何をしようかと考える。
「うーん。ちょっと、マロアにも会いに行こっかな~」
久しぶりだし。
そうして俺は、アロマ達に会いに教室へ向かった。




