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第一部「会社」

黄色い線を通り越して、僕は改札口へと急ぐ。

人ごみにもみくちゃされながら僕は「あ〜可愛いこのケツとか触りてぇ」等と実にけしからん事を考えていた。

カードを改札口に通して、反対側にカードが出る。

今では、携帯とかで改札口を通ることができる。

僕は何気ない時代の変化に驚きつつ、感心もしていた。


「ありがとう。いってらっしゃい。」


窓口から顔を出して通る人々に声をかけるおばちゃんの顔が見えた。


僕はおばちゃんに一礼して


「いってきます」


誰にも聞こえることなく僕はつぶやいて颯爽と歩く。

機械と時代は変るけど、人はやっぱり人なんだなとつくづく思う。


何気ない一言が嬉しかったり、ちょっとした事で傷ついたり。


僕は微笑んで、街の中に溶け込んでいた。

駅から数十分歩いたいつものビルの中に入り、僕は警備員や受付嬢に挨拶をして中に入る。

机が並ぶいつもの風景が見えてきた。

はぁ・・・。

僕は自然にため息が出ていた。

今日の大半をここで過ごすのだから気が滅入るな。


「さて、今日も張り切って頑張りましょう。」


一番奥の席に座っている生意気そうな顔の部長がいつもの時間にいつもの言葉を皆にかける。

皆はいつも通りパソコンに向かってデータを入力していながら、部長の言葉に耳を傾けている。


なんで、いつもこんなことしているんだろう・・・。

と俺は、いつものことを考えて、


「さて、今日も張り切って頑張りますか。」


同じ言葉を繰り返していた。

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